こんにちは。ひとりで.comです。
2018年5月9日放送の未来世紀ジパングは「みんなの大切な”歯”” 最先端技術 日米徹底比較!」と題して日本における予防歯科医療の最新事例、歯科医療の先進国アメリカの実状、歯科医療のスピード化に取り組む井上歯科医院の事例などを紹介する。
いま歯の大切さを見直す潮流が生まれている。歯の病気は身体の病気につながるだけでなく、人生を決めるというのだ。特に重要なのは虫歯にならないための予防だ。
1時間1万5000円!高額だけど治療しない日本の歯医者に人々が殺到している。一方、歯を大切にする先進国アメリカは、水道水にあるものを混ぜ、国民の虫歯を予防していた。
さらに驚きの最新治療も紹介、日米徹底比較する!
みんなの大切な”歯”” 最先端技術 日米徹底比較!
【目次】
治療をしない歯科医院
最近発表された「メンテンスしておきたかった体の部位ランキング」によると、3位は腰、2位は目、1位は歯となっている。実際街で聞いてみても、歯を手入れしていればよかった…という人が多いのがわかる。
そんな歯のメンテナンスで予約が殺到している歯科医院がある。それが、東京の汐留にある日吉歯科診療所である。医院長は熊谷直大さん。
この日吉歯科診療所では、初診の際、3枚にもわたる問診票に記入することが求められる。その中には、習慣的に飲んでいるものや、間食のとり方、睡眠時間なども聞かれるという。
この日吉歯科診療所では、よほどのことがない限り治療は行わないのだという。あくまで予防専門の診療所なのである。歯科衛生士が歯垢の量を調べたり、唾液の量や質を調べたりする。
日吉歯科診療所では
虫歯になったら敗北
をポリシーにしているのだという。
その原点は、山形県酒田市にある。日吉歯科は今から38年前に、熊谷直大さんの父親が山形県で始めた歯科医院で、開業当初は他と同様に歯の治療を行っていた。しかし、患者は歯の手入れ方法が充分でないため、歯の治療を行ってもまた歯科医院に戻ってきてしまうという。その時、歯の予防の重要性を痛感し、それを啓蒙するようにしたのだという。
すると、虫歯がないのに通う患者が増えたという。この日吉歯科に通う患者のうち75歳の歯の平均残存数は18本。日本の平均は8本であるから、その多さがお分かりいただけるかと思う。今では、酒田市の人口11万人のうち、1万人が通う”酒田の奇跡”と言われている。そんな日吉歯科が東京進出を果たした。
それが、汐留の日吉歯科診療所なのである。
虫歯の予防には、まずは歯磨きである。歯ブラシを歯に対して45度で当て、小刻みにブラッシングするのが良いという。しかし、歯磨きだけ完全に虫歯を予防するのは難しいという。そこで、3ヶ月に1度の定期的なメンテナンスをおすすめしている。定期メンテンナンスでは、超音波でのブラッシング、医療用の歯磨き粉の歯磨き、フッ素によるコーティングを行う。
ただし、歯の予防については、保険の適用外となるため、全額自己負担となる。
アメリカで虫歯の人が少ないのは水道水にあれが入っているから
アメリカ人は甘いものが大好きで年間の一人あたりの糖類の消費量は約60kgとなっている。日本人が約16kgなのでその3倍から4倍にもなる。しかし、アメリカ人に聞くと、虫歯になったことがある人が少ない。
実はアメリカは歯科医療の先進国で、アメリカにある歯科医院は予防のためのものなのである。歯科医院で歯の治療に来る人は殆どおらず、来院者の約80%が予防の為に来ているのだという。ちなみに、日本の場合、予防の為に歯科医院に行く人は2%にすぎない。
これだけ予防意識が高いのにはわけがある。実はアメリカには歯の公的な保険がないのである。したがって歯の詰め物をした場合、アメリカでは保険適用外となり約50万円ほどかかるのだという。
