こんにちは。ひとりで.comです。
2018年2月24日放送のNEC presentsミライダネは「密着!地図制作の舞台裏・デジタル時代のアナログ現場」と題して、暮らしの便利を支えるデジタル地図の秘密に密着。
江戸時代の古地図を手に、現代の街並みを散策するツアーが大人気。今に残る当時の風情を味わいながら歩けば、まるでタイムスリップしたかのごとく。江戸切絵図と呼ばれる古地図そのものも、ブームになっている。
今も昔も、生活に欠かせないアイテム、地図。
ところが、地図は「紙」からデジタルへと姿を変えた。老若男女を問わず、誰もがスマートフォンの地図アプリを手に、街を行く時代。その機能も日々、進化を遂げている。
今回は、「地図」の世界にご招待。
地図アプリの最新機能は勿論、アプリやパソコンに表示される地図の、約9割を作っている「ゼンリン」という企業を取材。地図制作の舞台裏を探る。
私たちが日頃見ている地図はどのようにして作られているのか。日々変わる街の姿はどのようにして地図に反映されているのか。更新情報を入手するために調査員のとる行動は意外や意外。このデジタル時代に涙ぐましいほどのアナログ的アプローチだった。
地図の世界を徹底取材!その10年後のミライとは!?
密着!地図制作の舞台裏・デジタル時代のアナログ現場
スマホで使える地図、その地図を更新するゼンリン
いまや地図はスマホの時代…最近ではGoogleマップにタイムライン機能というものが搭載されており、その日の移動ルートを記録することができる。便利なように思えてドキッとする人もいるかもしれません。
出典:IT media
こうした機能を支えているのが、地図を作る会社のゼンリンである。北九州市に本社を置くゼンリンはスマホやPCの地図の9割、カーナビの7割でゼンリンの日本地図が使われている。
全国1700以上の市区町村のデータがこの北九州の本社で更新が行われている。更新に使われているのは手書きの地図。この手書きの地図はゼンリンの調査員が実際の現場にいって、建物の名前、位置、階数などを書き込みます。
ゼンリンは都市部では年に1回、それ以外の地域では3〜5年に1回の頻度で地図の更新を行っている。ゼンリンが抱える調査員は約1,000人で日々日本のどこかの地図を更新すべく街中を歩き回っているのである。
日本地図の大元は国土地理院の地図
地図と言えば、伊能忠敬が有名である。
伊能忠敬が測量し、はじめて日本地図を作った。17年かけて歩いた距離は4万キロ、実に地球一周に相当する距離である。
それから、国は地図製作を行なう専門の組織である国土地理院を作った。現在の日本地図はほとんどがこの国土地理院の地図がもととなっており、ゼンリンもこの国土地理院の地図をもとにして調査の結果を加えているのである。
ゼンリンが地図を作り始めたきっかけ
ゼンリンは1948年に大分県別府市で出版社として創業した。その最初の出版物に今につながる原点があるのだという。その中身は別府温泉の案内として観光情報誌を作成していた。
その観光情報誌の中に地図を載せており、その地図が読者から非常に好評だったことから地図づくりを始めるに至ったのだという。
この反響に創業者の大迫正冨さんは
地図は添え物にあらず。最も重要な情報源
と地図を商売にすることを決意した。
そして、2017年およそ40年の歳月をかけて全1741市区町村の住宅地図が完成したのである。
さらにいま、ゼンリンの地図は進化を遂げている。それは平面だけではなく立体での地図である。例えば東京駅の地下にある店舗の名前もすべて記録することで、平面だけでなく、立体的な地図を作ろうとしているのである。
位置情報を正確に測定するGPS衛星
ところで、地図が元になっているナビゲーション機能に欠かせないのが位置情報である。これを可能にしているのがGPSである。GPSとはGlobal Navigation Systemの略で日本語では全地球測位システムと言う。
GPSは宇宙に打ち上げられた衛星を使ったもので、少なくとも4機からの電波を受信しなければ位置が特定できないようになっている。しかし、都心などでは、ビルが多くGPSの電波を受信できずに位置情報が正しく測定されないことがあるのである。
これを解消しようと国を挙げて取り組んでいるのが、日本のGPS衛星の”みちびき”である。”みちびき”は常に日本の上空にとんでいるため位置情報の精度をより高めることができると期待されている。
すでに4機のみちびきが打ち上げられており、2018年4月から本格運用がスタートする予定となっている。これによって、これまで10メートル単位の誤差だったものが、メートル単位、場合によってはセンチ単位での誤差に変わる可能性があるという。