こんにちは。ひとりで.comです。
2018年1月23日放送のガイアの夜明けは「冬のリゾート 集客作戦!」がテーマ。
冬のリゾートといえば、スキー・スノーボードに温泉。
しかし、スキー・スノボ人口は99年の1800万人をピークに、現在はその3分の1にまで落ち込んでいる。
このままではダメだ…と、スキーやスノボに頼らない”新たなリゾート”を作ろうと奮闘する、雪国の熱い冬を追った!
冬のリゾート 集客作戦!
星野リゾート、青森での冬の営業に挑む!
北海道占冠村にある話題のリゾート施設、星野リゾートトマム。735室ある部屋は既に春まで予約でいっぱい。その人気の秘密とは…常連客を飽きさせない仕掛けが多く用意されている。
例えば、このスキー場の途中にはホタルストリートという2017年12月にできた施設がある。滑走コースの途中に用意されており、レストランやカフェ、アウトドアショップなど9店舗が入っている。こうした仕掛けがいくつも用意されているのである。
トマムは2005年に経営破綻し、星野リゾートが運営を引き継いだ。
展望台では、夏は雲海テラス、冬は霧氷テラスと名前を変える。アイスヴィレッジという氷でできた部屋も用意されている。椅子やソファー、ベッドも氷でできており、宿泊もできる。
星野リゾートは全国で36ヶ所を運営。不振に陥った施設を引き継ぎ復活させるその手腕には定評がある。中でもスキーリゾートの可能性を見出しているのが代表の星野佳路さん。
雪は観光資源であることは間違いない。例えば中東は石油が出るが、日本には石油はない。しかし日本は雪が降る。そのぐらい価値のある自然現象ではないか。
青森県十和田市にも13年前から星野リゾートが運営を引き継いだホテルがある。それが星野リゾート奥入瀬渓流ホテルである。十和田湖から流れる奥入瀬渓流は全長14キロ・数多くの滝があり、数多くの観光客が訪れる。これまで冬の営業はお客さんも少ないため営業を辞めていた。
しかし、2017年は冬場の営業を行おうとしていたのである。いったい何を目玉にしようとしているのか…。
奥入瀬には10本以上の滝があり、それが凍る現象を氷瀑という。氷の中に滝が流れているような形になり、非常に幻想的な絵になる。
オープンまであと2週間になったが、未だ集客の状況は芳しくない。今まで営業していなかったホテルの冬場の営業なので致し方ない部分もあるが、そうも言ってられない。そこで目玉として考えたのが氷瀑の湯である。
凍った滝を温泉の中に作ってしまおうという大胆なアイディアである。この構想は2年前から温めていたものだという。
今年度は気温が下がるのが遅く、うまく氷瀑ができあがらなかった。ただ、一旦のオープンを迎えることができた。今後、より冬の奥入瀬の魅力を伝えることができる企画を作っていく予定だという。
スキー不況で新たな観光客を!雪国観光圏
新潟県湯沢町。この街にも冬の集客に命をかける人がいた。雪国観光圏の代表:井口智裕さんである。この周辺の地域は織物の産地。冬の間女性が織物を作り、昔からその収入で冬は凌いだと言う。
井口智裕さんは、大型バスを入れるような旅行企画ではなく、よりもっと織物のことを知ってもらえる企画をしようと考えていたのである。
新潟県と言えば、上越新幹線や上越への高速道路開通を皮切りに冬のリゾート地として栄えていった。1989年の湯沢町には多くのリゾートマンションが立ち並び、別荘地として人気を博した。そして1992年に湯沢町のスキー客はピークを迎え年間約820万人が訪れる一大観光地となった。しかしバブル崩壊とともにスキー客は激減し、2016年度のスキー客は約250万人と全盛期の3分の1まで減少した。
かつて一世を風靡した湯沢町が、復活するために行っていることとは…。
何を観光資源として考えるか…
雪国観光圏の代表:井口智裕さんは高校卒業後、アメリカの大学でマーケティングを学び12年前に家業を継いだ。子供の頃に見ていた賑わいはもうない…。
湯沢町には12ヶ所もスキー場があり、スキー客にとってはまさに聖地である。東京からアクセスもよくバブルの時には1戸数千万もするリゾートマンションの建設ラッシュが起こった。その数、52棟、1万5,000戸にも及ぶ。
ところが30年たった今、使用されなくなったマンションは格安で販売されていた。
雪国観光圏の代表:井口智裕さんは湯沢町をハブにした雪国の地域全体で観光客を誘致しようと活動している。雪国観光圏に賛同しているのは3県7市町村。それぞれの街の魅力を売り込んでいこうとしている。
3県7市町村が参加する雪国観光戦略会議。井口さんは
いつまでもスキーと酒に甘えていては、この先続いていかない。昔からの魅力がある、その魅力を伝えきれていない
と語るが、
その昔からの魅力も、いまの生活と合っているわけではない。それを推すのは違うと思う…
と反対意見も。一枚岩とはいかない。
湯沢町の苗場。私をスキーに連れてって、というドラマの部隊で一躍有名になり、苗場スキー場、苗場プリンスホテルといった誰もが知る施設を持ち、ペンションや宿泊施設が立ち並んでいた。しかし、スキー不況の煽りを1番受けた場所でもあると言える。
そんな場所に、今年新たにお店をオープンするのが日本酒の八海山で有名な八海醸造である。ゆったりとしたスペースにウェディングバーがある。
雪国観光圏の体験ツアー
スキー客が目立つようになってきた2018年1月9日、井口智裕さんは、雪国の知恵の体験モニターツアーを企画。昔ながらの家に宿泊し、移動にはJR上越線などのローカル線を利用する。
奈良や神奈川県から参加してくれたモニター客を案内します。はじめは今成漬物店に訪問。80年余り変わらない製法を守り続けている。八海山の酒粕でつけた山家漬やわらびの粕漬けなどを案内した。
ツアー2日目は津南町でわら細工の体験。ここでわらで作ったかんじきで絶景ポイントを目指す。かつてスキー場だった場所を30分ほど歩くと、雪国の場所を一望できる場所にたどり着いた。
これまで、雪国の冬の楽しみといえば温泉、スキーなどのウィンタースポーツだった。しかし雪国には雪国ならではの文化がある。
みんなが人と同じものを求めていた時代が終わり、人々が観光にも人と違うものを求める時代になったいま、雪国ならではの魅力が貴重な武器になる可能性を秘めている。