[ガイアの夜明け] ( ファームスズキ / 江島さとや )夢を拓く!ニッポンの〝島″ – 2018年2月20日

ガイアの夜明け
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こんにちは。ひとりで.comです。

2018年2月20日放送のガイアの夜明けは「夢を拓く!ニッポンの〝島″」と題して離島でチャレンジをするファームスズキの牡蠣とエビの養殖、江島さとやの島づくり体験型観光を特集します。

 

“しまぐに”と言われる日本。離島の数は6800余り。そのうち離島振興法で指定されている有人離島は約260。ここ50年で離島の人口は大幅に減少。

無人となる離島も増加している。しかし離島は、国土・海域の保全や海洋資源の利用、多様な文化の継承など、日本にとって欠かすことの出来ないものだ。

島の衰退・無人島化を食い止めるべく、これまでにない発想で取り組んでいる人々がいる。島の資源を有効活用し、新たな産品・雇用・観光を生み出す! 「島の革命者たち」の挑戦を追う。

 

 

広島大崎上島で牡蠣とクルマエビの養殖を行うファームスズキ

大崎上島
大崎上島

瀬戸内海に浮かぶ広島県の大崎上島は人口およそ7,700人の小さな島である。古くから造船業が栄え、山肌にはみかん畑が広がっている。

この島に絶品の牡蠣を出すレストランがある。それがファーマーズキッチンである。ここでは塩田熟成牡蠣が振る舞われている。採れたての新鮮な牡蠣が1時間食べ放題で4,000円であり、週末を中心に島外から観光客が訪れている。

このファーマーズキッチンを営むのは、ファームスズキという会社の社長、鈴木隆さんである。

 

鈴木隆さんはお店のすぐそばにある東京ドーム2個分にもなる塩田の池で牡蠣を養殖している。塩田として塩を製造していたのは昭和初期までで、鈴木隆さんがこの池を買い取り、日本で唯一塩田跡で牡蠣の養殖を行っているのである。

塩田は海や川と隔てられているため、ウィルスなどの侵入を防ぐことができるという。塩田は水深が浅く、太陽光がよく届くので植物プランクトンが爆発的に増える。その為、牡蠣の成長スピードが一般的なものに比べても早いのである。

ファームスズキの鈴木隆さんは大学卒業後、東京の水産商社に勤務していた。買い付けで海外の市場を回る中ある事実に気づいたのだという。

それが、世界中で牡蠣はよく食べられているが、日本以外で日本の牡蠣を見かけることがなかった。そこで日本の牡蠣を海外で販売する事業をしたいと考えたのだという。

実は、海外での殻付きの牡蠣はフランス産やアメリカ産が一般的で、殻付きの日本の牡蠣はほとんど出回っていないのである。海外でも通用する殻付き牡蠣を作りたいと31歳で起業し、養殖場として塩田に目をつけたのである。

フランス産のトップブランドの殻付き牡蠣は塩田で造られているものであり、それならば、日本の塩田でも同じことができるのではないかと考えたのである。

今では年間40万個を生産し、台湾やロシアなどで高く評価され2017年は24万個を輸出するまでに成長している。

 

 

クルマエビを香港に輸出

 

最近では、牡蠣だけでなく、車海老の養殖も始めていた。牡蠣とエビの複合養殖を行っている養殖場は世界でも珍しいのだという。

牡蠣は水面近くで養殖が可能なのに対して、エビは底の方で育つため、同時に養殖をすることが可能となり、生産性を高めることができるのである。

このエビのおいしさは、鈴木さんがエビ養殖にかけるこだわりにあった。

通常クルマエビの養殖は1㎡あたり30尾〜40尾で育てられる。過密状態で病気になりやすいため抗生物質などの薬品を使うのが一般的となっている。

しかし、鈴木さんのエビの養殖は1㎡あたり7尾〜8尾で、薬品を使わずに有機的なエビを育てることができるのである。そのため、普通のエビよりもより甘みの深いまるまるふとったエビを育てることができているのである。

