[ガイアの夜明け]( ショーイチ / スマセル / ビームス )「余った服」で「福」が来る! – 2018年7月24日 –

ガイアの夜明け
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こんにちは。ひとりで.comです。

2018年7月24日放送のガイアの夜明けは「「余った服」で「福」が来る!」と題して在庫品を買い取るショーイチ、アパレル在庫マッチングサービスのスマセル、BEAMSが取り組む1点ものリメイクのビームスクチュールを特集する。

 

 

ファストファッションの台頭などで、様々な服がリーズナブルに買える時代になり、国内の服の供給量は37億点(2016年)と、ここ25年ほどで倍増している。

しかしその一方で、最終的には処分される「余った服」がたくさん出ているのも現実だ。そんな余った服を、様々な形で世に出し、再び「服」として”宝”に変えようという動きが出始めている。

「食品ロス」に続き「衣類ロス」ともいうべき問題にスポットを当て、そこに眠るビジネスチャンスをつかもうとする人々の挑戦を追う。

 

 

「余った服」で「福」が来る!

 

 

アパレルメーカーから余った服を買いタグを外して格安で販売するショーイチ

 

大阪市西成区にあるのショーイチという企業の倉庫。ここには日に何台もトラックがやってくる。その中にはダンボールがぎっちりと詰まっている。ダンボールの中にはまだタグがついた服が大量に入っている。

ショーイチの社長、山本昌一さんは、店舗やブランドなどで売れ残った服を定価の約10%ほどで買い取っているのだという。山本昌一さんは、学生時代にネットオークションの転売をはじめ、そのまま会社をおこしたのだという。2005年に創業し、実はガイアの夜明けでも9年前にも取材をしていた。

その当時は、年間150万着の服を買い取っていたのだが、それが今では4倍500万着以上を買い取っているのだという。大手アパレルメーカーを含む約600社と取引を行っているという。

その背景には、流行の目まぐるしい変化があった。アパレルメーカーは飽きられる前に次々に在庫処分のセールを行っているが、それでも在庫が残ってしまうのだという。

 

先週、イギリスの有名ブランドバーバリーが売れ残った服などを焼却処分していることが明らかとなったのは記憶に新しい。安売りでブランド価値の毀損を恐れてのことで過去1年間で約41億円相当に及ぶという。余った服を焼却処分するのは、アパレルメーカーでは暗黙のルールとなっていたのである。

 

償却されるぐらいだったら安く売りたい、とショーイチの社長、山本昌一さんのもとに毎日のように電話がかかってくるのだという。

 

ショーイチでは買い取った服はブランドのタグを取り、格安で販売を行う…それがアパレルメーカーとの約束だからである。”タグカット商品”と呼ばれる。さらにネットだけではなく、自社店舗も5年前から構え販売を行っている。こうして、今や年商12億円を稼いでいる。

 

 

 

法人向けのアパレル在庫マッチングサービス:スマセル

 

大阪の船場、江戸時代から繊維の町として栄えた場所である。ここに店舗を構えるフォーイットという企業は、独自の視点でアパレル商品を販売する企業である。アパレルメーカーでは昔から多く在庫を抱えることが慣例となっており、この店舗でも多くの商品が在庫として倉庫に残っていた。

この倉庫を訪れていたのが、株式会社ウィファブリックの社長福屋剛さんである。運営しているのは、インターネット上のサービス「スマセル」である。

このスマセルは、企業が余った服を登録でき、それを買いたいと思う企業をマッチングさせる法人向けのサービスである。このスマセルでは、

  • 一括購入のみ
  • チラシ、インターネットでの販売は禁止

など、販売条件を設定することができる。買い手の中でその条件でも良いという企業が落札するという仕組みとなっている。

 

買い手には例えばコメ兵といった、中古ブランド品の販売企業の大手も参加している。スマセルは開始から1年で大手商社やアパレルなど約1,500社が利用している。

株式会社ウィファブリックの社長福屋剛さんは以前、繊維を扱う商社に10年間勤務していた。当時担当していたのはタオルや寝具などえであったが、手塩にかけて販売される商品が廃棄されるという状況を見て企業を決意したのだという。

いま、力を入れているのが買い手の開拓である。特にグローバルに買い手を探すことに躍起になっている。

 

目指すはインドネシア。人口およそ2億6,000万人の国である。イスラム教徒の国で日本の文化が好きだという特徴がある。首都ジャカルタにあるタナアバン市場は東南アジア最大級の繊維市場で1万を超える業者が入居している。これだけいれば、スマセルの買い手になってくれる企業が見つかると踏んでいたのである。

しかし、仲を覗いてみると、人気ブランドの偽物が堂々と売られていたのである。ここでは、良い反応を得られることができなかったのである。

 

さらに、インドネシアで5年前に起業したキムテソンさんの元を訪れた。元楽天の社員でインドネシアでVIPプラザという通販サイトを運営している。会員は100万人以上とインドネシア国内で最大級である。

うまく利用し合えればお互いにメリットが出るかもしれない。イスラム教徒向けのアパレルは中国から大量に安いものが入ってきているため、価格が合わなかったり、気候も日本と異なるため、厚手の服は売れないのだという。

その中でもいくつかの商品に関しては取引が成立した。初めてインドネシアでの販売がスタートする。

 

 

BEAMSが始めた1点ものの商品、ビームスクチュール

 

若者向けの服や雑貨を販売するBEAMSが新たな取組を始めていた。それが、ビームスクチュールである。ビームスクチュールでは、余った服を組み合わせてデザイナーが1点ものの新たな服を作り上げるというのである。

どんな商品も、どうしても在庫として残ってしまうものがあり、それを組み合わせてこの世に1点しかない商品を作って販売しようというのである。

2017年10月からこのビームスクチュールの取り組みをスタートしており、これまでに約2,500点の商品を販売してきている。ビームスの通販サイトの他、新宿の店舗でも販売している。

 

この取組に興味を示したのが、イタリアのスポーツブランドのFILAである。ビームス以外のブランドと組むのは初めてだった。

 

 

我々は、流行やその時々にあった服を着てファッションを楽しんでいる。その裏側には、捨てられる服が大量にあることがわかった。しかし、今回見てきたようにアイディア次第で捨てられる服に新たな価値を見出すことができるとわかった。余った服を宝に変え、生産者にも消費者にも福を呼ぶ。そこに大きなビジネスチャンスが眠っている。

 

 

 

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