こんにちは。ひとりで.comです。
2018年5月6日放送の知られざるガリバー〜消費者の知らないエクセレントカンパニー〜は株式会社オカムラの特集。
オフィス家具の国内シェアトップクラスである株式会社オカムラ。売上高は、2,360億を超え、オフィスをはじめ、教育・医療・研究・商業施設、そして物流センターなど、様々なシーンにおいて質の高い製品とサービスを提供しています。消費者のニーズを的確にとらえた製品作り、挑戦と開発を続ける“オカムラのモノづくり”の真髄に迫ります!
オフィス家具国内シェアトップの株式会社オカムラ
オフィス家具で国内シェアトップクラスの株式会社オカムラ。年商約2,368億円を誇る。現在オカムラが力を入れている商品が上下昇降デスクである。これまでオフィスの仕事は座ってするというのが基本だったが、近年、能率・効率・健康といった切り口で物事を考えるようになり、オフィスでもそうした考えを取り入れていくべきだと考えているのだという。
オカムラの持つオフィス家具は全部で40万アイテム。中でも世界的ヒットとなった商品が、2003年発売のオフィスチェアのコンテッサである。
人気の秘密のひとつはそのデザイン。アルファロメオやBMWを手がけるイタリアのデザイナーとコラボレーションし、車のボディのようなスタイリッシュな流線型のフォルムが世界中で話題を呼んだ。
機能面でも充実しており、座ったまま座席の高さを変えられるという機能は日本初だった。そして、人間工学にもとづき、背もたれを倒すと座面も後方に傾くといった、疲れを軽減させる設計になっている。
オフィスチェアは1万脚売れればヒットと言われる中、このコンテッサシリーズは累計50万脚を売り上げたのだという。
音楽プロダクションのエイベックスやIT企業のヤフーなどは、オカムラのオフィス家具をほぼ全面に採用している。なぜこのようにオカムラが選ばれているのか。
そこには、アクティビティ・ベースド・ワーキング、すなわち仕事に応じて場所を変えていくという発想のもとにオフィス家具を設計し、それが信頼されているからである。
またオカムラの家具はオフィスだけではなく、学校などの教育施設や歌舞伎座などの文化施設でも採用されている。
耐久性にこだわるオカムラの歴史
神奈川県横浜市西区に本社を構える株式会社オカムラは社員数3,347人、年商は約2,368億円を誇る。生産拠点は国内に7拠点、支店は93拠点ある。さらに海外には12拠点を展開している。
オカムラが強みとしているのが一貫した自社製造で、おしりに敷かれるクッションまでも自社で製造している。特に評判が高いのがその耐久性である。その耐久性を試す実験では、約10万回の試験を行っており、これによって10年間耐久できるかを試しているのである。
ここまで耐久性にこだわるには理由があった。
1945年10月創業の岡村製作所。創業者は吉原謙二郎氏と終戦で職を失った飛行機の技術者たちだった。まさに焼け野原からの出発だった。最初は、航空機の材料だった鉄などを活用して鍋釜を製造して販売していた。
しかし、その傍らで飛行機の製造も行っており、1953年には小型飛行機の開発に成功した。コストがかかって事業化はできなかったが、さらにその2年後には自動車も開発した。この自動車は販売までこぎつけたという。
しかし、まだまだ自動車は日本国内で普及しておらず資金力が足らず事業化には至らなかった。莫大なコストがかかる事業の資金回収目処が立たず、1960年に自動車”ミカサツーリング”の生産は打ち切りとなった。
その時目を向けたのがオフィス家具だった。昭和30年代当時、オフィスは木の机と椅子が一般的だったが、スチール製のオフィス家具を作り精度と耐久性を売りにして売り出すとそれが大ヒット。高度経済成長期という時代も相まって、オフィス家具の需要が拡大した。
人に優しい環境づくりを手助けするオカムラの商品
オカムラは航空機の製造、自動車の製造、オフィス家具の製造など多岐にわたる製品の開発を手掛けた経験をもとに、多岐にわたる事業を展開している。
そのひとつが物流システム機器の製造である。
オカムラの物流システム機器を導入しているサンコーインダストリー株式会社では、約85万種類のネジを扱っており、その種類を分別するのに、オカムラが開発した巨大な棚を使っているのである。この棚はロータリーラックと呼ばれ自動的に棚が動き、商品が入ったコンテナを人の手元まで運ぶシステムが組み込まれている。このロータリーラックの導入によって、5倍の効率が発揮されたのだという。