こんにちは。ひとりで.comです。
2018年1月11日放送のカンブリア宮殿は「お年寄りのレジャーランド 笑顔あふれる介護の理想郷」と題してたんぽぽ介護センター代表 筒井健一郎(つついけんいちろう)さんが登場。
愛知県一宮市にある「たんぽぽ温泉デイサービス」は、地元の高齢者に愛される巨大介護施設。
一般的なデイサービスの施設は利用者が30人程なのに対し、「たんぽぽ温泉デイサービス」は、1日約250人が集う日本最大級のデイサービスだ。施設内では、天然温泉やパチンコ、カジノ、カラオケ等が楽しめ、リハビリメニューも水中エクササイズや陶芸教室等、250種類もあり、「お年寄りのレジャーランド」と評判を呼んでいる。
客を呼び、従業員も満足する介護施設の全貌に迫る!
お年寄りのレジャーランド 笑顔あふれる介護の理想郷
日本最大級のデイサービス施設:たんぽぽ温泉デイサービス
ある調査では、親の老後の心配事のおよそ6割が介護となっている。
1位 | 親の介護 | 61.3% |
2位 | 経済的負担 | 46.3% |
3位 | 病気・認知症など | 28.7% |
いまや高齢者人口は3,500万人以上。
名古屋のベッドタウン、愛知県一宮市に人気の介護施設がある。その名もたんぽぽ温泉デイサービス。地下から汲み上げた天然温泉が楽しめ、カラオケやパチンコまで楽しむことができる。一見、健康ランドのようだが、ここは日本最大級のデイサービス施設なのである。
1日に250人もの利用者がおり、施設のスタッフは90名ほどいる。
デイサービスとは、介護認定者が食事や入浴、リハビリなどを受けられる送迎付きの介護サービスである。介護士や看護師が常駐しており、日々の体調管理も行ってくれる。
一般的なデイサービスは20人ほどの介護者を数名のスタッフでケアし、同じリハビリやレクリエーションを行う。しかし、たんぽぽ温泉デイサービスはまったく違う。
たんぽぽ温泉デイサービスには、なんと250種類以上のレクリエーションサービスがある。小さな施設とは異なり、その日の体調等に併せて利用者が自由に選ぶことができるのである。
介護保険は、その軽度・重度によって自己負担額が変わる。例えば要介護2の場合、1日の利用負担額は743円となる。
たんぽぽ温泉デイサービスでは、利用者がより積極的にレクリエーションに参加するような仕掛けが設けられている。それがシードと呼ばれる施設内通貨である。つまり、リハビリを行なうことによって、褒美がもらえるのである。
このシードという仕組みを作ったのが、たんぽぽ介護センター代表 筒井健一郎さんである。
要介護状態になると、その家族がお金や通帳などを管理するようになる。したがって、自由に使えるお金がなくなってしまうのである。そこで、施設内通貨をやってみようと考えたのだという。人間にとって稼ぐ・貯める・使うという活動が生きる根本になるのである。
シードをたっぷり稼ぎたいという人のために、施設内にはカジノまで用意されているのである。
従業員も客も幸せにするたんぽぽ介護センター
たんぽぽ介護センターでは、定期的な視察ツアーが行われている。この視察ツアーでは、中小企業の経営者らが参加されている。
実は、この視察団は介護とは関係ない中小企業の経営者。この視察団が見ているのが、従業員の接客である。たんぽぽ介護センターの顧客に寄り添う接客術が、全国の企業から注目を集めているのである。
代表の筒井健一郎さんは、1948年大分県生まれ。中学を卒業すると集団就職で愛知県岡崎市へいき、大手企業の工場で働いた。しかし、4年間勤務し退職した。その後、土建業や弁当屋、夜のクラブや訪問販売員など、仕事を転々とした。
2人目のこどもができたときに心を入れ替え、25歳で長距離トラックのドライバーとなった。そして真面目に働き、その功績が認められ35歳で子会社の物流会社の社長に就任した。
9人でスタートした物流会社は10年で従業員500人の企業に成長した。だが、それは従業員にがむしゃらに働かせた結果だった。その後、労働組合が結成され、未払い残業代などを請求されるようになった。
そして、48歳の時、社長の座を辞任した。その後2年間、無職となった。介護事業を始めたいという知人の相談にのっかり2000年、たんぽぽ介護センターの社長を引き受けた。
介護はまったくの素人だったため、専門のスタッフを雇用した。しかし、これが問題となった。介護スタッフは仕事中笑顔を一切出さず、客をぞんざいに扱っていた。また病院からの依頼者に関しても、選り好みをしていたのである。
そうした状況をみて、技術的には素人でも良いので従業員も客も幸せにする介護施設を目指そうと再出発を誓ったのである。
現在、総スタッフは610人でその8割がパートさんである。また、ほとんどの人が介護経験がない人だったという。