こんにちは。ひとりで.comです。
2018年4月18日放送の未来世紀ジパングは「中国がごみの輸入を禁止!”日本のごみ”が大変な事態に」と題して中国で起きているごみ問題によって世界で起きている現状を特集します。
2017年12月、世界から大量の廃棄物を輸入してきた中国が、輸入禁止に踏み切った。この事態を受けて、日本では行き場を失った廃棄物が山となり、混乱が起きている。
回収業者は山積みになった廃棄プラスチックなどを前に「どうにもならない」と悲鳴をあげる。一方、アメリカでは段ボールやチラシなど古紙の”ごみ山”ができていた。中国発の”ごみショック”…どうなるニッポン?
中国がごみの輸入を禁止!”日本のごみ”が大変な事態に
中国で”海外ごみ”の輸入禁止に…
資源ごみの代表格であるペットボトル、実はリサイクル分の半分が中国に輸出されていたという事実をご存知だろうか?
ところが、昨年中国はその輸入を禁止したため、世界で大混乱が起こっているというのである。
北関東にあるとある資源ごみ回収業者では、これまで中国に輸出してきた資源ごみの輸出禁止を受けて、敷地内に資源ごみが溜まってしまっているのだという。
中国は2000年頃から、海外からの廃棄プラスチックの回収をスタートした。というのも、石油からプラスチックを作るよりも、廃棄プラスチックから作るほうが圧倒的に安いのである。
しかし、中国の重要な政策を決める全人代で2期目を迎えた習近平政権は、中国国内の環境問題を見据えて”海外ごみ”の輸入を厳しく制限した。
この影響により、中国国内でも異変が起きていた。中国で日本から廃棄プラスチックを回収していた亜星再生資源開発という企業では、これまで行っていたリサイクル事業がストップしてしまったのだという。
以前は、日本から1ヶ月で2000トンもの廃棄プラスチックが運び込まれ、それをペレットと呼ばれる再生樹脂にリサイクルしていたが、2017年12月で輸入がストップしてしまい、従業員も解雇せざるを得なくなったのだという。その被害総額は年間で20億円にものぼるのだという。
分別されない中国国内のゴミ
一方で、中国国内では、ごみの分別に関する問題も発生している。中国の急成長の裏側に出前などのサービスが急増しており、そのほとんどの包装にはプラスチック容器が使われている。中には、紙の容器の中にプラスチック容器が入っているという過剰包装も行われている。
食品の安全問題もある中で、いかに消費者に選んでもらうか…その為に過剰包装になっているという状況が起きているのである。
さらに、中国では、分別がきちんとされていないため、回収されたゴミはすべて埋め立てられるというのである。上海市では増えるゴミに対してゴミの焼却施設の建設を急いでいるが、いまだ計画には到達しておらず、埋め立て地域が増える一方となっている。
アメリカでもゴミ問題でゴミが山積みに…
【中国への古紙輸出国】
1位 | アメリカ | 45% |
2位 | イギリス | 12% |
3位 | 日本 | 10% |
アメリカのマサチューセッツ州では、分別が徹底されていないということが大きな問題となっていた。街のごみ収集工場では、分別されていないゴミを古紙とそれ以外に分別して、中国に輸出してきた。
これまで、中国はある程度古紙の中に不純物が混ざっていたとしても輸入を認めてきた。しかし、2017年の末から厳しいルールを引いてきたのである。それが不純物の混入割合です。これまでは、3%〜5%までは許容範囲とされてきたが、今では0.5%以下でないと受け入れてくれなくなってしまったのである。
これまで中国向けに1ヶ月で約1,800トンもの古紙を輸出してきたが、条件が厳しくなったため、今ではゼロになってしまい、工場に処理できないゴミが溜まってしまっているのである。
中国国内にあるプラスチックのリサイクル企業「大発」
中国国内で、日本からの廃棄プラスチックを受け入れてリサイクルを行っていたリサイクル大手の「大発」は、廃棄プラスチックの輸入禁止を受けて、大きな打撃を受けていた。
そこで、大発は、日本で工場を建てようともくろんでいた。
さらに、亜星商事の孫社長も日本国内におけるリサイクル製品の回収を強化していた。日本で手に入る廃棄プラスチックは不純物が少なく高品質であるため、中国で回収することができないのであれば、日本国内で工場を建設し、そこでペレットにリサイクルし中国に販売しようとしているのである。