そんなアメリカにはさらに虫歯にならない秘密が隠されている。それが、アメリカの水道水である。実はアメリカの水道水にはフッ素が入っているのである。フッ素は歯磨き粉にも入っているように虫歯菌の抑制や歯の強化に役立つ物質である。
1900年代初頭に、一部の地域で虫歯の発生率が低い地域があることがわかった。さらに調べるとその地域の天然水には、高濃度のフッ素が入っていることがわかった。そこで1945年から浄水場でのフッ素添加がはじまり、今ではアメリカ全土の約70%でフッ素が入れられているのである。
水道水にフッ素が含まれている国は他にもあり、中国やインドなど世界約50カ国で水道水にフッ素が入れられている。日本においては、水道水を飲むというのが当たり前になっているため、何度かフッ素を入れる検討もされたが健康への影響も鑑みて実現に至ってないというのである。
患者が殺到する北海道帯広の井上歯科医院
北海道帯広に患者が殺到する歯科医院があるという。それが井上歯科医院である。この井上歯科医院では、レーザー治療機を導入している。レーザー治療に関しては、日本の歯科医院でも続々と導入されているが、この井上歯科医院では、オペレーザーデュアルウェーブという日本に50台しかない最新機種を導入している。従来のマシンに比べて短時間で治療できるのだという。
一般的な虫歯治療では、虫歯の箇所をドリルで削り取るのだが、レーザー治療の場合、レーバーを虫歯の箇所に当てて虫歯部分だけを蒸発させるのだという。これによって、1回数十分かかっていた治療が数分で終わるのだという。
さらに、井上歯科医院では、スーパーデンチャーという最速で入れ歯を作る仕組みを構築している。それに大きく寄与しているのが歯科技工士の存在である。
通常、歯科技工士は歯科医院にはおらず、歯のレントゲンをとったあとに外注して入れ歯を作る。しかし、井上歯科医院では歯科技工士が常駐しており、スピードアップを実現している。1ヶ月かかる入ればの調整がわずか2日で終わるのだという。
アメリカですすむ歯の最先端治療
一方、アメリカでも脅威のスピード治療を実現していた。それがインプラント治療である。以前は、CTスキャンや手術の準備に2週間ほどかかっていたが、歯科ロボット「YOMI」を導入することによってその時間の短縮に成功したのである。
CTスキャンで3D画像を作ると、そのロボットが解析し、ロボットがインプラントの為に必要な穴を正確にあけてくれるのである。
これまで歯科医師の正確性が試されていたため、場合によってインプラントの為にあける穴の深さや角度に間違いが生じることもあったが、データに基づいて作業を行うため、その作業は正確そのものなのである。
またインディアナ州にあるとある会社には、連日”歯”が届き、それを預かっているのだという。それが”歯の銀行”である。
歯の中から歯髄細胞を取り出す。歯髄細胞は歯の再生に使うことができるという。取り出した歯髄細胞を冷蔵庫に冷やして培養する、そして冷凍保存する。将来歯がなくなったとき、この歯を活用して新たな歯を作るのだという。
この”歯の銀行”はトゥースバンクと呼ばれ、約3,000人が利用しており、1年間で100ドルほどの料金がかかる。
最新の歯ブラシはスマホアプリで指示?
近年、日本で電動歯ブラシの需要が増えており、その年間販売数は約570万台にのぼるという。特に人気なのが用途別にブラシをかえられるものである。用途に合わせて通常の歯磨き用、歯茎用、ホワイトニング用、舌磨き用となっている。多いものでブラシを10種類を付け替えられるという。
フィリップスが販売している最新機種”ソニッケアー”に搭載されているのはスマホアプリとの連携機能である。
歯を磨く順番や時間を指示してくれたり、歯磨きの強さが強すぎると、弱めてください…と注意喚起まで行ってくれる。さらに磨き足りない部分まで教えてくれるすぐれものなのである。