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2018年5月27日放送の知られざるガリバー〜消費者の知らないエクセレントカンパニー〜は「アネスト岩田株式会社」の特集。
塗装機器メーカー大手のアネスト岩田株式会社
ニッチ市場を狙うアネスト岩田
さまざまなものに色を付ける塗装用機器を開発するアネスト岩田株式会社。中でもハンドスプレーガンの分野では国内シェアトップを誇る。日本初、世界初のさまざまな製品をこれまで開発してきた。ニッチを狙って製品の開発を続け、年商は現在328億円となっている。我々の生活にも身近なお菓子の色付けやアート用の製品にも手を広げるガリバー企業である。
ハンドスプレーガンで圧倒的なシェアを誇るアネスト岩田
神奈川県横浜市港北区の小高い場所に本社を構えるアネスト岩田株式会社。現在、10年にわたってアネスト岩田株式会社を率いているのが、代表取締役の壺田貴弘さんである。
アネスト岩田株式会社の主力製品は、霧状にして塗料を吹き付けるハンドスプレーガンである。国内の7割以上という圧倒的なシェアを誇っている。さらに、美しい流線型の九州新幹線の塗装に関してもアネスト岩田株式会社の塗装機器が使われている。
他にも部品の塗装にもアネスト岩田株式会社の製品が使われている。
また、塗料を吹き付けるには、空気を圧縮する必要があり、その圧縮空気を生み出すコンプレッサも主力製品のひとつとなっている。
1926年に創業したアネスト岩田株式会社は現在1,624人の従業員がおり、全国に35ヶ所の拠点を持っている。さらに、海外にも積極的に展開しており、現在世界20カ国以上に進出している。
代表の壺田貴弘さんは
塗装という分野は非常にニッチであり、大きな企業もそれほどない。その中でトップメーカーであるということは高収益を生み出せるし価格を維持することができる
とニッチであることの強みを語る。
アネスト岩田が製造しているハンドスプレーガンには、Vスリットノズルというものがついている。これは、塗料を霧状に吹き出す際に通るノズルの部分であるが、このノズルの形状が他社とは大きく異なり、ここがアネスト岩田の一番の特徴であるという。
通常のノズルは丸く切断されているのに対して、Vスリットノズルは切り込みが入っており、これによって、より細かい霧を広い噴射角度で吹き出すことができるのである。
日本初・世界初を開発し続けるアネスト岩田
アネスト岩田は、昭和に年号が変わった1926年、岩田初太郎と助蔵の兄弟が東京渋谷に岩田製作所を設立したことに端を発する。
当時は、タイプライターやラジオ部品の下請け製造を行っていたが、ある時、取引先からアメリカ製の高価なハンドスプレーガンを見せられ、安い価格で作れないかと依頼を受けた。
そして、作り直すこと数十回、1927年に国産初のハンドスプレーガンの開発に成功したのである。戦後も着々とハンドスプレーガンの改良を重ね、工場を拡大し、塗装機器のトップランナーとして成長を続けていった。1975年には、塗装作業を自動化する国内初の塗装ロボットを開発し、その後世界で初めてコンピュータ制御の塗装ロボットを開発するに至った。
そして、1999年に世界初のVスリットハンドスプレーガンを開発し、創業から90年以上にわたって、新たな製品を開発し続けてきたのである。
塗料メーカーとの連携
アネスト岩田は塗料メーカーとの連携も積極的に行っている。
例えば塗料メーカーの関西ペイントが新たに環境に優しい水性塗料を開発した際も、実際にアネスト岩田のハンドスプレーガンでうまく塗料を吹き付けることができるかのチェックを行っているのである。
特にノズル部分に関しては、塗料の特性によって、うまくでなかったりすることがあるため、どういった成分で塗料ができているのか、によって、ノズルをいちから作り上げることもあるのだという。