こんにちは。ひとりで.comです。
2018年1月16日放送のガイアの夜明けは「金融維新 さらば銀行!?」と題して
昨年相次いだメガバンクの人員削減計画の発表。銀行が生き延びるには、コスト削減しかない?その他常識破りの新投資や最先端の融資術を使うマネーの担い手達の挑戦を追う。
金融維新 さらば銀行!?
【目次】
どうなる銀行!メガバンクがこぞって人員削減の方針
最近、銀行を退職した堤洋介さん(33歳)。3年前、年収1,000万円の仕事を辞めた。2007年にメガバンクに就職した堤洋介さんは個人へのリテール営業として配属され、トップの成績をおさめ29歳で支店長代理に昇進した。
8年間勤めた銀行を退職した堤さんが次の転職先に選んだのは、創業間もない小さなベンチャー企業だった。東京新宿にオフィスを構える株式会社フロムスクラッチ。人工知能を使ったマーケティング戦略を提供している企業である。
この企業で財務部門の執行役員として転職した。家族の反対を押し切って転職したのには強い危機感を持っていた。
堤さんは
今と同じ形態の銀行はこの先存在しなくなる。今と違う形態の銀行というものが新たに誕生するだろう
と言う。
近年、金融業界の転職希望者は数年前と比較して増えており、その数は同じ金融業界の証券や正保おりも多くなっている。
そんな中、2017年11月、大手のみずほフィナンシャルグループは2026年までに従業員1万9,000人を削減すると発表した。他のメガバンクも今後約3万3,000人分の仕事がなくなる見通しとして人員削減を検討しているという。
高利回りの新興国ファンドを作るクラウドクレジット
そんな状況の中、新たな形での資産運用を目指すベンチャー企業があった。その企業が2013年創業の株式会社クラウドクレジットである。この会社が運用している投資ファンドは約210本である。ほとんどが新興国向けのものである。
期待利回りは10%を超えるものも存在する。もちろん期待利回りは保証されたものではなく、元本割れのリスクもある。
このクラウドクレジットを率いるのは杉山智行社長(34歳)。
高い成長をしている国で企業も高い成長をしている人に貸し付けることで金利という形で成長のおすそ分けを頂く。金利が高いとその分リスクもあるハイリスク・ハイリターンの貸付先である。
という。
例えば、カメルーンの経済成長率は年4.5%である。しかし、金融機関は資本が少なく小さい企業までお金がまわりにくい。そこでクラウドクレジットはカメルーンの零細企業・農家に融資するファンドを販売しているのである。
クラウドクレジットの社員は総勢37名。その多くがメガバンクや外資系金融機関の出身者である。
杉山智之さんは東京大学法学部卒業後、大和証券SMBCに入社した。その後、イギリス4大銀行のひとつロイズ銀行に転職し約3,600億円の資金を運用していた。しかし、およそ8年で大手金融機関での仕事に見切りをつけたのである。
世界ではお金が足りないと言っている国が多い中で、お金が余っている日本という国にいる。この国同士をつなげれば絶対に面白いのに、もし自分がやらなければ一生後悔する
杉山智之社長はこうした思いのもと、クラウドクレジットを設立したのだという。
南米ペルーで新たな投資ファンドを作るチャレンジ
杉山さんが2017年、目指したのは南米のペルー。ペルーの人口は約3,140万人。ペルーは新興国の中でも高い経済成長率が見込まれている。2018年の経済成長率の見通しは4.2%である。
北部の都市トルヒーヨ。ここで新たな投資ファンドを作ろうとしている。この街の市場ではほとんどが個人事業主である。ここで貸金業を営むルイスさんを今回、投資ファンドのパートナーとして考えているのだという。
ペルーでは融資の金利に上限がない。その為、高い金利でもお金を借りたいと思う人がたくさんいるのだという。
この地域の平均年収はおよそ50万円。ルイスさんは銀行からお金を借りられない人にお金を貸し付けて生計を立てていた。
年米の優等生と言われるペルー。杉山社長は手応えを感じていた。
今回、ペルーで形成したファンドは年利回り2.5%。利回りを期待するというよりは、ペルーという新興国における貧しい人たちの生活水準向上のためにファンドを作ったのだという。
万が一、貸金業者からの返済が滞った場合、ペルーの大手信用組合が債務保証をする契約も結んでいた。このような純粋な投資だけではない社会投資の枠も今後広げていきたいと考えているという。
悪の秘密結社。MFクラウドファイナンスで新たな融資を。
最近フォローしてくれた人のために自己紹介と、今までの金の流れを並べておきました!
