[知られざるガリバー]ブルーシートの萩原工業株式会社 – 2018年1月21日 –

知られざるガリバー 消費者が知らないエクセレントカンパニー
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こんにちは。ひとりで.comです。

2018年1月日放送の知られざるガリバー〜消費者の知らないエクセレントカンパニー〜は萩原工業株式会社の特集。

 

ブルーシートの萩原工業株式会社

 

ブルーシート国内シェアNo.1の萩原工業


お花見や花火大会、建築現場や事故現場などあらゆる場面で使われるブルーシート。雨や紫外線から守る役割や、風やホコリから守る役割で使用されている。さらに災害時には寒さを凌ぎ、人名まで守る役割を果たしている。

しかし、ブルーシートとひとくちに言っても様々なものが流通している。

 

中でも最高品質を誇るのが萩原工業ブルーシートである。建設現場でも高く信頼されている。輸入製品と比較しても水を通さない防水性を兼ね備えている。

 

岡山県倉敷市に本社を置く萩原工業は創業1962年の東証一部上場企業である。ブルーシートの国内生産シェアトップを誇り、年商230億円で従業員数は502人。国内に8拠点、海外に3拠点を構えている。

本社に入るとすぐに

 

おもしれぇ、直ぐやってみゅう

 

と書かれた文字が目に飛び込んでくる。

やってみゅうとは、この土地の方言で「やってみよう」という意味である。社長を務めるのは4代目の浅野和志さんである。

 

合成繊維メーカーが開発したフラットヤーン技術

 

チャレンジ精神旺盛な萩原工業。そのはじまりは1962年、花ござ用の糸をつくる合成繊維メーカーとして創業した。

転機となったのはある技術の開発である。ブルーシートの原料はスーパーのレジ袋などにも使われるポリエチレンである。それを溶かして糸状にしたものを織り機で作っている。萩原工業の技術力はこの糸状の原料の中に詰まっている。

1964年に開発したフラットヤーン。萩原工業の全製品の核となる技術である。このフラットヤーン、通常の形態のときには手でちぎれるほどの強度であるが、これを延伸することによってその強度が増し、手ではひきちぎれないほどの強さになるのである。

 

伸ばす前のフィルムは分子がバラバラで弱い。しかし熱を加えて伸ばすと分子が配列し強くなるという特徴を持っている。

伸ばしたフィルムを織り機でおっていくことでフラットヤーンができあがるのである。そして織り機で織った後に紫外線カット、防水機能を持つフィルムをコーティングしていくことによってブルーシートが完成するのである。

 

 

しかし、なぜブルーなのだろうか。実はもともとブルーシートはオレンジ色だった。このオレンジの顔料に貴金属が入っているのではないか…という噂が出たため、色を変えざるを得ない状況になった。

そこで、ブルーの顔料が一番安く安全で紫外線に強いということでブルーになったというのである。

このフラットヤーンの技術がブルーシート以外にもさまざまな領域で使われるようになっていったのである。例えば建設現場で使われる軽量防音シートはこれまで1枚10kgだったのが、フラットヤーンの技術を使うことによって6kgまで軽量化することができたのだという。

 

さらにフラットヤーンはシートの垣根を越え、強度が求められる土嚢に使われたり、運動場で使われる人工芝などにも使われるようになった。

 

2014年には東証一部上場を果たし、今では世界59カ国への販売実績を持っている。

 

 

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新たな花形製品:バルチップ

萩原工業 バルチップ
萩原工業 バルチップ

 

そして、フラットヤーン技術を応用した製品が新たな花形製品を生み出そうとしている。それがコンクリート補強繊維のバルチップである。

バルチップはポリプロピレンを糸状に伸ばし強度を上げたものである。通常のコンクリートにバルチップを混ぜるだけでコンクリートの補強効果を果たすという。

コンクリートは性質上、ひび割れしやすく、割れた後に崩れやすいという特徴を持っているが、このバルチップを入れることによってその強度が増すのである。

 

これまでコンクリートの補強に一般的に使われていたのはスチールファイバーと呼ばれる鉄の繊維であった。しかし時間が経つと錆びてしまい、コンクリートの劣化が発生してしまう課題を持っていた。そこで開発されたのがプラスチック繊維のバルチップである。スチールと異なり錆びることがないため建造物も長持ちする。

今では、国内外のトンネルや高速道路、高架下などに使われており、世界35の国と地域で使われている。