こんにちは。ひとりで.comです。
2018年1月13日放送のNEC presentsミライダネは「家庭のゴミを資源に変える!」と題して、
今回は、毎日の生活で出てくる様々なゴミを有効活用する大特集!
唐揚げなどで大量に出てしまう食用油を集め、電気に再生させる染谷ゆみさん、「東京を油田にします」とTOKYO油電力と名付け電気の販売も開始、その驚きの技術とは!
そして今や世界で4番目にコーヒーを消費する日本、その大量のカスを自動車部品に変える技とは。更にエコ生活の達人も登場します!
家庭のゴミを資源に変える!
食用油をリサイクルできる油に変える
群馬県高崎市。街道沿いに緑の倉庫が配置してある。これは、使用済み油の回収所である。集まった油は月に1度回収される。1ヶ月でおよそ100キロにも及ぶ。この使用済み油は株式会社アーブという企業に集められこの会社で発電用の油として再利用されるのである。
この株式会社アーブ では群馬県内に600ヶ所以上ある廃油回収所から毎月50トンにも及ぶ食用油を回収し、およそ400世帯分の電力を発電している。
廃油を使った発電を思いついたのが、染谷商店の染谷ゆみさん(49歳)である。群馬の株式会社アーブ にあった発電機は、染谷さんと大手企業が共同で開発したものなのだという。
実は、食用油を使って発電することは意外と簡単に実現できる。しかし、使っているうちに配管が詰まってしまい故障してしまうことが多いのだという。その原因となるのが、食用油に含まれるグリセリンである。
グリセリンは換気扇などがベトベトになるあの物質である。しかし、染谷さんはグリセリンが固まらないよう、発電装置の熱を配管に通すことでグリセリンが固まらないように工夫しているのである。
1リットルの食用油でおよそ一般家庭半日分の電気を発電できるのだという。
こうした電気を再利用しているのが、東京墨田区にあるアグリガレージ研究所である。
室内で野菜を作る工場である。バジルやミント、パクチーなどを栽培している。墨田区には農家が1軒もないため、この野菜が唯一の墨田区産の野菜なのである。
染谷さんは、2017年10月に電気の小売事業をスタート。一般の家庭でもこの電力が使えるようになった。
ベジタブルディーゼルフューエルを生み出した染谷商店
染谷商店は1949年(昭和24年)に創業。使い終わった油を集め、せっけんや肥料の原料にリサイクルするのが主な事業だった。染谷ゆみさんが参画したのが1991年。翌年報じられたあるニュースが染谷ゆみさんの人生を変えることとなった。
それが、アメリカで大豆の油を使ってバイオディーゼル油ができるというものである。このニュースを見て、大豆の油でできるなら食用油でも車を走らせることができる油ができるのではないかと考えたのである。
それから約1年、研究を重ね、世界で初めて使用済み油から燃料を作ることに成功した。この時ネックになったのがグリセリンである。染谷さんはアルコールと企業秘密のグリセリンを加え化学反応を起こすことによってグリセリンを分離する方法を考えた。そしてグリセリンを取り除き、燃料と使えるようにしたのである。
そして付けた名前が「ベジタブルディーゼルフューエル」である。
この発明が2009年、Time誌に掲載されるほどになり、さまざまな企業から使いたいという問い合わせが殺到している。
今では、コミュニティバスの燃料や目黒川のイルミネーションの燃料としても使われている。
ゴミの再利用は江戸時代から行われていた。当時は屑屋や灰書いなどと呼ばれ、職業のひとつとなっていた。さらに糞尿の回収業者もいるほどだった。糞尿は身分によって位分けされており、大名などの高身分の人の糞尿は栄養価が高いとされ、高値で取引されていたという。
コーヒーかすを再利用して活性炭を作る
日本におけるコーヒー消費量はアメリカ・ブラジル・ドイツについで世界第4位(2014年)。それに伴い増えているのがコーヒーかすである。日本で1年間に出るコーヒーかすは約60万トンと言われている。
タリーズコーヒーでは、こうしたコーヒーのかすを名刺や封筒に混ぜて再利用を行っているが、それでもリサイクルできているのはゴミとして消費している量のほんの一部のみである。
そんなコーヒーかすの再利用を考えだしたのが、静岡県工業技術研究所にいた。菊池圭佑さんは3年に及ぶ研究の上、作り出したのが黒いシートである。
これは活性炭である。活性炭とは、消臭剤や浄水器などに使われることで有名である。実はコーヒーかすから作った活性炭のシートには、電気をためておける性質があることがわかったのである。
通常の活性炭には、小さな穴が空いており、そこに電気を貯めることができる。実はこれと同じ仕組みがコーヒーかすにもあることを突き止め、コーヒーかすで活性炭ができるのではないかと考えたのである。