こんにちは。ひとりで.comです。
2018年3月11日放送の知られざるガリバー〜消費者の知らないエクセレントカンパニー〜はニチバン株式会社の特集。
創業100周年、セロハンテープのトップメーカー「ニチバン株式会社」。
たくさんの知恵と技術が詰まっているセロテープの「粘着技術」とは!?そして、セロテープが開発された知られざる歴史にも迫ります。
さらに、ニチバン株式会社が進める“医療分野で使われる画期的なテープ”とは!?その製品に秘めている可能性に密着!
セロハンテープのトップメーカーニチバン株式会社
売上・株価ともに上昇しているニチバン株式会社
ニチバン株式会社が持つのは粘着技術。我々の生活の中で欠かせない存在となっているセロハンテープを作り続けて70年。セロハンテープとは、木材パルプを原料としたセロハンを使用したテープの事を指す。
中でも国内シェア約65%を誇り、我々が馴染み深いのがセロテープである。実はこのセロテープという名前は、ニチバン株式会社の登録商標である。
ニチバン株式会社は年商441億円で生産拠点は国内外に5拠点、従業員数は、グループ総計1,200人を超える。日本初のセロハンを使ったセロテープが生まれて今年で70年、確かな品質と粘着力で誰もが知る商品へと進化した。
さらにその技術を活かし、八百屋やスーパーで用いられる野菜に粘着成分がつかない粘着テープやコンビニのお弁当などに使われるはがしやすいテープなど、多くの商品を生み出してきた。
そんなニチバン株式会社の売上が2014年の398億円から2016年の441億円と近年急上昇している。さらに、ニチバン株式会社の株価も2015年1月の900円台から2018年1月の3,200円台まで3.5倍アップするなど、大きな変化が起こっている。
天然素材へのこだわりがより粘着力の高いテープを作り出す
ニチバン株式会社のセロテープはその薄さが0.05mmであるが、その0.05mmの中は
- 剥離剤
- セロハンフィルム
- 下塗り材
- 粘着剤
の4層構造となっている。普段何気なく使っているセロハンテープであるが、背面は確かにべたつかない。ここには、表面を滑らかにするための剥離剤が塗られているのである。
国内シェアNo.1のニチバン株式会社のセロテープは他社といったいどのような違いがあるのか…そこには、ニチバン株式会社独自のこだわりが隠されていた。
ニチバン株式会社では、天然ゴムを活用して粘着剤を作っている。一般的な原料に比べて製造に手間がかかるのであるが、ニチバン株式会社ではセロテープの製造開始から70年間ずっと年々ゴムを用いてセロテープを作っている。
天然ゴムを使用する理由としては、天然素材を用いることで粘着力が維持されるのだという。石油系素材とは粘着力が1.5倍ほどの粘着力の差があるのだという。さらに、粘着剤以外のフィルムに関しても天然素材の木材パルプを使用している。
ニチバン株式会社の創業秘話
ニチバン株式会社は1918年、前身である歌橋製薬所の創立からスタートした。創業者は、歌橋憲一さん。創業当時は、軟膏類や絆創膏の製造・販売を行っていた。
しかし、太平洋戦争が勃発し、会社に危機が訪れるもなんとか乗り切り、終戦から2年後に転機が訪れるのであった。なんと、あのGHQからセロハン粘着テープを作って欲しいという要請を受けたのである。
当時、GHQは検閲した手紙に封をする際、自国から取り寄せたセロハンテープを使うのではなく、日本製のセロハン粘着テープを使いたいと思い、その発注を受けたのが、日絆工業株式会社(現:ニチバン株式会社)なのであった。
これまで、絆創膏などの製造技術を活かし、わずか1ヶ月でセロハン粘着テープを開発したのである。こうして、1948年から70年に渡って、セロテープを作り続けてきたのである。
これまでに販売したセロテープの長さを換算すると地球4,500周分に相当するのだというから驚きである。
ニチバン株式会社の売上・株価の上昇理由とは?
そんなニチバン株式会社であるが、近年、売上・株価ともに上昇している。その理由はいったい何なのだろうか。
ニチバン株式会社では、これまでメディカル分野における製品の売上比率が30%ほどだったが、これを40%に引き上げようと公に発表した。
こうして、メディカル比率は現時点では40%を超えるようになり、売上・株価ともに上昇したのである。
主に開発しているのが、メディカル専用の絆創膏である。従来のポリエチレン素材の絆創膏だと、指に貼り付けると曲げた際にテープが浮いてしまうことがあった。しかし、ニチバン株式会社が開発したウレタン不織布素材の絆創膏だと、伸縮性が高く、テープが浮かないようになったのである。
しかし、この開発は簡単なものではなかった。これまでのセロテープの粘着剤は、物体に貼るには良いのだが、人肌には粘着力が強すぎたため、粘着力を落とす必要があったのである。粘着力を落とした状態でも皮膚によく付くことが求められたため、その力の調整が難しかったのだという。