[未来世紀ジパング]ニッポンの人手不足もここまで来た…新・人材争奪戦勃発 – 2018年5月2日

未来世紀ジパング
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こんにちは。ひとりで.comです。

2018年5月2日放送の未来世紀ジパングは「ニッポンの人手不足もここまで来た…新・人材争奪戦勃発」と題して人材不足を解消するために各企業が進める策、そして中国が狙う日本の技術者について特集します。

 

先日、衝撃的なデータが発表された。

2017年度、倒産した企業は、前の年度に比べ1.6%と微増に留まったのだが、「人手不足による倒産」が44%も増えたことがわかったのだ。今回のジパングは、いま日本で新たに起こっている「人手不足」とそれに伴う、新たな「人材争奪戦」を徹底取材した。

 

 

ニッポンの人手不足もここまで来た…新・人材争奪戦勃発

 

 

急増する人手不足倒産

 

神奈川県のとある会社でいまの日本を象徴する現象が起きているという。地元で30年以上、配管工事を行う企業。この企業は数々の配管工事を請け負ってきたというが、この企業、経営破綻をしたというのだが、その破綻の方法が奇妙だったという。

それは、仕事があったのに破綻したのだという。それが、人手不足倒産である。

 

こうした人手不足倒産が急増しているのだという。

 

 

帝国データバンクによる「人手不足倒産」

  1. 2017 年度の「人手不足倒産」は 114 件と、4 年連続で前年度を上回り、年度合計で初めて 100件を超えた。増加幅も 2 年連続で拡大し、2013 年度比では 2.5 倍に増加した。また、2013 年度(2013 年 4 月~14 年 3 月)から 2017 年度(2017 年 4 月~18 年 3 月)までの 5 年間で発生した「人手不足倒産」は累計 371 件となった。
  2. 負債規模別件数を見ると、2017 年度は「1 億円未満」が 57 件で前年度比 32.6%増、「1~5 億円未満」も 50 件発生し、同 78.6%の大幅増加となった。
  3. 業種別件数を見ると、2017 年度は「建設業」が前年度比 34.8%の増加で、最多の 31 件を占めた。このほか、「製造業」「小売業」「運輸・通信業」などでも増加が
    目立ち、幅広い業種で倒産が増加傾向となった。また、5 年間累計の業種細分類別では、「道路貨物運送」が 26 件で最多。このうち、直近の 2017 年度は 10 件で前年度比 2 倍増となった。次いで、「木造建築工事」、「老人福祉事業」がいずれも 21 件で並んだ。

 

人手不足倒産
人手不足倒産

 

人手不足倒産(業種)
人手不足倒産(業種)

出典:帝国データバンク

 

 

 

外国人ドライバーが増えるタクシー業界

 

近年、外国人のタクシー運転手が増えているという。都内のタクシー会社日の丸自動車では600台のタクシーを展開する大手タクシー会社である。

人手不足から2017年頃から外国人の採用をスタートさせたのだという。現在、ブラジル、ポーランド、オーストリアなど12カ国から30人の外国人運転手を正社員として雇用している。

 

日の丸自動車で雇用されている外国人ドライバーは、平均年齢も若く、永住権を持っている人がほとんどである。したがってビザの心配をする必要もない。

 

日本で人気がない仕事といえば、昔から3Kという言葉が有名だった。3Kとは、キツイ、汚い、危険の3つを指すが、近年では帰れない、厳しい、給料が安い、という新3Kという言葉も出てきているのだという。

 

 

 

日本の一流大学を目指す中国人の増加

行知学園
行知学園

東京西新宿にある行知学園という予備校では、講師も生徒も全員中国人という一風変わった予備校となっていた。生徒数約2,300人を誇る中国人専門の大学受験予備校なのである。

いま、日本の一流大学を目指す中国人が増えているという。

なぜ、日本の大学を目指すのだろうか…。それは、中国の受験制度では出身地域別に大学の入学者数が決まっていると言われており、地方に住む学生は北京などの大学には入りにくいとされているのである。そこで、日本の一流大学に入学しようとしているのである。

こうして日本の一流大学に入った生徒達は、資生堂などの中国に進出した日本企業に入りたいと考えている人も少なくないという。

かつて日本が中国に必要としたのは単純労働者だったが、いま必要とされているのがマネジメントができる優秀な人材である。

 

 

 

南富士によるベトナムの優秀人材を発掘する特別スクール

 

ベトナムの首都、ハノイにあるハノイ工業大学。学生数はなんと5万人もおり、ベトナムでも特に人気の高い大学である。その中に、日本を目指す学生のための特別なスクールがある。

そのスクールを運営しているのが、日本の南富士という企業である。南富士は静岡県三島市に本社を置く屋根や外壁を施工する会社である。

ご多分にもれず南富士でも人手不足に陥っており、4年前からこのスクールをスタートさせた。これまでに300人のベトナム人を日本企業に就職させた実績を持つ。

取材の日も、糸を巻き取る機械を製造している神津製作所という中小企業の社長が視察に訪れていた。ボーイング787に使われる炭素繊維を作る機械もこの神津製作所で作られているという炭素繊維は鉄の4分の1の重さで強度は鉄の10倍と言われておりボーイングの要とも言われている。

今の日本では優秀な人材が集まらないということで、視察に訪れたのだという。

 

結果的に3人のベトナム人を採用するに至ったという。

 

こうした優秀な人材は、日本では高度人材と呼ばれる。高度人材は年齢や学歴、年収、特許、日本語の能力などによってポイントで評価され、このポイントが70ポイント以上であれば高度人材と認められる仕組みとなっている。高度人材になると、通常10年かかる永住権が3年で取得できるという優遇措置が認められているのである。

 

 

 

急成長する中国で必要とされる日本の技術者

QOOC 離乳食ミキサー
QOOC 離乳食ミキサー

一方で、日本から多くの優秀な人材が流出しようとしているという現実もある。中国の地方都市、広東省にある三方人材有限公司というヘッドハンティング会社では日本のある意外な人材を探していた。

それが50代後半から60代の定年間近な人材である。中国の地方都市の中小企業がこうした人材を求めているのだという。

 

田中さんは、とある日系企業の中国工場に勤めていた58歳。VHSなどの最先端ではない製品の技術者として長年中国に勤めていた。しかし、中国からの撤退に伴い職を失い、中国で仕事を探していたという。

田中さんに紹介されたのが、QOOCという主に離乳食用のミキサーを製造販売する日本では全く知られていない企業である。従業員は60名ほどだが、売上高は年商10億円ほどある。

このような企業がなぜ、田中さんのような人材を欲しがっているのか…。QOOCの代表によれば、自分たちが思い描くほどの成長を果たすためには、10年かかるが、それを2年で達成したい。そうするためには、現場を厳しく管理監督してくれる優秀な人材が欲しい、のだという。

 

例えば、工場の作業員たちはマスクもせず、帽子から髪の毛も出ている。日本の食料品メーカーが視察に訪れたらまずNGとなる基準となっている。食品に関わる製品ならなおさらである。また、生産管理についても、各部品の管理がきっちりできていない。日本の工場であればごくごく当たり前のことであるが、そうした管理が一切できていないのである。

 

こうした点を指摘したり、実際にどのように改善するべきかを考えられる人材が伸び盛りの中国にはいないため、そうしたことが可能な日本人に対する需要が増えているのである。

 

 

 

 

 

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