[ガイアの夜明け] ( 佛心寺 / 鎌倉自宅葬儀社 )後悔しない”供養” – 2018年2月6日

ガイアの夜明け
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こんにちは。ひとりで.comです。

2018年2月6日放送のガイアの夜明けは「後悔しない”供養”」と題して高騰する都心のお墓事情、そして自宅で弔う葬儀の新たな形を特集します。

 

いま、東京都内の「お墓」の平均価格は、200万円を超えるという。資金的な問題で墓を買うことができず、手元にある遺骨の扱いに悩むことも…。

そういったケースは、首都圏のおよそ100万世帯でみられるともいわれている。 一方、これまでの「お墓」のほかに、マンションのような区画に分かれたきらびやかな施設のなかに遺骨を納めたり、遺骨を宇宙へ打ち上げて散骨する「宇宙葬」といった新しいケースも登場。

 

いまや供養の形は急速に多様化している。故人をどう見送るか、残された家族の選択肢が広がるなか、身内を亡くした人たちのなかで、「葬式で弔いきれなかった」と後悔している割合は45%に上るという。

 

およそ半数の人が、納得する供養ができていない、と考え、悩んでいる実態が浮かび上がる。すっかり様変わりした「お墓事情」。

今の時代、”供養の形”はどうあるべきなのか…。旅立つ人、残された人、それぞれにふさわしい供養を見出そうと挑戦する人たちを追い、考える。

 

 

後悔しない”供養”

 

供養したくてもできない、東京のお墓事情


奈良県壱岐市にある産業廃棄物処理場では、年間1万基以上の墓が処分されている。しかもこの量は年々増え続けているのだという。持ち込んだのは石材業者である。

本来石材業者は墓を立てるのが仕事のはずだが、仕事が減ってきたということもあり、処分量も増えているのだという。

 

なぜ処分する墓の量が増えているのか…

 

実は近年、お墓の持ち主が遺骨を取り出し別の場所に移動させるなど、墓の持ち主がいなくなってしまうという現象が起きているのである。

 

多くの場合は、もともと田舎にあったお墓だったが、親御さんもなくなり、土地もないので、今住んでいる家の近くに移動するなどのケースなどで、遺骨を移動させるのである。

また放置されたお墓が増えていることから、墓石だけを一箇所に集めた無縁塚というのも増えている。

一方、東京の都心のホテルでは、100人にも及ぶ合同法要会が行われていた。供養の費用はひとり1万円。寺とのつながりがない人や墓自体がない人が集まってきているのだという。

このホテル法要会を主催したのは浄土真宗の僧侶:新田崇信さんである。

新田崇信さんは代々300年続く滋賀県の佛心寺の僧侶である。13年前、東京都内へ修行に来た際、墓を持てない人や供養できない人たちに出会い、なんとか供養できないかと考え、都内にマンションを買いそこで遺骨を預かっているのである。

 

都内に母と住む田中有紀さん(48歳)は、2017年1月に父をなくしたが、未だに遺骨が自宅にある。こうした自宅に遺骨を置く世帯は首都圏で100万世帯を超えるという。

父親は自分が死んだときのためにと100万円残していた。しかし、お墓は高くて買えない。都営の墓地だと最低でも150万ほどかかってしまうのである。そこで、新田崇信さんに相談していたのである。

都内には納骨堂がいくつもあり、安価に供養することもできるが、納骨堂が遺骨を保管してくれるのは33年間と限定的だったり、それ以外に納骨に1万円、お布施に5万円など供養をする度に費用がさかむシステムになっており、田中さんは違和感を感じていた。

 

新田崇信さんは僧侶仲間と資金を出し合って、樹木葬タイプの合葬墓を建てていた。費用は2万円〜4万円かかるが、約400体の遺骨を納めることができる。新田崇信さんは田中さんにこの合葬墓をすすめたのです。しかし田中さんは名前も残らず他人と一緒に骨をうずめる合葬墓に少しひっかかりを感じていたのである。

そんな田中さんに新田崇信さんは更なる提案として、合葬墓に遺骨を埋めるだけではなく、小さな墓と骨壷に分けて、自宅でも骨を持っておくという提案を行ったのである。

この提案によって、1周忌にあわせて、やっと父との思いでに区切りを持つことができたのである。

 

 

 

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誰のタメの葬儀を行うのか…新しい形の葬儀を行なう鎌倉自宅葬儀社

鎌倉自宅葬儀社
鎌倉自宅葬儀社

神奈川県鎌倉市の閑静な住宅街の一軒家に住んでいる東郷俊宏さん(51歳独身)。生まれたときから難聴だった東郷さんは、自ら障害がありながら、母の介護を6年間行っている。

東郷さんは東洋医学の大学教授だったが、半年前、介護に専念するために大学を退職した。しかし、かかりつけの医師から母親の余命があと1週間と宣告されたのである。

 

ひとくちに葬式と言っても、さまざまなものがあり、大きく4つにわけることができる。

  1. 一般葬
    通夜と告別式を行い、知人や職場の人が参列する。
  2. 家族葬
    通夜と告別式を行なうが、参列者は親族と親しい人だけ。
  3. 一日葬
    告別式のみで1日のみで終わる。
  4. 直葬・火葬式
    通夜も告別式もなく、火葬のみ行なう。

東郷さんは、自宅で母の最後を迎えたいと考え、鎌倉自宅葬儀社にお願いすることにした。母のことを細かくヒアリングし、東郷さん親子にあった葬儀を演出するようにつとめている。

 

1年半前、ひとりで鎌倉自宅葬儀社を起業した馬場 翔一郎さん。これまで請け負った葬儀は30件ほどで近年、問い合わせも増えているという。4年前まで葬儀社を経営していた馬場さんは、父親代わりだった祖父を亡くした際、参列者やお坊さんにばかり気を遣ってしまい、充分に祖父を弔えなかったという経験から、鎌倉自宅葬儀社を起業したという。

 

東郷さんの母親は広島県出身で、小さい頃に原爆で弟と両親を亡くしている。そういったこともあり、寂しい思いをさせたくないと考えていた。

鎌倉自宅葬儀社の馬場さんは、広島にちなんで灯篭流しや被爆者碑をモチーフにした装飾を用意し、オリジナルの葬儀を提案した。

 

葬儀から2ヶ月、東郷俊宏さんの時間が再度動き始めた。母の介護で離れていた学者としての活動を再開したのです。

 

 

超高齢化社会のいま、亡くなる人の数はこれからも増え続け、お墓事情は今後さらに厳しくなるだろう。どうすれば残された人たちが悔やむこと無く亡くなった人を弔うことができるのか、これからの時代にあった供養の形がまだまだ続きそうである。