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2018年9月2日放送の知られざるガリバー〜消費者の知らないエクセレントカンパニー〜は土木・建設用エンジンコンプレッサ国内シェアナンバーワンの北越工業が登場。
「土木・建設用エンジンコンプレッサ」国内シェアナンバーワンの北越工業。
看板商品「エアマン」は、日本にとどまらず世界のあらゆる現場で使用され、世界のインフラ開発の最前線で活躍している。
「部品から完成品までを全て一貫製造」を貫き、変わり続ける時代の中で、変わらない価値を作り続けるモノ作りの真髄に迫る。
「土木・建設用エンジンコンプレッサ」国内シェアナンバーワンの北越工業。
空気で砕くコンプレッサ
下記画像の右上の装置…これはコンプレッサといって、工事現場でよく見かけるものである。工事現場で石を砕いたりする機械を動かすのに用いるのだが、実はこれは空気を活用して動かしているのをご存知だろうか。
外から空気を取り込んで、装置の中で圧縮して送り出す。その空気はコンクリートを砕くほどの力を作り出しているのである。
一貫生産と開発力が強みの北越工業
千葉県の幕張メッセで開かれていた産業技術品の展示会「関東グランドフェア2018」では北越工業が大きなブースを出展していた。その中では、発電機や大型コンプレッサ、さらに悪天候にも耐える頑丈なコンプレッサなどが展示されていた。
現在、北越工業を牽引するのは3年前からトップにたつ代表取締役社長の寺尾正義さん。コンプレッサの国内シェアNo.1を誇るその強みについて寺尾社長は、鋳物から完成品まで一貫して生産をしていることだと語る。そして、もうひとつがそのときに必要な製品をタイムリーに開発してきたその開発力だという。
新潟県燕市に本社を置く北越工業は従業員652人、売上高は350億円にもなる。土木・建設用エンジンコンプレッサで国内シェア8割を誇るガリバー企業である。国内で生産される製品の約4割は海外への製品として生産されている。
コンプレッサの核となるのがスクリュロータと呼ばれる回転軸の部分である。この部分に空気が送られ、回転するとともに空気が圧縮されることによって、大きな力を生み出すことが出来るのである。このスクリュロータを作る正確な技術こそが北越工業の強みでもある。
建設需要の激減から復活を遂げた北越工業
北越工業は前身である1938年地蔵堂鋳物工業所から端を発する。日中戦争の最中だった当時、初代社長だった氏田万三郎氏は鋳物の技術が何に役立つかを考えていた。その中で、比較的需要があり、競合他社がいない事業としてコンプレッサを見つけたのであった。
空気を圧縮する技術を磨き、戦時中には特殊潜航艇にその技術が使われた。さらに、戦後の高度経済成長時には、北越工業のコンプレッサが大きな寄与を果たした。
しかし、高度経済成長が終わると、コンプレッサの需要は最盛期の3分の1まで落ち込んでしまったのである。そこで、他社と手を組み小さなショベルカーなどの開発にも手を出したが1990年以降のバブル崩壊後の不況の煽りで建設機械の需要も激減し経営に行き詰まってしまった。
1999年には、営業所の統廃合や役員などの賃金カットなども行われた。2001年からは経営健全化計画に着手し抜本的な経営改善に踏み切った。
そこからは自社生産の製品に一本化し、空気圧縮技術を活かした製品を強化したのである。