良かったら見てみてください? pic.twitter.com/UrsA6WUbTa— ㍿悪の秘密結社 ヤバイ仮面 (@yabai_kamen) 2017年8月21日
2017年10月28日、和歌山県のとある商店街で行われていたヒーローショー。そこででてきた悪役、株式会社悪の秘密結社 代表取締役社長ヤバイ仮面である。キレのある動きに悪役らしくないかっこよさで子供たちに人気となっている。
活動は西日本が中心だが、ネットを通じて人気が出て全国からファンがやってくるほどとなっている。
その正体は、笹井浩生さん(28歳)。おととしヒーローショーの運営会社を立ち上げた社長である。
この悪の秘密結社の出演料はおよそ10万円〜となっている。ご当地キャラなどと戦い、最後はキレイに負けるのがお約束で、主役の引き立て役となっている。ヤバイ仮面はグッズも取り揃えており、多いときで1イベントで10万円ほど売り上げる時もあるという。
2016年の創業当時は仕事もなく赤字だった。2年目には大きなイベントにも声がかかるようになり黒字化した。
笹井社長は高校卒業後、時計販売会社などに勤務。そこで時計のヒーローを自作し自社の宴会などで同僚たちを楽しませていた。
しかし、最近大きな悩みがあるのだという。それは…銀行から追加の融資を断られたのだという。どうしても1期目の赤字が響き、融資できないと言われていたのである。
笹井社長は東京支社の設立とともに新たな悪役も作りたいと考えていたのである。しかし、資金のめどが立たずに二の足を踏んでいる状態だったのである。
そこでいつもお世話になっている会計事務所から面白いサービスを紹介したいと言われ、マネーフォワードが運営するMFクラウドファイナンスを紹介された。提案された融資は金利5%からと通常の2倍である。
通常の融資で中小企業やベンチャー企業が重要視されるのが決算書である。創業初年度は事業計画書などをもとに審査されるが、2年目以降は決算書が判断材料となるという。しかし、マネーフォワードが手がけるクラウドファイナンスでは前年度の決算書が不要とのこと。
これまで、書類を整えるのに1週間はかかっていたのが、クラウドファインナンスでは10分で申請が完了した。
なんと、その申請したその日に融資の審査が完了し、審査を通ったのである。
融資を決めたのは、福岡県の大手地銀の福岡銀行である。実は笹井社長の追加融資を断った銀行である。なぜ、前回は断り、今回は承認したのか…。
実は、笹井社長の銀行口座の出入りをすべて確認していたのである。すなわち、これまで決算書を中心とした情報だけでなく、直近の口座情報を確認することで収益の伸び具合を確認することができ、よりリアルな情報をもとに審査を行ったのである。
この技術を開発したのがマネーフォワードである。創業6年目のベンチャー企業である。この企業のヒット作が家計簿アプリである。銀行やクレジットカード等お金の出入りをスマホで一覧で確認できるアプリである。現在、約550万人が利用している。
笹井社長の融資を実現したのが、MFクラウドファイナンスというサービスである。マネーフォワードは企業のリアルな口座情報をネット上で管理している。銀行がここにアクセスすることによって、融資の審査に必要な情報にすぐにアクセスできるのである。
結果、100万円を融資してもらえた悪の秘密結社の笹井社長は、新たな悪役ヒーローを作り初の東京進出を果たしたのである。
東京支社…新たな怪人!
その名もエボシ武者!!
戦闘力は過去1番(当社比)! pic.twitter.com/T2u8i7MOYQ
— ㍿悪の秘密結社 ヤバイ仮面 (@yabai_kamen) 2017年12月9日
ゼロ金利政策が長く続き、銀行は何で利益を稼ぐのか…。
模索が続く中、人員や業務の削減などの変化を迫られている。その一方で、これまでの考え方にとらわれない人々が新しい投資や金融商品の開発に乗り出していることもわかった。
私達の生活にも大きく関わる金融業界の動き、これからも目が離せない。