[未来世紀ジパング]池上彰&鎌田靖の世界激変SP ニッポン そして世界は”独裁者”とどう向き合う!? – 2018年4月11日

未来世紀ジパング
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こんにちは。ひとりで.comです。

2018年4月11日放送の未来世紀ジパングは「池上彰&鎌田靖の世界激変SP ニッポン そして世界は”独裁者”とどう向き合う!?」と題して増える独裁者とその各国の情勢を特集します。

 

4月から「未来世紀ジパング」の放送時間が水曜の夜に移動する。新メンバーに元NHKで、池上彰さんの跡を継いで「週刊こどもニュース」の2代目お父さんを務めたジャーナリストの鎌田靖(かまだ やすし)が登場する。

今回は「池上彰&鎌田靖の”世界激変SP”!ニッポン、そして世界は”独裁者”とどう向き合う?」を2時間放送でお伝えする。

国家主席の任期を撤廃した中国の習近平氏。その影響力はアフリカにまで及んでいる。一方、4期目を迎えるロシアのプーチン大統領。その裏で、欧州では”徴兵制復活”の動きが進み始む。さらに、親子3代続く北朝鮮の”独裁政権”、金正恩委員長の本当の狙いとは?

“変わり始めた世界地図”をジャーナリストの池上彰が徹底仮説!さらに鎌田靖が現場をルポする!

 

ニッポン そして世界は”独裁者”とどう向き合う!?

 

 

北朝鮮の有事にどう対応するか?釜山から大量に日本に避難民が来る?

 

韓国釜山は人口350人で韓国第二の都市であり古くからの港街である。万が一、北朝鮮の有事があった際は、韓国人をはじめ、韓国に6万人いるとされる日本人もこの釜山に逃げてくることが想定されている。

 

過去、朝鮮戦争の際、北朝鮮の猛攻撃に押され、韓国は釜山に80万人に及ぶ避難民が押し寄せた。万が一、有事があった際は、釜山からさらに避難することも考えられる。そこで、考えられるのが釜山から長崎県の対馬への避難である。

 

韓国釜山から対馬は約1時間の距離である。人口3万人で朝鮮半島とも交流が行われる国境の島である。対馬の最北端には韓国展望所というものあり、晴れた日には釜山が一望できるとあって、観光客にも人気である。

国境の島ということもあり、対馬には陸上自衛隊・海上自衛隊・航空自衛隊の拠点が置かれている防衛の最前線である。そんな最前線の島では有事の訓練が行われていた。

 

2017年、北朝鮮がミサイル訓練を強行したため、対馬では有事に備えて避難の場所や食料の確保を進めていた。

 

 

 

エコノミストが発表する民主主義ランキング

 

経済誌エコノミストが発表した世界の民主主義指数ランキングがある。このランキング、逆を返すと、独裁国家ランキングとも言えなくもない。

このランキングによると、1位はノルウェー、2位はアイスランド、3位はスウェーデンと北欧の国が並んでおり、アメリカは21位、日本は23位となっている。

 

 

116位以下が独裁政治体制を表しており、135位がロシア、139位が中国、そして最下位の167位が北朝鮮となっている。

 

 

 

中国ですすむ習近平国家主席の独裁体制

 

中国は近年、共産党の事実上の党独裁政治から、習近平氏個人への権力集中の方向に進んでいる。

日本の国会にあたる人民労働大会で、国家主席の人気が撤廃され、習近平氏への権力集中が顕著となった。そもそも、中国において、国家主席の人気を1期5年、連続2期10年までと定めたのは、過去の歴史的教訓が影響していた。

それが、毛沢東主席の独裁政治である。1950年代には大躍進政策によって、何百万人もの餓死者を出し、1960年代から70年代にかけては政治権力闘争を文化大革命と銘打って、自身の立場を守り抜いたのである。こうした独裁を抑えなければならないという想いから鄧小平氏らが集団指導体制を敷いたのである。しかし、その歯止めがなくなってしまったのである。

 

そんな中、中国国内の中でも毛沢東氏の人気が再燃しているのである。現在の習近平氏は第二の毛沢東だとまで言われているのである。さらに、毛沢東氏の汚点である文化大革命を教科書から削除してしまおうという動きもみられる。教科書から削除することによって、より毛沢東氏のイメージがアップすることを狙っているのである。

 

こうした流れを受けて、中国国内では「倒車」(バックにご注意)を呼ばれる動画が流行っているのだという。


これはすなわち、バックにご注意=昔に戻ってしまわないですか?、また同じことを繰り返すのですか?ということを風刺しているのである。もちろん、直接的な表現をすることはできないので、このような動画で表現されているのである。

ただし、この動画を初めて投稿した人は逮捕され、動画は次々と削除されているとのことである。

 

 

 

中国からの圧力が強まる一国二制度の香港

 

香港は1997年にイギリスから中国に変換されたが、中国本土とは異なる自治を認められたため、一国二制度という特殊な制度をとっている。しかし、この香港にも中国の力が及び初めているのだという。

香港では、中国本土では決して販売することができない、中国政府を批判するような本(通称:禁書)が売られているのだが、少し異変が起きているのだという。それが禁書を扱う本屋が閉店し始めているのだという。さらに、禁書を扱う本屋の従業員が中国に拘束されたというのである。

 

また、近年、中国式の教育が政府から奨励し始められているのだという。その中には、中国の人民解放軍が愛国教育を香港で行なうことも増えている。

 

