こんにちは。ひとりで.comです。
2018年1月30日放送のガイアの夜明けは「「不自由」が価値を生む!~“車イス社長”の挑戦~」と題して
目線の高さ、106センチ。車イスの生活だ。先天性の病を患い、「106センチ」の世界から日本を見た時、他の人には見えていないことが見渡せるという。
障害者や高齢者、ベビーカーを使っている人たちが感じる不自由や不安を見つけ出し、「なんちゃってバリアフリー」をあぶり出しているのだ。さらに、それを敢えてビジネスにすることで改善活動を持続的なものにし、どんな人も住みやすい日本にしよう、という活動に取り組んでいる。
異色の”ニッポン改革”に密着し、多くの人が気づいていない日本の課題と解決策について考える。
「不自由」が価値を生む! ~“車イス社長”の挑戦~
バリアフリー事業を展開するミライロ
2017年7月、名古屋のとある結婚式場に車椅子の垣内俊哉さんの姿があった。そこでは、車椅子で生活する人に対してどのように接客すればよいかの講習が行われていた。
車椅子の人に、おひとりで移動できますか?と聞くと「できる・できない」の話になる。人は心理的にできるできないで聞かれるとできると言いたくなってしまう。しかし、「何かお手伝いできることはありますか?」という聞き方をするとできるできないの話ではないので、言いやすくなる
垣内俊哉さんはミライロという企業の社長でバリアフリーのスペシャリストである。垣内俊哉さんは小さい頃から骨が弱い骨形成不全症という病気で2万人から3万人に1人の難病である。
ミライロのバリアフリー事業
垣内俊哉さんは2010年、立命館大学在学中に同級生と起業した。バリアフリーを推進しようとする企業を手助けするビジネスを展開している。ここ数年急成長を続けている。ミライロという社名は誰でも自由に未来を描いていけるようにという想いからつけられた名前である。
この1年で社員は20人からおよそ50人に増えた。その半数が障がい者である。
名古屋の結婚式場、ブルーレマン名古屋では、式場の設計段階からミライロの垣内俊哉社長のアドバイスをもらっている。式場に設置されたスロープは極限まで坂の角度を低く設定している。また、チャペルの横の通りも車椅子が通れるようになっている。車椅子の場合、比較的近い関係の方の結婚式でもスペースの関係で一番後ろに案内されることが多いのだという。
こうした取り組みもあって、激戦区名古屋で毎年10%以上の成約率がアップしているという。
ミライロが実施するバリアフリー体験研修は、約400社の企業が取り入れている。大和ハウス工業での企業研修や霊園企業の設計など、バリアフリーのニーズはさまざまである。
ミライロ、パラリンピックへの挑戦
ミライロの垣内俊哉社長に大きなチャンスが巡ってきた。日本財団のパラリンピックPR担当から協力の依頼があったのである。
ミライロ側からは、会場周辺のバリアフリーの情報をネットに投稿するとポイントが貯まるという仕掛けを提案した。
東京オリンピック・パラリンピックを通じて、日本を世界のバリアフリー先進国にするのが、垣内俊哉社長の目標である。あと3年、どういった企画がすすめられていくのだろうか。
バリアフリーという言葉が誕生してから随分時間がたったが、まだまだ課題も多いのが現実である。いまは不便を感じていなくてもいずれ誰もが高齢者となる。ある日突然大きな怪我をするこおもあるかもしれない。
バリアフリーは決して他人事の話ではない。新たな視点でバリアフリーを考え、ビジネスとして整理していく。今後の広がりに期待したい。