こんにちは。ひとりで.comです。
2018年6月17日放送の知られざるガリバー〜消費者の知らないエクセレントカンパニー〜は株式会社イノアックコーポレーションの特集。
ウレタン、ゴム、プラスチック、、複合材をベースとした材料開発とその製品化により、身近な生活関連商品、コスメ用品から建築、自動車まで、暮らしに必要な様々な製品を生み出している「株式会社イノアックコーポレーション」。
その連結売上高は5,199億円!自由な発想と新たな素材を追求し続ける、発泡技術の開発・製造現場に密着!
ウレタン、ゴム、プラスチック、複合材の株式会社イノアックコーポレーション
我々の生活に身近な素材:ウレタンフォーム
台所のスポンジやブラジャーのパッドなど私達の身近なものに使われている素材、それがウレタンフォームである。今回紹介する株式会社イノアックコーポレーションはこの、ウレタンフォームを日本ではじめて製造した企業なのである。
家庭にあるキッチンスポンジは、発泡という化学反応によって作られる。発泡とは文字通り泡のこと。スポンジに弾力があるのは、この発泡の作用によるものである。スポンジの素材はポリオールとイソシアネート。この2つを組み合わせると化学反応が発生し、ウレタンフォームができるのである。
この化学反応を応用することによって、空気の入ったウレタン・ゴム・プラスチック・複合材などが作れる。この発泡素材で年商5,000億強を誇るのが、株式会社イノアックコーポレーションである。
株式会社イノアックコーポレーションのオーナーであり代表取締役CEOは井上聰一さんである。株式会社イノアックコーポレーションが作る素材は、ソファのクッションや、靴のインソール、無響室など、さまざまな用途で使われている。
また、より身近なものだと、化粧品のパフや、虫刺されのときに使うキンカンの密着部分にも使われている。
愛知県と東京都に本社を構える株式会社イノアックコーポレーションは社員数1,806人で海外現地法人は13カ国にあり、グループ会社は105社にものぼる。世界市場でグループを拡大させており、グループ全体では従業員は2万3,000人にもなる。その売上は5,199億円で、世界トップクラスである。
ドイツのバイエルから輸入したウレタンフォームで日本の産業に革新
株式会社イノアックコーポレーションの原点は昭和がはじまった1926年の井上護謨製造所からスタートする。この家で育った井上聰一さんは高度経済成長期がはじまろうとしていた1954年いドイツに渡った。
そこで訪れたのは、特殊なゴムの薬品で取引があったバイエル社で、化学工業でも当時から最先端を走っていた。そこで見たのが、当時開発されたばかりだったウレタンフォームだったのである。
どうにかして技術と原料を輸入したいと考えていたが、当時は政府の貿易制限がかかっており、輸入許可がおりなかった。それでも諦めず、
日本の産業に必要だ
と訴え続け、1955年ウレタンフォームの製造を開始したのである。
そのウレタンフォームが使われたのが小田急線のロマンスカーの座席のクッションである。さらに、マットレスを開発し新たな寝具としてヒットさせ、ウレタンフォームが日本の産業に欠かせないものとなったのである。
新たな素材の開発をし続けるイノアックの技術
株式会社イノアックコーポレーションの社名の由来は
イノベーション&アクション
である。その技術革新の中核を担っている研究所が神奈川県厚木に存在する。
最近、開発された新素材がピュアセルという極薄の発泡素材で、その薄さは0.06mmである。スマートフォンなどの電子機器に使われている。発泡技術によって、素材の3分の2が空気でできているため、軽く衝撃を吸収する素材となっている。
さらにフォレックというクリーンな素材の開発に成功し、食品トレイや医療の分野での利用が期待されている。