こんにちは。ひとりで.comです。
2018年2月4日放送の知られざるガリバー〜消費者の知らないエクセレントカンパニー〜は「岐阜プラスチック工業株式会社」の特集。
プラスチックの総合メーカー、岐阜プラスチック工業株式会社。従来にはない「強度、軽さ、吸音効果」を有する画期的な新素材とは!?秘密の工場で、その謎に迫ります!!
プラスチックの総合メーカー岐阜プラスチック工業株式会社
岐阜プラスチック工業の防音パネル「セイント」
今年、創業60週年を迎えるプラスチック総合メーカーの岐阜プラスチック工業。グループ全体で全国に31ヶ所の拠点を持ち、従業員は約2,000名。2017年3月期のグループ連結売上高は853億円。
プラスチックと言えば、軽い…という印象を持つだろうが、岐阜プラスチック工業では、その先をいく製品の開発に励んでいる。
昨今、開発したのが、プラスチック製の防音パネル「セイント」である。騒音対策にもなる画期的なプラスチック素材である。防音パネルのセイントは高い強度を持っている。その秘密は製品の構造にある。同じ厚さのアルミよりも強度があり、さらに強度だけでなく、軽さもポイントとなっている。超軽量・高強度・防音という3つの特徴を兼ね備えている。
セイントは、厚さ0.3mmの薄いプラスチックからできている。全部で3層に渡る構造になったおり、真ん中をハニカム構造にすることによって強度を高めている。このハニカム構造を挟んだセイントを量産できるようにしたのは岐阜プラスチック工業が世界で初だという。
このセイントには、小さな穴が空いており、その穴はハニカム構造の部分に穴がくるようになっている。この穴から音が吸収されてハニカム構造で減衰され、吸音される仕組みになっている。
また穴の位置や大きさなど、試作品段階では多くの試行錯誤を重ね、完成するまでにおよそ6年もの歳月をかけたのだという。
セイントの導入で職場環境の改善に成功
このセイントを導入したのが富山県のBBSジャパン株式会社である。BBSジャパン株式会社は自動車のホイールメーカーで、セイントの導入以前はホイールを削る大きな音に悩まされてきたという。
騒音が大きいということは、難聴になる可能性もあり、かつ従業員同士の会話もできない。職場環境の問題と、従業員同士のコミュニケーションの問題を抱えていた。
しかし、防音パネルのセイントで機械を囲うことによって、騒音が相当程度軽減されたという。
軽くて設置も楽なセイントを導入することによって、この工場では職場環境を大幅に軽減できたのである。
岐阜プラスチック工業の源泉
1953年創業の岐阜プラスチック工業。創業者は先代社長の大松幸栄さんで、当時は珍しかったプラスチックに早くから目をつけ、さまざまな製品を開発してきた。プラスチック製の調味料入れは発売から40年以上たったいまでもロングセラーとなっている。
また、無印良品で30年以上前から販売している収納ケースも岐阜プラスチック工業の製品である。
高品質のプラスチックを生産し続ける岐阜プラスチック工業はその高い技術が認められ、2015年には「ものづくり日本大賞」経済産業大臣賞や「知的財産功労賞」特許庁長官賞を受賞した。
30年前に2代目社長に就任した現代表取締役社長:大松 利幸さんは先代から受け継いだ思いを持っている。
メーカーは無から有を生み出す。そのためにはチャレンジする情熱や想いがなければ完成しない
という。
セイントを発展させた新製品
防音パネルのセイントをさらに発展させた製品が工場用に開発した防音ブースキットである。組み立て式の軽量パーツで簡単に施工できる特徴を持っており、将来的にはDIY的に家庭で使えるものにしていきたいと考えているという。
さらに、この技術に注目が集まり、JAXAとIHIとの共同開発で、ロケットのジェットエンジンの防音装置の共同開発をすすめている。