[カンブリア宮殿]( WILLER ) 「安い・快適・安全」 三拍子揃った旅を! バス業界に新風を吹き込む風雲児の挑戦– 2018年3月29日

カンブリア宮殿
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こんにちは。ひとりで.comです。

2018年3月29日放送のカンブリア宮殿は「「安い・快適・安全」 三拍子揃った旅を! バス業界に新風を吹き込む風雲児の挑戦」と題してWILLER 代表取締役 村瀨 茂高(むらせ しげたか)さんが登場。

 

高速バスの利用者は今や年間約1億2000万人。その数は、飛行機の国内線(9200万人)を上回り、この20年で約2倍に増加している。その牽引役は、業界トップの売上を誇るウィラーだ。

「安い・快適・安全」をウリにし、客からの評判も高い。

ウィラーは青森から福岡まで22路線297便を運行し、2017年の利用者は約270万人にのぼる。代表を務める村瀨茂高は、オリジナルシートの開発やお得プランなど、業界初の試みを連発。その一方で、徹底した安全対策で業界をリードしてきた。

赤字経営に苦しむバス業界で右肩上がりの成長を続けるウィラー、その独自戦略を追った!

 

「安い・快適・安全」 三拍子揃った旅を! バス業界に新風を吹き込む風雲児の挑戦

 

ピンクのバスで若者からシニアまで人気のウィラーエクスプレス

 

日本最大のバスターミナルである東京新宿にある「バスタ」。1日約2万8,000人が利用している。高速バスと言うと若者が利用しているというイメージを持つかもしれないが、実はシニアも結構利用している。

高速バスの年間利用者数は約1億2,000万人でここ20年で2倍となっている。

 

多くのバスがある中、目立つのがピンクの車体のウィラーである。ウィラーの最大の特徴はそのシートにある。

ウィラー リラックスシート
ウィラー リラックスシート

 

頭の部分は覆うことができ、寝顔を見られないようになっている。さらにリクライニングは140度と一般的な高速バスよりも深くなっている。これで東京から大阪まで4,400円〜と格安になっている。

さらに学生だと学割だと3,500円、55歳以上だとシニア割で同じく3,500円となっている。新幹線で行くよりも10,000円ほど安いのも人気の秘密となっている。

 

バスターミナルの横にはウィラー専用の待合所も用意されているのも特徴のひとつである。

 

全国22路線、288便を毎日運行しており、東京から名古屋・長野は片道1,500円〜、東京から先代は1,900円〜とローコストネットワークを銘打っている。

 

 

ウィラーのバスは215台のバスを所有しており、用途によってさまざまなシートを用意している。

 

コクーンというまゆのように作られているシートはビジネスマンに人気となっている。座席にはテレビもついており、ゆったりと車内でくつろぐことができる。もはや、飛行機のビジネスクラスのような作りである。

ウィラー コクーンシート
ウィラー コクーンシート

 

それ以外にもリボーン、エグゼクティブなど選べるシートは全10種類用意されており、全てウィラーの自社開発によるものである。

ウィラー シート一覧
ウィラー シート一覧

 

 

 

圧倒的な乗車率を誇るウィラーの秘訣



ウィラーの創業は1994年で従業員は約800人である。そのウィラーを率いるのが村瀨茂高さんである。ウィラーでは、運賃が安いことを前提に快適さをどこまで提供できるか…ということを追求している。

では、なぜウィラーはそれほどまでに安い運賃を提供することができているのか…。その理由はウィラーでは、通常のバス会社が乗車率50%〜60%を目標にしているところ、ウィラーでは乗車率80%超えを目標としている。

その高乗車率を維持するための鍵となっているのが40人からなるマーケティング部隊である。マーケティング部隊は、全国各地のイベントをチェックし、アイドルのコンサートがある時期、桜が開花する時期、肉フェスが行われる時期などをもとに、来客数を予想して便数の増減を調整しているのである。

また、出発日が迫って空席がある場合は、乗車率をあげるために、時期によって料金を下げているのである。このようにして乗車率をあげる努力をしているのである。

 

