こんにちは。ひとりで.comです。
2018年2月26日放送の未来世紀ジパングは「中国異変!「マラソン、蘭州ラーメン…ブームに隠れた野望」」と題して世界進出を目論む中国メーカーのいまを特集します。
シリーズ企画「中国異変」。中国で起きている様々なブームには大いなる野望が隠されていた。乱立するマラソン大会、日本でも人気の蘭州ラーメン、そして電気自動車。その全てに中国政府の思惑があるのだ。そして新たなステージでの、日中対決が始まっていた。その勝者は果たして・・・日本復活のヒントが見えてくる。
新・日中対決!世界制覇への道
マラソンブームで巻き起こる日中のシューズブランド
いま、中国各地でマラソンブームが到来しており、全国各地で毎週のように約500万人のランナーが参加している。その裏には壮大な国家戦略があった。
2017年10月に開かれた中国共産党大会で習近平国家主席が
「全国民健康増進運動」を広く進め、スポーツ強国づくりを加速させる
と発言。
増え続ける社会保障費を抑える意味合いを込めてこうした施策をとっていると考えられる。
中でも手軽に始められるのがジョギングとあってマラソンがブームとなっているのである。しかし、各マラソン大会では初心者ランナーが急増しており、けが人が続出しているのである。
そんな中国を狙うのが、上海に進出した日本のスポーツ用品店のゼビオである。その売場には、ランニングシューズがズラリと並んでいる。シューズメーカーの覇権争いが繰り広げられていた。
世界のシューズ売上トップはナイキ。続いてアディダス、アンダーアーマー、プーマとアメリカ・ドイツ勢が続き、第5位に日本のアシックスが入ってくる。
アシックスが中国に新商品として発表したのがこれまでの製品の中で最軽量のGel-Nimbus 20である。
このフライトフォームという素材が足への負担を軽減されるのである。ランニングシューズで最も重要なのが、ミッドソールと呼ばれる部分である。各メーカーが凌ぎを削る中、アシックスは特許技術を取得。
軽量化と高い衝撃吸収率がアシックスのシューズのウリである。
さらにアシックスでは上級者だけでなく、初心者の心も掴むため、各地のアシックスの店舗でシューフィッターがシューズの購入希望者の走り方をカメラで撮影し足への負担程度を分析する。さらに最新の3Dスキャナで足のサイズを測定し、それにあったシューズをすすめることでより足への負担を軽減してマラソンをすることができるようになるのである。
一方、その市場に割って入るのが中国メーカーの「ANTA」である。ANTA(アンタ)は1994年創業の中国のシューズメーカーで、現在中国国内で1万店舗まで拡大を果たしている。
毎年20%の成長を続けており、アシックスの売上高:約3,990億円に迫る勢いの約2,330億まできている(2016年)。
ANTAも独自の軽量ソールを開発し、中国人の心を掴んでいる。今では中国における国民的ブランドに成長しているANTAは中国共産党の党員たちも着用している。
そんなANTAはNBAのスター選手であるクレイ・トンプソン選手とも契約し、世界ブランドへの一歩を踏み出している。
日本・世界への進出を目指す蘭州ラーメン
行列必至の人気店が昨年、東京の神保町にオープンした。それが、馬子禄 牛肉面(=マーズルー牛肉面)である。
これまで日本にはなかった本場中国の蘭州ラーメン。ウリはもちもちの手打ち麺である。薬膳のような香辛料の聞いたスープとパクチーなどで味付けされており、日本でも人気となっている。
その本場は中国の蘭州である。街中では大小3,000以上の蘭州ラーメンのお店が立ち並んでいる。人口は約370万人とそれほど多くない。
日本に進出した創業100年のマーズルーの本店もここ蘭州にある。現在、中国国内に50店舗ほどを展開している。さらに地元で大人気なのが全国牛肉面である。
また、いま最も注目を集めているのが、スーボーフー(思泊湖)というラーメン店である。開業から3年で300店舗以上になったというから驚きである。繁盛店では1日に2,000杯を売り上げるのだという。
そんなスーボーフーが進出を考えているのが日本である。既に日本側と接触を行っており、フランチャイズ方式にて出店を計画しているのだという。国内での開業資金約300万円で、調理器具から職人まで本部が手配するのだという。
深センで一気にすすむ電気自動車メーカー:BYD
目覚ましい発展を見せる深センの経済特区。中国のシリコンバレーと呼ばれ、ハイテク企業が集積している地域である。
スマートフォン世界2位のファーフェイやドローン世界最大手のDJIなどもあることもあり、さらに進化を遂げているのである。
その1つが街の公共交通である。市内を回るバスは電気バスに置き換わっており、その電気バスを作っているのが中国の自動車メーカーであるBYDである。さらにタクシーも6割以上が電気自動車に変わっている。これも全てBYDである。
この電気タクシーが普及したひとつの要因がガソリン代の上乗せである。お客さんが支払うタクシー代にガソリン代が上乗せされるため、お客さんはこぞって電気タクシーを選ぶ。そうすると、タクシー運転手も電気タクシーにせざるを得ないのである。
しかし、一気に電気自動車が普及したことによって、充電スタンドは満車、さらに充電に時間がかかるといった課題も続出している。
しかし、充電期間中の賃金は政府が肩代わりして払ってくれるのだという。
これだけ、電気自動車を後押しするにはわけがある。
電気自動車を販売するBYDは、世界の電気自動車販売数でも並み居る海外勢を抜き、3年連続でトップとなっている。
BYDは1995年に電池メーカーとして創業した企業であり、携帯電話のバッテリーで急成長し、トップメーカー入りを果たした。その電池メーカーが2003年に突如自動車の生産を開始したのである。そして2008年には世界で初めて量産型のプラグインハイブリッド車の開発に成功し、2010年にはアメリカに進出を果たした。
既に日本の京都でもBYD製の電気バスが走っている。さらに、沖縄でも運行が予定されている。電気バスの価格は1台6,000万。既に世界50カ国にも進出しているのである。