2年前から、クルマエビの出荷をスタートさせた。値段は1キロ 8,800円である。最高級のエビとしてほぼ贈答用に限られているという。

課題は販路の拡大。鈴木さんは香港に輸出したいと考えている。

 

鈴木さんは早速香港のアバディーン魚市場に向かった。そこでは、香港近海で取れる天然のクルマエビが1キロ 6,000円という低価格で売買されていた。鈴木さんはこれに近い1キロ7,000円での販売を考えていたが、その味を認めてもらえるのだろうか…。

鈴木さんは早速、ミシュランにも掲載される飲食店に売り込みを行なうも、値段が折り合わず商談はうまく進まなかった。

次に訪れたのは、半年前にオープンした香港の寿司レストランDAIMANZOKU。ここで鈴木さんを待っていたのが香港で大手食品輸入会社を営むメイ・チョイ社長である。日本から食材を輸入し、香港の日本食レストランに卸す、さらに自身でも10店舗以上の飲食店を経営している。日本の農林水産省から日本食の海外普及功労者表彰を受けたこともあるのだという。

 

鈴木さんは、メイ・チョイ社長と会うのははじめてではなく、5年前から牡蠣の見定めをしてもらっているという間柄である。昨年からやっと牡蠣を認めてもらい、今では牡蠣を買ってもらっているのだという。

 

メイ・チョイ社長は鈴木さんのクルマエビを食べるなり、寿司レストランで扱うことを即決。これを機に香港でもっと販路を拡大していきたいと考えているという。

 

 

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江島で島づくり体験型観光の推進

長崎県 江島
長崎県 江島

長崎県佐世保から船で2時間のところにある江島。人口はおよそ124人で近海で取れる伊勢海老が名物となっている。都会では味わえないゆったりとした空気が流れている。

この島に移住してきた福田智美さんがオープンさせたのが民泊 江島さとやである。江島は福田さんの父親の故郷であり、福田さん自身も小さい頃にこの島で過ごした思い出がある。

両親が他界したことをきっかけに江島にお墓参りに来るようになり、それがきっかけとなり江島に移住することを決めたのだという。

 

自らの貯金を切り崩し、2年の準備期間を経て、江島さとや を作り上げた。目指すのは、都会では味わえないおもてなし、である。宿泊代は1泊2食付で7,500円。本格的なピザ窯焼き体験は1,000円で振る舞っている。

 

かつて江島には1,300人ほどが暮らしていたが、過疎化が進み現在は10分の1にまで減少している。さらに、60歳以上の高齢化率が60%を超えており、近々無人島になるのではないかとささやかれている。

 

福田さんは、この島にもっと観光客を呼び込みなんとか島がなくならないようにと考えていた。江島からほど近い小値賀島は年間5万人もの観光客がやってくるいま注目の島であり、ここに何かヒントになることがあるのではないかと考えていた。

小値賀島にある牛の放牧と海が重なる風景がネットで評判になったという。さらに、観光客向けに漁業体験ができるようになっていた。この漁業体験は、観光客が体験することによって、漁師の人手不足も解消するという一石二鳥が実現できていた。

 

江島に戻った福田さんは、長崎県の本土にある長崎国立大学や長崎国際大学などの若い学生にぜひ、江島に来てくれないかと呼びかけを行った。

その呼びかけに応えるように女性学生が江島に訪れた。そこで福田さんが仕掛けたのは、島づくり体験型観光である。観光客に楽しみながら島づくりを体験してもらおうというのです。

自分自身で島づくりを体験することにより、都会では体験できないことを体験してもらい、自分が島づくりに参加したということでリピーターになってもらうことも期待できるのではないかと考えたのである。

 

 

日本全国におよそ6,800ある離島。豊富な海産物や手付かずの自然があり、その魅力が広く知られていないことがわかった。人口減少や高齢化でやがては廃れてしまう。島の天然資源をいかに有効活用できるか。新たな挑戦はまだ始まったばかりである。

 

 

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