[知られざるガリバー]素材膜を作り出す太陽工業株式会社 – 2018年4月15日

知られざるガリバー 消費者が知らないエクセレントカンパニー
LINEで送る
Pocket

 

こんにちは。ひとりで.comです。

2018年4月15日放送の知られざるガリバー〜消費者の知らないエクセレントカンパニー〜は太陽工業株式会社の紹介。

 

世界の名だたる建造物の屋根に使われている素材“膜”を造りだす太陽工業株式会社

軽くて丈夫、耐久性に優れ、光を通すため照明コストも下げられるという夢の屋根素材。その開発の大きな転機は、大阪万博で任された、パビリオン製作での試行錯誤にあったのです。屋根の概念を変えたとされ、常に無限の可能性に挑む太陽工業株式会社のチャレンジスピリットに迫ります!

 

膜の無限の可能性を引き出す太陽工業

東京ドームの屋根に使われる太陽工業の膜

東京ドーム
東京ドーム

屋根を覆う膜の製造で世界シェアNo.1の太陽工業株式会社。その年商は540億にものぼる。その技術は東京ドームでも用いられている。東京ドームの屋根は繊維に樹脂をコーティングした膜と呼ばれるものでできており、その厚さはなんと0.8mmしかない。

薄い膜なので内側からの気圧で膨らませることができるのです。誕生した30年前、その姿に誰もが驚き、屋根の常識を変えたとも言われている。今では、リニューアルした東京駅にもその技術が用いられている。さらにさいたまスタジアム2002の屋根や、ロンドンのヒースロー空港、サウジアラビアの聖地メディナなど世界中の建物で使われている。

 

東京ドームの屋根の膜には、強度が強いガラス繊維にテフロン加工のふっ素樹脂が使われており、外の光を取り込むことができるため、照明コストの削減にも役立っている。しかも、極めて軽量でどんな形にも変化させることができる。

 

 

東京と大阪に本社があり、独自の販売網を持つ太陽工業株式会社。従業員は524人で、国内と海外に8個の工場を持つ。屋根膜の企業として世界で確固たる地位を築いている。

現在の社長である荒木秀文さんは、これまで4代続いた創業家から社長を受け継いだということもあり、チャレンジ精神にあふれる企業である。

その企業が大事にしているスピリットが

それや、あれや、これや

という言葉である。お客さんから、そんなものあったの?というものを具体的に展開していくことをモットーとしている。

 

 

 

大阪万博で世界を震撼させた太陽工業

大阪万博
大阪万博

太陽工業株式会社は1922年、大阪で創業した。創業者の能村金茂さんは当時、多くの会社が軍事用のテントを生産する中、民間用のテントを製造する能村テント商会を立ち上げる。1929年に開発したのが、キャンプに使える「モダンテント」である。空気でチューブを膨らませて柱を作るというものであった。

そして戦後は、テントの技術を応用して、車に使われる幌を受注し、その領域を拡大していった。そして、転機が訪れたのが、1970年の大阪万博である。パビリオンを任された太陽工業株式会社はエアテントの原理を応用しようとした。しかし、巨大な建物を作るのは簡単なものではなかった。社員一丸となって、チャレンジし続けたのである。

 

 

 

次世代のガラス「ETFE」。新たな可能性への飽くなき挑戦

ETFE
ETFE

 

現在、太陽工業株式会社 では新たな膜の開発に取り組んでいる。それが「光触媒テント」である。光触媒テントは、膜自体が汚れたらきれいになる、というセルフクリーニング機能を持っているのだという。光触媒は、それ自体は特に何もしないが、太陽光(紫外線)があたることによって、化学反応が発生する。そして有機物を分解するのである。

他にも太陽や照明の光エネルギーを蓄積できる膜の開発もおこなっている。これは、蓄光線と呼ばれるもので、日中の光を吸収・貯蔵して暗所で蓄えた光を放出するのである。用途として、例えば震災などが起きた際、これを使ったテントがあるとそこが目印になって避難所になる可能性があるのだという。

 

さらに、いま注目されているのが、高機能ふっ素樹脂「ETFE」を使った透明な膜である。次世代のガラスとも言われており、非常に軽くて強い性質を持っている。さらに、ガラスではないため、割れることもない。

 

 

 

 

スポンサードリンク