さらに、ウィラーでは各地のホテルと提携し宿泊プランを案内している。ホテルの入口にバス停を設けることでバスの乗車率をあげているのである。ホテル側としても空室率を下げることができるためウィンウィンの関係となっているのである。

 

 

 

 

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ウィラーの創業と事故にドライバー環境の改善

 

1963年生まれの代表 村瀨茂高さんは愛知県名古屋の出身である。子供の頃の楽しみは家族旅行で、大学に入ると旅行サークルに入りさまざまな旅行プランを企画した。その後、卒業後はバスのツアー会社に入社し全国を飛び回った。

そして1994年に西日本ツアーズというバス旅行会社を創業し、業績を順調に伸ばしていった。しかし、運行を委託するバス会社へのクレームが相次いでいた。そこで、乗客に話を聞いてみると、

  • バスのシートが窮屈で腰が痛くなる
  • シートがださくて臭い。二度と乗りたくない

という声がたくさんあった。

村瀨茂高さんはシートを変えてもらえるように各バス会社に交渉したものの、それに応じてくれる会社はひとつもなかったという。

そこで、村瀨茂高さんは自分たちでシートを作ってしまおうと考えたのである。10年来の付き合いになる天龍工業がその特注シート作りを一手に引き受けている。これまでに試作として製造したシートは60種類以上となる。

2007年には会社名をウィラーに変更しバスの車体をピンク色とした。きれいで快適なシートは評判となり、順調に売上を伸ばしていった。

 

 

しかし、ここで大きな問題に直面する。2012年、関越道で高速バスが真っ二つに割れるという事故が発生した。7人が死亡、39人が重軽傷を負うという大事故となった。

この事故を起こしたのはウィラーではなかったが、当時高速ツアーバス連絡協議会の会長だった村瀨茂高さんは矢面に立ち、国会にも参考人招致として呼ばれた。

 

この際、「このような事故を2度と起こさないように再発防止策につとめたい」と述べたのだが、その3年後、ウィラーのバスが事故を起こしてしまうという窮地に立たされたのである。

当時、他社に運行を委託したバスだったが、23人が負傷した。

 

これを重く受け止めた村瀨茂高さんは業界初とも言える取り組みをスタートさせる。それがドライバーの健康管理である。

新木場に運転手専用の宿泊施設をもうけ、ドライバーはここでたっぷり睡眠をとることができる。また、この施設では食生活の改善を促すため、食堂も設けている。さらに、ドライバーは健康診断の結果で良い結果が出ると報奨金がもらえる仕組みを作り上げた。

 

なぜここまでドライバーの健康に対して投資を行うのか…それは、運転中の事故の要因が心臓疾患や脳疾患、大動脈瘤など突発的な要因であることが多いからである。こうした事故を未然に防ぐためにここまで行っているのである。

 

さらに、ドライバーは運転中、フィーリズムという装置をつけ、脳波から眠気の予兆を感知すると振動する仕組みを導入。全てのドライバーのデータは全て本部に転送されてるようになっている。フィーリズムに何か異常が検知されると車内に設置されたカメラで状況を把握することができるようになっている。

 

 

 

 

鉄道事業にも参入!ウィラーによる京都丹後鉄道

京都丹後鉄道
京都丹後鉄道

京都舞鶴にある京都丹後鉄道。この鉄道、実はウィラーが運営している。実はこの路線、かつては赤字続きのローカル線だった。1988年、北近畿タンゴ鉄道として開業したこの京都丹後鉄道。しかし、利用者が増えず日本一の赤字鉄道となり事実上破綻。そこで2015年、赤字再建に名乗りを上げたのがウィラーである。

ウィラーが目指すのは人間の毛細血管のような全国に張り巡らされた交通網。その為のひとつの方法として鉄道事業に名乗りをあげたのである。

結果として、観光列車として京都丹後鉄道を復活させ、地元の人たちの足を残すことができたのである。

 

 

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