こんにちは。ひとりで.comです。
2018年6月20日放送の未来世紀ジパングは「危機か?チャンスか?見えてきた”一帯一路”」と題してインド洋の楽園、モルディブで中国に頼りすぎる政府と市民の間で暴動が勃発していた。また、中国の一帯一路の要とも言えるマレーシアの東海岸鉄道は、マハティール首相の就任により中止に!
中国・習近平国家主席が進める経済圏構想「一帯一路」に異変が起きている。
「一帯一路」の重要な拠点であるインド洋のモルディブでは、中国からの巨額の債務をめぐり国民が反発。東南アジアの経済大国・マレーシアには、中国との関係を見直すという92歳のマハティール首相が復権。
一方、日本は今年、中国との関係改善を進め「一帯一路」に協力していく方針を固めている。ほころびも見え始めた「一帯一路」に日本はどう関わっていくのか?そして、中国とどう向き合っていくのか?
揺れる!?一帯一路
中国への依存度を高めるインド洋の楽園:モルディブ
インド洋の楽園、モルディブの首都マレ島。その広さはディズニーランドほどで、その中に13万人もの人が住んでいる。世界で最も人口過密な都市と言われている。
この島ではさらに都市開発が進められており、その多くを中国企業が手がけているのだという。この周辺を中国企業が手がけているのにはわけがある。それが、中国がすすめている一帯一路である。
観光以外の事業といえば、農業と漁業ぐらいしかなく、財政赤字が続いていた。そこに目をつけたのが中国である。資金援助と引き換えに一帯一路の協力を取りつけたのである。財政赤字のモルディブにとって、中国からの資金援助は渡りに船だった。それを取りつけたのが、現大統領のヤミーン氏である。
ところが、2018年2月、市民が暴動を起こした。この事態にヤミーン大統領は、非常事態宣言を発令し、市民の鎮圧に乗り出したのである。
市民によれば、ヤミーン大統領は独裁者で、三権分立国家であるにも関わらず、多くの実権者を次々に逮捕し、全ての権力がヤミーン大統領の配下になっているのだという。そんなヤミーン大統領が厚遇しているのが親中派の人たちである。
その中国との関係が市民の反発を招いているのである。
中国からの融資はあくまでも借金であり、中国からの巨額の借金ができあがってしまった。モルディブにおける対外債務の7割以上が中国のものとなっている。
中国との関係を見直すマレーシアのマハティール首相
東南アジアの重要なマーケットのひとつ、マレーシアは中国の一帯一路の重要拠点。中国の建設業者も押し寄せている。マレーシアの影響力拡大に中国人観光客も歓迎ムードとなっている。
中国の一帯一路の最重要拠点がクアラルンプールから車で1時間ほどの場所にあるクアンタン港である。ここに中国が総工費1,100億円をかけて埠頭を建設している。
さらにクアンタンでは、東海岸鉄道という鉄道を敷く壮大な計画が進められている。この東海岸鉄道は、タイからクアンタンを通り、クアラルンプールまで向かう、一帯一路の要となっている。総工費は約1兆5,800億円にものぼる。
しかし、ここに来て、この一帯一路構想が揺れに揺れている。2018年5月に行われた総選挙でマハティール首相が当選。中国寄りの前政権が進める政策に疑問を呈し、今回当選したのである。そして就任直後に一帯一路にメスを入れたのである。