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2018年8月16日放送のカンブリア宮殿は「体も心もリフレッシュ!大人のための癒しリゾート」と題して時之栖(ときのすみか) 会長 庄司清和(しょうじ きよかず)さんが登場。
年間180万人が訪れる人気のテーマパーク「御殿場高原 時之栖(ときのすみか)」。コンセプトは、ズバリ「大人のための癒しの空間」。
東京ドーム7つ分の広大な敷地の中には、タイプが選べるホテルやレストラン、富士山を望む温泉をはじめ、座禅や写経ができる禅堂や、金魚専門の水族館、夜には噴水ショーなど心を和ます仕掛けも多い。
運営するのは静岡県内を中心に、40以上ものレジャー施設を手がける時之栖。創業者の庄司会長が目指すのは、「アトラクションで溢れかえった都会のテーマパークとは対極の空間」だ。
体も心もリフレッシュ!大人のための癒しリゾート
大人のための癒しリゾート
富士山の登山客が下山後に立ち寄る人気の施設がある。それが静岡県富士宮市にある「富嶽温泉 花の湯」。種類豊富な温泉と地ビールが評判。その地ビールを製造し、温泉を運営しているのは時之栖。
静岡県を中心にホテルや温浴など、40以上ものレジャー施設を手がけている。その本丸は「御殿場高原 時之栖」。禅や写経を体験できる施設、18歳未満入湯禁止の温泉、地域の食材が楽しめるレストランと、「大人のためのテーマパーク」が意識された作り。
この空間作りには、70代を中心としたシニア世代の従業員が一役買っており、彼らのマニュアルにはない気遣いやアイデアが、客の心をつかんでいる。そんな庄司会長も79歳。日頃から施設内をくまなく歩き、何が喜ばれるか日々考える。そんな独自のコンセプトで成長をつづける時之栖の全貌を追う。
波乱万丈の企業家が挑む地域の再建
1939年に静岡県裾野市の農家に生まれた庄司。東京農大を卒業後、食の洋食化が進んでいた時代背景を汲み取り、肉の加工品の製造を手掛ける「米久食品」を起業した。
生ハムを日本で初めて売り出すなど、「世の中にない新しい商品で、客に感動を」というコンセプトのもと成長。1969年には東証一部に上場した。
そんな折、静岡県を地場とする大手スーパー「ヤオハン」が経営危機に。
庄司は会社・個人の双方で同社を支援したが結局は倒産し、自身の自社株を売却して会社への損失を補填し、責任をとって米久を去った。
この一件は、残念な結果に終わった一方、周囲から「最後まで逃げない人」と信用を得ることにつながった。それは20年経った今でも変わらず、庄司会長のもとには静岡県内の傾きかけた企業や地域の公的な施設から頻繁に再建の相談が来る。
サッカー合宿が生み出す地域経済
時之栖は、御殿場のほか、静岡県内で23面の本格的なサッカーグラウンドを運営している。隣接する場所には、ホテルやトレーニングルームもあり、「合宿をするにはもってこい」と、日本代表チームやプロチームをはじめ、高校・大学の強豪校なども訪れる。大人数が合宿で訪れると、時之栖にとってはホテルやレストランの稼働率を上げることになり大きなプラスを生み出す。
庄司会長の狙いはもう一つ先にある。「多くの人が集まると、地域の飲食店や土産物店など、まわりの経済もプラスになる」という思いもある。そして「いずれかはサッカーだけでなく、他のスポーツにもこのモデルを活かしたい」と語る。79歳でもまだまだ衰えぬベンチャースピリット。その視線の先にはまだまだ大きな夢が広がる。