こんにちは。ひとりで.comです。
2018年9月23日放送の知られざるガリバー〜消費者の知らないエクセレントカンパニー〜はのウシオ電機の特集。
ただ“照らす”ための光ではなく、産業機器に組み込まれ、“機能”を持った光を発する産業用ランプで日本のトップシェアを誇るウシオ電機。
デジタル機器に欠かせない液晶パネルや半導体の製造工程で使われる光学装置には、紫外線や赤外線といった目に見えない光が使われている。日本の産業を陰から支え、人々の生活を豊かにすることを企業理念に進化を続けるモノ作りの真髄とは。
産業用ランプでトップシェアのウシオ電機
全ての色を表現することができるクセノンランプ
光にまつわる技術で社会に貢献するウシオ電機。私たちの生活に欠かせない光、そして過ごしやすい環境を提供する光。しかし、ウシオ電機が扱っている光はそういったものではない。主に産業用で使う光を作り上げる会社なのである。
コピー機や映像を映し出すプロジェクターに組み込まれて働く光。さまざまな用途に合わせた産業用ランプを製造しているのがウシオ電機である。
現在、ウシオ電機を牽引するのは、代表取締役社長の浜島健爾さん。
東京丸の内に本社を構えるウシオ電機は、従業員5,800名以上、国内に6拠点を構え、グループ会社は国内外に58社存在する。その年商は1,734億円にのぼる。
グループ全体で製造している産業用ランプの種類は約2,500種類にも及ぶ。例えばコピー機などに使われるランプ。これは印刷するための光である。変わったところでは、イカ釣り用のランプも開発している。照らすだけではない、さまざまなランプを世に送り出しているのである。
その中でも代表的なランプがクセノンランプである。クセノンランプには、キセノンガスが中に入っており、それを電気放電すると非常に色彩豊かな光を出すことができる。このクセノンランプが使われている代表的なものが、映画館のプロジェクターである。映画で非常に重要なのが色彩の再現である。実はランプの種類によって光の色も変わるのである。
例えば、LEDランプは青寄り光、ハロゲンランプはオレンジ色の光を発する。しかし、クセノンランプは色の偏りがなく、全ての色を表現することができるのである。現在、世界の映画館の65%がこのクセノンランプを利用している。
独立しニッチトップを狙ったウシオ電機
1964年、創業者の牛尾治朗さんは、ウシオ工業の電気事業部を独立させ、ウシオ電機を立ち上げた。しかし、過剰在庫を抱えた上に引き継いだ赤字もあり、前途多難な船出だった。それを乗り越える足がかりとなったのがクセノンランプだった。
手を広げずニッチトップを狙って、技術を高めていったことが功を奏し、新大阪駅前広場の照明にクセノンランプが採用されるに至った。そしてモノクロからカラーに移行した映画館でもクセノンランプが採用された。
そこから、目に見えない紫外線や赤外線といった分野にも進出。写真を現像する際の露光技術を活用することによって、半導体の配線を描くという技術の確立にも成功した。
光で洗う?ウシオ電機の光洗浄技術
そして、IT化が進み始めた1990年代に世界に先駆けて「エキシマ光洗浄装置」という革新的な製品を作り出した。これは例えば、液晶パネルの製造工程などに使われている。主に汚れが大敵な製造工程で光洗浄が行われている。
水素や炭素などの有機物(汚れ)に対して特殊な紫外線を当てると空気中の酸素と有機物が化学反応を起こし、それぞれの原子が結合し水蒸気や二酸化炭素になって空気中へ出ていく。その結果、表面には有機物がなくなるのである。
この光洗浄は、熱を発しないため、熱に弱いものや洗剤を使えないものを洗浄したい場合は、この紫外線を活用した洗浄が有効となるのである。