さらに、2017年11月に行われた、香港議会(=立法会)の補欠選挙。中国に反発する民主派の議員が一方的に資格を奪われたのである。その民主派の4議席を争うもので、民主派の中で当選を確実とされていたのが周庭(アグネスチョウ)さんである。

若者のリーダーとして人気だった彼女だが、なんと中国政府の意向で出馬を却下されたのである。

結果、民主派と親中派による4議席の争いは、2対2となり、もともと持っていた4議席を民主派は失うこととなった。

 

 

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中国が進める一帯一路構想

 

中国は、国内のみにかかわらず国外においてもその立ち位置をより強固にしようとすすめている。そのひとつの政策が一帯一路である。これは、中国が提唱する新しい経済圏で、かつてのシルクロードの21世紀版とも言われている。

一帯一路
一帯一路

 

 

その一帯一路の重要拠点と位置づけている国がアフリカにあるジブチという国である。下記の図からもわかるように、ジブチという国は、航路でヨーロッパへ抜けるために、かならず通らなければならない場所である。

ジブチ
ジブチ

 

当然、この場所は、重要な場所になるため、さまざまな海賊に狙われる。そこで、日本の自衛隊も加わって、各国が監視を行っているのである。数年前は年間300件弱もの海賊被害が報告されていたが、それが近年では激減しているのだという。

このジブチには、日本だけでなく、フランス軍、イタリア軍、アメリカ軍など各国の軍が駐留している。そこに2017年、中国の人民解放軍が駐留しはじめたのである。中国側は、この基地はあくまでも海賊対策として建てているものであると主張するが、実際は軍事演習も行っているのだという。

さらに、習近平国家主席は、ジブチのギレ大統領と2017年に会談を行い、中国の一帯一路政策への協力を求めるとともに、ジブチへのインフラ投資を約束したのである。エチオピアとジブチを12時間で結ぶ電気鉄道や中国企業が約600億投資して作ったドラレ多目的港など中国マネーが溢れている。

 

 

 

スパイ疑惑でEUとの対立がすすむロシア

 

2018年3月、イギリスの小さな街で化学兵器に使われる猛毒の神経ガスによる暗殺未遂事件が起きた。狙われたのはロシアの元スパイのセルゲイ・スクリバリ氏とその娘である。実はこのセルゲイ・スクリバリ氏は、西側にも協力していた二重スパイで、その後イギリスに亡命していたのである。

これに対して、EUをはじめ、アメリカなども一斉に非難した。ロシアの外交官を大量追放する異例の自体に発展したのである。これに対してロシアは

西側諸国は地球上で起きた悪事のすべてをロシアのせいにしている

と反論した。

こうした事件は、いまにはじまったことではなく、2006年にもイギリスでロシアのスパイが殺害される事件が起きている。使われたのは、猛毒の放射性物質だった。イギリスはこのときもロシアの工作だと避難した。

 

日本は、こうした対立に対して中立の立場に立っている。ロシアのプーチン大統領が当選した際も、西側諸国が一切賞賛の言葉を述べなかったのに対して、日本の安倍首相とアメリカのトランプ大統領のみが電話をしたのだという。

 

その際、安倍首相は上記のスパイ疑惑について

真相解明を期待する

と述べた。この真相解明を期待するという言葉は、イギリス側の立場に立っているともとれるし、ロシアの責任であるとも言っていない(真相解明=ロシア側が悪いとは言っていない)。

 

もちろん、日本とロシアの間には北方領土の問題もあり、強く言えない部分もあると考えられる。今年、ロシアのプーチン大統領と安倍首相の首脳会談が予定されており、そこで安倍首相がどんな主張をするのか、その動向が注目される。

 

 

 

ロシアの脅威に備える北欧諸国

 

EU北部の国スウェーデンでは今、国をあげて軍備の強化を行っている。ロシアの脅威に備えているのである。2014年、ロシアは強大な軍事力を背景にウクライナのクリミア半島を併合した。それ以来、EUとの対立が深まっているのである。

特に、スウェーデンが危機感を高めているのが、バルト海を挟んだ対岸の飛び地のロシア領、カリーニングラード州に軍事拠点があるためである。

そんな中、スウェーデンが復活させたのが、9ヶ月〜11ヶ月に及ぶ徴兵制である。2010年に廃止したばかりであったが、2018年に徴兵制を復活。年間約4,000人が兵役に付く予定となっている。

 

一方、ロシアと1,300キロに及ぶ国境を持っているフィンランド。フィンランドは100年以上にわたって、帝政ロシアの一部だったが、1917年に独立を果たした。しかし、第二次世界大戦中の1939年、ロシアが再びフィンランドに軍事侵攻。それを率いていたのがスターリンである。フィンランドはゲリラ戦で対抗しなんとか独立を守りきった。

その際、伝説となっているスナイパーが活躍した。シモ・ヘイヘ氏である。500人もの兵士を狙撃したと言われ、白い死神と言われている。彼の功績を称える博物館まで存在する。

フィンランドでは、建国以来徴兵制が続いており、18歳以上の男子が半年から1年間をかけて徴兵を行う。人口およそ540万人のフィンランドだが、有事の際には日本の自衛隊を超える兵力を確保しているという。

そんなフィンランドは銃の保有率が世界第4位。隠れた銃大国なのであった。

 

 

 

 

 

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