こんにちは。ひとりで.comです。
2018年7月17日放送のガイアの夜明けは「外食王3~追跡!異次元サバイバル~」と題して立呑チェーン晩杯屋を傘下に収めた丸亀製麺のトリドール、パン屋の企画監修を行うジャパンベーカリーマーケティングのでぶぱん・70歳パン工場、人手不足で起死回生の一手、ナポリの窯を特集します。
世界有数のバラエティーと、ユニークさを誇る「外食大国・ニッポン」。人口減少時代を迎え国内では、消費者の厳しい選別にさらされている。慢性的な人手不足に陥る中、激烈な競争を勝ち抜き、長く愛される「外食王」に君臨するには、何が求められるのか?2017年3月からスタートしたシリーズ企画「外食王」第3弾!各社の驚きの知恵と創意工夫、異次元のサバイバルを追う。
外食王3~追跡!異次元サバイバル~
立呑の晩杯屋を傘下に収めた丸亀製麺のトリドール
セルフ式うどんチェーンの丸亀製麺。揚げたてのてんぷらと茹でたてのうどんが安く早く食べられるとあってサラリーマンやOLなどにも人気となっている。
丸亀製麺は2000年に兵庫県加古川市で創業し、これまでに国内でおよそ800店舗を展開している。しかし、最近国内の出店ペースには陰りが出てきた。そこで新たな業態への展開を検討していた。
そこで丸亀製麺を運営するトリドールホールディングスは新たな業態として立呑チェーンの「晩杯屋」を10億円で買収した。晩杯屋とはいったいどんなお店なのか。
メニューの8割が100円台と驚きの安さでいまサラリーマンから人気となっている。
晩杯屋を運営するのはアクティブソースという企業である。その社長の金子源さんは、トリドールホールディングスの本部を訪れていた。丸亀製麺の店舗開発チームと次の出店計画について打ち合わせをするためである。晩杯屋の月間の売上平均は400万円程度である。
アクティブソースの社長、金子源さんは高校卒業後7年間自衛隊に勤務していた異色の経歴の持ち主である。焼肉チェーンや市場で修行し、2009年に晩杯屋を開業した。そんな金子さんがトリドール傘下に入ったわけはスピードとリソースである。
トリドールと話すまえは一切傘下に入るつもりはなかったが、話をしてみて、これまで以上のスピードで、トリドールにある人材やノウハウを自由に使わせてもらえることがわかり出店のスピードを一気に早められると考え、即断したのだという。
2024年には500店舗を目指すという。
パン屋を専門にプロデュースするジャパンベーカリーマーケティング
北海道札幌にある「でぶぱん」。ここはコッペパンの専門店である。このお店、いつでも行列ができる人気店となっている。このお店を手がけたのは、ジャパンベーカリーマーケティングの社長、岸本拓也さん(43歳)である。これまで国内外に70店以上のベーカリーを企画・監修してきた。
共通しているのはインパクトのある店名と店構えである。店舗は視認性の高い場所を選び、お店で出す商品も特徴的なものを選ぶ。作り方・売り方・広め方もすべて計算ずくで行っているのである。
ジャパンベーカリーマーケティングの本社は横浜にある。社員は15名だが、店舗で使うメニュー表やポップなどもすべてジャパンベーカリーマーケティングがデザインまで手がける。店舗で出す商品も常に20品目以上は提案するのだという。地域ならではの具材を使うことが成功の秘訣だという。
社長の岸本拓也さんは大学を卒業後、横浜ベイシャラトンホテルに入社し、ベーカリーのマーケティングなどを担当した。その後、20代で独立し、横浜でベーカリーを開業。今でも1日50万以上を売る人気店となっている。
そして2013年に新規出店を支援するジャパンベーカリーマーケティングを設立した。
今回、新たな依頼として北九州にあるクラウン製パンという老舗のパン屋さんの再開発を受けることとなった。クラウン製パンは創業70周年の製パン会社で市内に直営店を3店舗持つ。荒生田店は周辺の商店街がなくなり、売上ピーク時の10分の1になっていたという。これを70周年を機に生まれ変わらせたいのだという。
クラウン製パンは長年、学校給食へのコッペパンを導入してきた。クラウン製パンがこれまで作ってきたコッペパンは、しっかり焦げ色をつけたものを作っていたが、今回の新店舗ではうすく焦げ色をつけたパンを用意する。職人は戸惑いの色を隠しきれなかった。
新店舗の名前は「70歳パン工場」というネーミングとなった。車で通る人が「なんだろう」と思うようなネーミングとした。
新装開店時には50人の大行列ができており、常連客からも上々の評価をもらうことができた。今でも週末の売上は20万円を超えるほどの売上になっている。
人手不足を解消するための一手:ナポリの窯
大手宅配ピザチェーンのナポリの窯。特に地方店舗の徳島中央店では、人材不足によってピザを作るのも店長、宅配をするのも店長というオペレーションになってしまっていた。
そんな状況の中、ナポリの窯を運営するストロベリーコーンの社長から、驚きの提案がでてきた。人手不足による売上減を解消するための持ち帰りピザ店を作ろうというのである。まずは、人手不足が深刻な徳島中央店は隣の市に移転させ、テイクアウト専門店としてオープンさせようと言うのである。
隣の小松島市にプレハブの小屋を作り、2.2坪のナポリの窯テイクアウト専門店が完成した。
2018年6月下旬にオープンしたナポリの窯テイクアウト専門店。初日の売上目標は15万円。オープンのため、本部からも応援がきてくれ、この日は4人でのオペレーションだったが、行列ができるほどの人気っぷりとなった。結果的に、初日の売上は目標のおよそ2倍の33万円となった。
世界でも有数の食のバラエティを誇る日本の外食業界。勢力図は目まぐるしく変わっている。新しいお店で人気が出てもすぐに競合に真似されたり、味や価格でシビアな消費者からは常に厳しい評価を受けている。
しかし、今回見てきたように、その日本ならではの厳しい環境が外食業界の進化にもつながっていた。次に新しいチャレンジをするのはどこか、外食王の戦いをおい続けていきたい。