こんにちは。ひとりで.comです。
2018年3月12日放送の未来世紀ジパングは「日本企業がロンドンに殺到!なぜブレグジットのイギリスに?」と題してイギリスに進出するサカイ引越センター、アサヒビール、お弁当屋のWASO、駐車場のパーク24を特集します。
イギリスのEU離脱まであと1年、なぜか日本企業がロンドンに殺到している。そこには、「日本の国際化」のチャンスが溢れているという。
日本のビール「アサヒ」の社運を賭けた世界戦略がロンドンから始まる、なぜ?
一方、日本人の元外資系銀行マンが、ロンドンで弁当販売に乗り出した。さらに、意外な日本企業が、駐車場ビジネスで進出していた。
揺れるロンドンにチャンスあり!?
【目次】
ブレグジットまで1年、最後の駆け込み寺としてサカイ引越センターがイギリスに進出
ロンドンの郊外に日本で見慣れたロゴマークのトラックが走っている。それがサカイ引越センターである。2017年6月にイギリスに進出したのだという。
イギリスには引越し専門の業者もなく、お皿一枚ずつ梱包する仕事ぶりにイギリス人もビックリ。引越し料金は他の業者の3倍近い値段であるが、その仕事ぶりに料金にも納得していた。
しかし、なぜサカイ引越センターはEU離脱のこのタイミングでイギリスに進出したのだろうか。
これからEUを離脱するタイミングでイギリスから出ていく日本人の最後の駆け込み寺になるのではないかと考えていたからである。
イギリスでスーパードライを売り込むアサヒビール
2016年11月、日本のアサヒグループホールディングスがヨーロッパの老舗ビール会社など12社を総額1兆2,000億円で買収した。少子化や若者のビール離れにより、国内のビール市場は13年連続で縮小している。
その切り札となっているのが海外でのスーパードライの販売である。これでヨーロッパ市場に打って出ようというのである。
はじめにターゲットにしたのが、イギリスのロンドン市場である。その理由として、イギリスは他の国と比較しても異文化許容度が高くそういったものを受け入れる土壌があると判断したからである。
イギリスはドイツと並ぶビール大国で、日本と比較しても多くの量を消費するのだという。イギリスで製造されるビールは2,000種類を超えるのだという。
しかし、イギリスで良く飲まれているビールは、ラガービールではなくエールビールである。ビールには大きく分けてラガービールとエールビールの2種類がある。エールビールは主に香りや味わいを楽しむビールである。一方、日本でよく飲まれるのはスーパードライなどのラガービールである。喉越しや爽快さを楽しむビールである。
このエールビールが主流のイギリスをどう攻略するのか…。
まずアサヒビールが考えた販売戦略が、高級路線である。今回買収した企業の1社であるイタリアのベローニ社はイギリスで高級路線で進出し成功していた。この戦略で富裕層を狙おうと言うのである。
そしてもうひとつの販売戦略が、食事と一緒に楽しんでもらおうというものである。エールビールは味が濃いため、食事と一緒だと少し重たくなってしまう。そこでラガービールを飲んでもらおうというのである。
ロンドンの金融街で広まる日本食弁当
イギリスの食と言ってまず最初に思い起こすのがフィッシュアンドチップスである。他にはローストビーフ、うなぎゼリーなど味そのものを楽しむものが多い。
そんなイギリスの食に異変が起きているのだという。
それがモダン・ブリティッシュという料理法である。素材の味を活かすための料理で、伝統的なイギリス料理にフレンチなどの技法を織り交ぜたものである。モダン・ブリティッシュはコンランショップなどの創業者で知られるテレンス・コンラン卿がイギリス料理をおいしく変えたいと考えたオリジナルの技法である。
そしてもうひとつの異変が移民である。EU加盟によって移民が増えたことによってイギリス料理に大きな変化が起こったのである。移民の人たちがそれぞれの国の料理を出したことによって変化が起きたのである。
そんな中、ロンドンの金融街に日本食弁当を販売する日本人がいるのだという。それがWASOというお弁当屋の吉村さんである。吉村さんはJPモルガンに以前勤めていた元金融マン。海外を飛び回る中で気がついたのが”残念な和食文化”であったのだという。
そこで、本格的な和食を世界に広めようと、ロンドンからお弁当の販売をはじめたのだという。
注文は全てネットで受け付け、当日の11時までとなっている。こうすることで、作り過ぎなどの在庫ロスを下げられるのだという。ロンドンの金融街で噂が広がり、いまや1日平均300個を販売しているのだという。
最近では、金融街以外でも注文が入るようになってきているのだという。
駐車場問題にあえぐイギリスに満を持して進出する日本のタイムズ24
いまイギリスで問題となっているのが、駐車事情である。イギリスでは路上駐車が当たり前で、車庫証明すらないのだという。ここ最近、人口が急増したことによって、違法駐車も急増したため、警察も取り締まりの強化をはじめた。
ロンドン市内には50万台もの監視カメラが設置されており違法駐車などの交通違反を見つけ出し、ナンバープレートから所有者を割り出し、反則切符を送りつけるということまで行い始めたのである。ロンドンでの違法駐車は年々増え続けており、罰金だけで年間約35億円にものぼるのだという。
そんな駐車場事情を睨んでチャンスともくろんでいるのが、日本でタイムズ24などを運営するパーク24である。日本の駐車場運営の最大手企業で29期連続で増収となっている。
その強みは、空いた土地を見つけると直ちに駐車場に変えていくそのノウハウである。
さらにその価格設定も緻密に行われており、交差点近くの駐車場は心理的に止めにくいという印象が消費者にはあるため、価格を安く設定するのだという。
こうしたノウハウでパーク24は国内の駐車台数は約70万台となっている。
そんなパーク24がはじめて欧州に進出するにあたって、はじめての国がイギリスなのである。実は、パーク24は昨年、イギリス最大手の駐車場会社NCPを買収した。