[カンブリア宮殿] ( アマタケ ) “サラダチキン”から”銘柄どり”までヒット連発!「ひと手間経営」で躍進する鶏カンパニーの秘密– 2018年3月15日

カンブリア宮殿
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こんにちは。ひとりで.comです。

2018年3月15日放送のカンブリア宮殿は「”サラダチキン“から”銘柄どり”までヒット連発!「ひと手間経営」で躍進する鶏カンパニーの秘密」と題してアマタケ社長 甘竹秀企(あまたけ ひでき)さんが登場。

 

安くて美味しい!しかも、高タンパクで低カロリーなヘルシー食材として、注目を集めている鶏肉!いまや日本国内での消費量は、牛肉、豚肉を超えて、No.1に躍り出ている。

そんなブームの鶏肉の中でも、特に人気を集めているのが…コンビニやスーパーで売れまくっている「サラダチキン」だ!

若い女性やダイエット中のサラリーマンの間では、ランチの時の「もう一品」として、すっかり定着しているという。この「サラダチキン」を日本で初めて売り出し、大ヒット商品へと育てたのが、知る人ぞ知る鶏肉の総合メーカー「アマタケ」だ。実はこの会社、鶏肉の生産から育成、加工、そして販売まで、全行程をカバーする業界でも稀有な存在。

しかも「南部どり」など地域の名を冠した”銘柄どり”を日本で初めて商品化したメーカーでもあるのだ。「ひと手間カンパニー」を社是に掲げ、「より美味しく」「より安全に」「より健康に」を目指すアマタケ。その生き残りを賭けた独自戦略に迫る!

 

“サラダチキン”から”銘柄どり”までヒット連発!「ひと手間経営」で躍進する鶏カンパニーの秘密

 

ダイエットからアスリートまで絶大な人気を誇るサラダチキン

 

実はいま鶏肉がブーム。日本における肉の年間消費量は鶏肉が164万トン、豚肉が157万トン、牛肉が76万トンとなっており、5年前に鶏肉が豚肉を抜いて1位になったのである。

 

そして、コンビニ各社がいま凌ぎを削っているのが、サラダチキンである。

ナチュラルローソンでは2014年からサラダチキンを展開しており、昨年は7倍の売上になったのだという。

そもそもサラダチキンとは鳥のムネ肉を味付けした惣菜のことである。ひとつまるまるたべてもおにぎりの半分ほどの低カロリーである。それに対して高タンパクとあってダイエット中の女性からアスリートまで幅広い人気となっている。

 

 

 

 

ひと手間かけて他社と差別化するアマタケ

サラダチキン
サラダチキン

このサラダチキンを初めて作ったのがアマタケという企業である。アマタケのサラダチキンはなぜそこまで人気なのか…。その秘密は他のメーカーとは全く違う製法にあるのだという。

まずは味付け。多くのメーカーは鶏のムネ肉を調味液につけて行なうが、アマタケはそこに真空状態にする、という手間をひとつ加える。そうすることによって、鶏肉が膨張し調味液が中に染み込んでいくのである。

さらに、加熱の仕方。多くのメーカーは生のままパックするが、アマタケではスチームオーブンで加熱を行う。300℃以上で加熱した水蒸気で表面を焼き上げることによって肉汁を閉じ込めるのである。こうすることで旨味も逃さないのである。

一手間かけることで消費者の指示を呼ぶ。こうして年間1,100万パックを販売するのである。

 

そんなアマタケの人気商品はサラダチキンだけではない。アマタケが誇る南部どりもスーパーなどで人気となっている。

アマタケの本社は岩手県大船渡市にある。アマタケの南部どりは2つの品種をかけ合わせたブランド鶏である。オスはフランス産の赤鶏でメスは国産の白鶏である。南部どりの飼育にあたっては、岩手県の山奥の人も細菌も寄り付かないような山奥で飼育している。

 

