こんにちは。ひとりで.comです。
2018年6月7日放送のカンブリア宮殿は「親子の最強タッグで驚異のⅤ字回復!客満足のおせっかい宅配クリーニング」と題して東田ドライ 社長 東田勇一(とうだ ゆういち)&東田ドライ 専務 東田伸哉(とうだ しんや)が登場します。
ファストファッションの浸透や、家庭用洗濯機の高機能化等で、クリーニングを利用する客は年々減り続け、閉店に追い込まれる店も少なくない。クリーニング業界が斜陽産業へと傾く中、宅配クリーニングで急成長を遂げる会社がある。
兵庫県西脇市に拠点をおく「東田ドライ」だ。
町のクリーニング店としても地元客に絶大な信頼を集めるが、4年前に始めた宅配クリーニング「リナビス」もまた評判を呼び、全国的にファンが拡大。職人気質な社長の父親と、事実上経営を担う専務の息子の強力タッグで、ジリ貧だった業績をⅤ字回復させた。
手間暇を惜しまない「おせっかいクリーニング」で業績を上げる、逆転経営の全貌とは!?
客満足のおせっかい宅配クリーニング
【目次】
おばちゃんのおせっかいで客が満足。東田ドライのリナビス
最近人気急上昇の宅配クリーニングのサービス。その中でも人気なのがリナビスというサービスである。取次店はなくネットのみのサービスである。このサイトを見てみると、まっさきに
おせっかい
という文字が出てくる。
その名の通り、この宅配クリーニングのリナビスでは、頼んでもいないのにさまざまなサービスを凝らしてくれる。
例えば、Yシャツについていたカレーのシミ。頼んでもいないのにしみ抜きをしてくれたり、とれそうになっているタグの取りつけなど、良い意味でおせっかいサービスがされて返ってくるのである。
さらに、お得なのが、その料金設定である。通常のクリーニング店だと、衣類の種類によって料金が異なるが、リナビスの場合、商品個数で料金が設定されているため、ダウンやコートなどを10個頼んでも10,800円で済む。
リナビスはおせっかいとお値打ち価格で順調に会員を獲得しており、スタートから4年で会員は5万人に迫る。
兵庫県西脇市ののどかな場所にリナビスを運営する東田ドライがある。東田ドライは1963年の創業で地域住民から評判の昔ながらのクリーニング店といった感じである。しかし、今では売上の8割を宅配クリーニングが占めるようになっているという。
1日3,000着もの衣類が全国から東田ドライのクリーニング倉庫に送られてくる。その中身は、モンクレールやバーバリーといった有名ブランドの衣類も少なくない。
通常のクリーニング店では、一般的にドラム式の洗濯機を使っているが、東田ドライでは、静止型洗濯機というものを使用している。また田舎ならではの大きな敷地を活用して、24時間自然乾燥を行っている。仕上げのアイロンでは5人の女性が行っている。
こうした熟練の職人が東田ドライのクリーニングの品質を保っているのである。
東田ドライの経営は息子の東田伸哉さん(28歳)が行っている。この東田伸哉さんが、おせっかい宅配クリーニング、リナビスの生みの親である。会員数が増えたと同時に売上も伸び、8億円までに到達している。
東田ドライ、創業から発展…そしてファストファッションの台頭による衰退
1963年に創業した東田ドライは、現社長の父親である東田勇が、母はつみと始めたクリーニング店がきっかけだった。時代は高度経済成長真っ只中で、いろいろなファッションが流行し、東田ドライも着実に業績を伸ばしてきた。
現社長の東田勇一さんは跡継ぎ息子として育てられ、21歳でクリーニング職人の道に進んだ。父親が病に伏せたこともあり、20代後半で経営に携わることとなった。しかし、現場あがりの勇一さんは、経営よりも現場での技術磨きに没頭した。
東田ドライは丁寧な仕事が評判となり、兵庫県内に12店舗を展開するまでに広がった。しかし、そんな人気店に12年ほど前から暗雲が立ち込める。
それがファストファッションの台頭である。2,000円、3,000円という低価格の服が増えることによって、クリーニングを使う頻度が減っていったのである。
さらに、家庭用洗濯機が進化し、なんでも家で洗えるようになり、クリーニングの必要性が低下していったのである。
結果、全国のクリーニング店が衰退していったのである。
入社2年目の息子が見た衝撃の会社の状況
そんなクリーニング業界冬の時代に入社してきたのが、息子の東田伸哉さんである。最初の1年間は下積みとしてあらゆるクリーニングの技術を学んだ。時を同じくして結婚し、新婚旅行に言ったときの出来事が転機となる。
また、こんな旅行がしたいと思うがまた来れるのだろうか
と会社の経営状態が気になり、会社の決算報告書を確かめたのである。
当時10店舗を展開している状態で、年間の売上が1億5,200万円。もっと売上があるものだと思いこんでいたという。そして、800万円を越える赤字だった。
そして、東田伸哉さんはある決断をする…入社2年目で社員に対して
今日から父に代わって自分が経営をします
と宣言したのである。
東田伸哉さんは当時流行り始めていた宅配クリーニングに手を出し始めた。最初は何のメリットも打ち出せずにさっぱりお客さんも集まらなかった。
改めて、自分の会社を見つめ直し、アピールポイントを探した。
そこで気づいた最大の売りが「おせっかい」だったのである。
職人の気づかいや技術力をホームページに載せたところ、一気にアクセスが増えたのである。月ごとに4倍・5倍と増え、それに伴い宅配クリーニングのお客さんも増えていった。最初は喜んでいたが、大量に受注を受けすぎて対応しきれなくなってしまったのである。
そこで助けてくれたのが、長年働いてくれているおばちゃん達だった。自ら残業をかってでてくれ、その間に新たな社員を雇用しなんとか危機を乗り越えることができたのである。
東田ドライの注文をより多くとるための業務提携戦略
日に日に増していくクリーニングの依頼に対して、東田ドライが抱える工場では、全てをまかないきれなくなってきている。
東田ドライのコールセンターでも、注文が殺到しておりおまたせしてしまう、という案内をせざるを得ない状況が発生していた。
そこで東田伸哉さんが考えたのが、ライバルとの業務提携である。業務提携を行う場合には、品質の均一が求められ、どのクリーニング店でも良いわけではない。
また、東田ドライが普段から行っているおせっかいなしみ抜きやボタンつけも無料でやってもらわないといけないため、提携も一筋縄ではいかない。
現在、4社との業務提携をすすめており、これにより1日1,600着の衣類を多く取り扱えるようになる予定である。