こんにちは。ひとりで.comです。
2018年2月13日放送のガイアの夜明けは「光と影…「民泊」新時代!」と題してアメリカ大手のホームアウェイ、国内の民泊のパイオニア百戦錬磨の特集。
昨年、国会で民泊のルールを定めた〝民泊法〟が成立し、今年の6月から施行されることが決まった。これを絶好のビジネスチャンスと捉え、国内外の有力企業が動き始めている。
日本に本格的に進出してくる外資系の巨人「ホームアウェイ」は、これまで培ってきたグローバル力を駆使して日本全国を網羅する準備を着々と進めている。
それに対抗するのは、国内で”民泊のパイオニア”と呼ばれる「百戦錬磨」。これまでにないプランを一から作り上げ、”黒船”に応戦する。
一方、「ヤミ民泊」の実態や民泊を巡って相次ぐトラブルも取材。 今年から本格的な民泊時代を迎えるニッポンを舞台にした〝民泊戦争〟に密着する。
光と影…「民泊」新時代!
日本市場を狙う民泊企業:ホームアウェイ
ハワイのホノルルは年間800万人が訪れる世界有数の観光スポットである。その中心地、ワイキキにあるマンションは民泊施設としてかりだされている。1泊3万円での宿泊が相場のこの地域で、1人あたり7,000円ほどで借りられるところもあるという。
こうした民泊施設の提供でいま注目を集めているのがホームアウェイという企業である。ホームアウェイは民泊の専用サイトを展開するアメリカの企業で世界各国に約200万軒もの登録物件がある。年間取扱額は1兆6,000億円を超えるという。
民泊とは個人が所有する一般の民家や空き部屋などに旅行者を有料で泊めることで、大人数であれば格安で泊まることができると近年人気となっている。
日本ではまだ馴染みが薄いが世界的にはこうした民泊施設が人気となっている。
現在、日本では東京の大田区など一部の地域でのみ民泊が認められているが、2018年6月から民泊法が施行され、一定の条件を満たせば民泊が行えるようになるとあって、世界各国の民泊事業者から注目を集めている。
ホームアウェイの日本支社は六本木にあり、まだ日本支社が始動してから1年で従業員も10名ほどの精鋭部隊である。日本支社を指揮するのは支社長の木村奈津子さん。木村奈津子さんはソニーやアマゾンなどを渡り歩いてきた人物である。
日本で民泊といえば、マンションの一室などのイメージが強いが、ホームアウェイが狙うのはグループによる1棟貸し。その第一弾として注目しているのが三重県志摩市である。
2年前に伊勢志摩サミットが開かれたことで、世界的に有名になった。その志摩市の一角には日本とは思えない豪邸が並ぶ一帯がある。その多くが20年前に建てられたものであるが、人影はまばらである。こうした物件をホームアウェイの民泊に使えないかと考えていたのである。
ホームアウェイの榎田豪さんは営業本部長として物件の開拓の責任を担っている。さらにホームアウェイでは、もともとある物件を民泊施設として提供しないかと提案するだけでなく、オーナーと協力して理想の民泊物件をいちから作り上げるという取り組みも行っている。
ホームアウェイの木村支社長は
民泊と聞くと外国人のためのものというイメージが強いが、今後は日本人が使う機会も増えてくることが考えられる。日本人のあらたな需要も外国人の需要とともに創出していきたい
としている。
日本国内の民泊のパイオニア:百戦錬磨
東京千代田区に本社を置く百戦錬磨。従業員は50人ほどである。ステイジャパンという民泊サイトを運営しており、農家や漁師の民家など約2,000物件を紹介している。
漁師の家に泊まりタコ漁を体験したり、農家に泊まって農作業を体験できるなど単に宿泊だけではなく、その場所での体験も主眼に置いている。
社長の上山康博さんは
民泊市場は関連産業を含めると2兆円の市場の中で、現状は違法民泊が横行している。今年6月の民泊法の施行によって、合法の市場としてのスタートの年である
という。
上山康博さんは元楽天トラベルの執行役員で、民泊の可能性に惹かれ、2013年に民泊予約サイト「ステイジャパン」を立ち上げた。いよいよ民泊法の施行の年、他社を圧倒すると意気込んでいる。
徳島県美馬市は清流、穴吹川が流れる自然豊かな街である。この街に百戦錬磨の民泊開発担当の羽毛田恒祐さんが街の魅力を発掘するために訪れていた。
この街に魅力を感じた羽毛田さんは街の集会場で他社に先んじて、外国人向けの民泊のための説明会を実施していた。しかしなかなか住民は民泊のイメージがわかない模様だった。しかし羽毛田さんはその中でも民泊に積極的に見えた住民のお宅を個別に訪問し事情を伺うことにした。
そのひとりが細々と農業を営む田中幸代子さんである。中島さんが住んでいるのは築70年の古い家である。
中島さんが民泊に興味を持ったきっかけは
- 農業は重労働のため年齢も考えてあまり積極的にできない
- 老後の楽しみ
- 子どもは独立し、夫は他界済
であるという。
一番の問題は言葉の問題だった。しかし百戦錬磨では、最低限に必要な言葉が記されたガイドブックを用意し、コミュニケーションが取れるように配慮していた。この手助けもあって、試しに一度民泊を行ってみようと決意した。
百戦錬磨は大阪の南海難波駅の高架下にあるボンホステルという自社運営するホテルをスタートさせていた。このホステルは1泊3,000円からと格安で簡易宿泊所のような形態をとっている。外国から日本に気ままにバックパックしている人をターゲットとしているのである。
この場所を選んだきっかけも都会から電鉄に沿って田舎にも向かっていける場所をとこの場所を選んだという。
このホステルに泊まったお客さんに、田舎の各所で提携した民泊の場所を案内するというのが百戦錬磨の戦略である。
イスラエル出身のヤーレンさんもこのボンホステルの利用者のひとりである。早速羽毛田さんがヤーレンさんに中島さんのお宅へのファームステイをすすめ、ヤーレンさんは即決で中島さん宅へ行くことを決めた。
最寄駅まで中島さんはヤーレンさんを迎えに行き、自宅まで車で送迎を行った。百戦錬磨からもらったガイドブックを使ってコミュニケーションを図った。中島さんは、雪の中外へ連れ出し、畑での白菜の収穫を手伝ってもらうことにした。
イスラエルでは雪も降ることもないため、ヤーレンさんにとっては人生初体験となる。中島さんも収穫を手伝ってもらえて一石二鳥だった。採れたての白菜を使って、鍋を振る舞った。自分で取ってきた白菜の味にヤーレンさんも満足そうだった。
いよいよ始まる、全国の民泊解禁。その新たな市場誕生の前に様々な取り組みがはじまっていることがわかりました。その一方で、ルールが徹底されていないため、違法な民泊も相次いでいるようである。
2020年には東京オリンピック・パラリンピックも控えており、拡大を続けると言われている民泊。日本の宿泊事情をどう変えていくのでしょうか?