そして、これまで実現不可能と言われてきた完全無薬飼育を行っているのである。通常、鶏のエサには抗生物質や抗菌剤などの薬が入っている。しかし、アマタケではそうした薬は使わず、その代わりに納豆菌や植物性乳酸菌、ポリフェノールなど自然由来の食品を配合しているのである。さらに寒さというストレスをかけないように床暖房を採用している。

 

さまざまな手間をかけて高品質の鶏肉を作るアマタケは従業員480名、年商103億円となっている鶏肉の総合メーカーである。

 

食用の鶏は大きく3種類に分類される。

地鶏:名古屋コーチンや比内地鶏など日本在来種の血統を50%以上受け継ぐ

若鶏:通称ブロイラーと呼ばれる食肉専用の雑種鶏で飼育期間は3ヶ月ほど。

銘柄鶏(ブランド鶏):多くの場合はブロイラーがベースで明確な定義がない。餌や飼育方法に特長を持たせて育てた鶏

 

アマタケの南部どりは国内初の銘柄鶏である。

 

 

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アマタケの歴史と東日本大震災

南部どりバーガー
南部どりバーガー

アマタケの創業は1964年、現社長である甘竹秀企さんの祖父に当たる甘竹久さんが飼料販売会社を創業したことにスタートする。1970年には養鶏業へ進出し、鶏肉総合メーカーへの礎を築いた。

3代目は父の甘竹秀雄さん。1999年に当時は不可能とされていた完全無薬飼育を実現させた。そして2004年、甘竹秀企さんが4代目社長に就任し、味の改良をすすめ、2005年に現在の南部どりの生産を開始したのである。

 

しかし2011年に悲劇が起きる。2011年3月11日の東日本大震災である。高さ17メートルもの津波が東北の街を飲み込んだ。海岸から2キロ離れた場所にあったアマタケの本社も例外ではなかった。

津波によって本社と3つの工場は壊滅状態となった。さらに餌が供給できなくなり100万羽を殺処分せざるを得なくなったのである。

社員の頑張りもあり、4ヶ月後の2011年7月に本社工場を再開させた。だが、原発事故の風評被害が波及し商品はほとんど売れなかった。復旧費用もかさむ一方で倒産寸前の状態にまでなりかけたのだという。

そんな窮地に手を差し伸べてくれたのが、モスバーガーである。創業者がともに大船渡市出身ということもあり、声をかけてくれたのである。そして南部どりを使ったモスバーガーが誕生したのである。

これが、キャンペーン期間中に45万個を販売する大ヒットとなった。これを足場に反転攻勢をかけようとアンケートを実施した。するとそこに意外なヒントが隠されていた。

消費者の多くがサラダチキンの皮をむいて食べている

という事実が発覚。社内から、皮なしで販売することには大きな抵抗があったが、それでも2014年に皮なしのサラダチキンの販売に踏み切った。すると思わぬ副産物が現れた。それがカロリー40%オフである。皮をなくすことでカロリーを大幅にカットすることができたのである。これがヘルシーブームの波に乗り、震災前の1.5倍売れる大ヒットに繋がったのである。

この経験を通して

ひと手間をかけることが商品を強くする

ということを学んだのだという。

 

これを機に、アマタケは「ひと手間カンパニー」をスローガンに掲げすべての商品に乗り出した。

 

 

ひと手間カンパニー:アマタケ

ひと手間カンパニー:アマタケ
ひと手間カンパニー:アマタケ

アマタケでは、震災後から、商品だけでなく、社内の働き方にもひと手間を加えようと、ひと手間プロジェクトというものを発足した。

そのひとつが、各人のデスクに置かれた「いいねボックス」である。同僚が感謝の気持ちをカードに記入し、ボックスに入れて相手に伝える仕組みである。

さらに、違う職場の社員とも交流できるようにさまざまなイベントも開催し、アマタケで働くことにやりがいを感じてもらう取り組みを数多く実施している。

こうしたイベントを実施することで、新たな新商品のアイディアも誕生しているのだという。

 

 

 

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