こんにちは。ひとりで.comです。
2018年6月24日放送の知られざるガリバー〜消費者の知らないエクセレントカンパニー〜はミネベアミツミ株式会社の特集。
「超精密加工技術」を武器にミニチュアサイズのボールベアリングで世界シェアトップを誇るミネベアミツミ株式会社。
そのボールベアリングの加工技術は、ハンドスピナーや腕時計など様々な製品に活かされています。М&Aにより新たな技術を手に入れ、総合精密部品メーカーへと発展したミネベアミツミ。
んな“新しい価値をつくる”ものづくりの真髄に迫ります!
超精密加工技術のミネベアミツミ株式会社
ミニチュアボールベアリングで世界シェアNo.1のミネビアミツミ
ミネベアミツミの主力製品のひとつが、ボールベアリングである。実物を見たことがあるという人は少ないだろう。
しかし、ハンドスピナーと言われるとどうだろう。
一度回すと数分間まわり続けるおもちゃだが、その軸の部分に使われているのがボールベアリングである。
ボールベアリングの軸の部分には鋼鉄のボールが入っており、そのボールが回ることによって、摩擦がなくなり回転運動の効率が高まるという仕組みである。つまり、ボールベアリングは高速回転させるのに不可欠な部品なのである。
例えばドローンのプロペラを回すモーターの部分、コピー機の紙を送るための部品など、身近な製品に使われているのである。
このボールベアリングの分野で世界シェアトップを誇るのがミネベアミツミなのである。
現在、会社を率いるのは、第9代 代表取締役会長兼社長の貝沼由久さんである。そんなミネベアミツミの強みの最大の特徴が、超精密加工技術である。
ボールベアリングは中に入っている鋼鉄の玉が真球に近ければ近いほど摩擦がなくなって、高速で回転する。ミネベアミツミでは高度な研磨技術で、ほぼ真球に近いものを作ることができるのである。
ミネベアミツミが開発した超高級ハンドスピナーはその精密さゆえ、一度回すと長時間回転し続ける。その長さは24分以上で、ギネス世界記録にも認定されるほどである。また直径5mmの世界最小のハンドスピナーも開発しており、これもギネス世界記録に認定されている。
積極的に行うM&Aで新たな価値を提供するミネビアミツミ
ベアリング以外にも次々に新しい技術を開発し続けるミネベアミツミ。もともとは1951年にミニチュアボールベアリング専門メーカーとしてスタートした。1960年には新たな販路を求めてアメリカに進出、そしてこの頃から力を入れ始めたのがM&Aである。
ミネベアミツミがM&Aを積極的に行っていくのには理由がある。そのひとつが時間である。新しい技術を創出して事業を育てていくには時間がかかるが、M&Aを行うことによって、その瞬間からある程度の歴史を買うことができる、そして人も集めることができる。
1970年代には、国内外で10社のM&Aを実行。従来持っていた技術と新たにM&Aで手に入れた技術を融合して新たな価値を作ることができるのである。例えば、パソコンに使われるキーボードのプラスチック成形技術もそのひとつである。
そんなミネベアミツミのスローガンは
Passion to Create Value through Difference
(常識を超えた「違い」で新しい価値を作る)である。
現在、年商8,800億円にもなり、製造拠点を世界17カ国64拠点、従業員数は約10万人にもなる。今年は最高益を達成したが、その背景には、ミネベアとミツミ電機の経営統合にある。実は、電気部品メーカーのミツミ電機は当時100億円の赤字を抱えていたが、貝沼由久社長に迷いはなかったという。
介護分野での新たな挑戦
ミネベアミツミがいま開発に力を入れているのが、高度センサー技術である。
例えば介護用ベッド。介護用ベッドに取りつけられているベッドセンサーシステムが、ベッドに寝ているだけで体重や呼吸の状態、寝ている位置をセンサーが感知し、詳細なデータがモニターに表示されるようになっている。
ベッドに取りつけられているのが、ひずみゲージと呼ばれる重さを感知する荷重センサーである。
この新製品が介護の現場で起きている人材不足の問題の解決を図ろうとしているのである。