[知られざるガリバー] 「なんでも作る」島津製作所 – 2018年9月30日 —

知られざるガリバー 消費者が知らないエクセレントカンパニー
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こんにちは。ひとりで.comです。

2018年9月30日放送の知られざるガリバー〜消費者の知らないエクセレントカンパニー〜はの島津製作所の特集。

 

民間企業から初めて、ノーベル賞受賞者、田中耕一さんを輩出した島津製作所。

日本初、世界初の科学技術を次々と生み出し、計測機器や医療機器など様々な製品を作り上げている。そこにあるのは、明治の創業期からの「 なんでも作る」という企業精神。

現在は再生医療にも取り組むモノ作りの真髄とは?

 

「なんでも作る」島津製作所

 

見えないものを見えるようにする

 

寺社仏閣が立ち並ぶ古都、京都の一角に島津製作所の本社はあります。現在、島津製作所を牽引するのは、代表取締役社長の上田輝久さん。

島津製作所ではさまざまな分析・計測機器を製造販売しており、例えば、ガスクロマトグラフ質量分析計という機器は、物質を分離して成分構成を計測することができる。ワイン1滴から、果物の匂いやアルコールの匂い、腐敗臭まで計測することができる。これによって、品質管理や新商品の開発に使われている。

見えないものを見えるようにする

これこそが島津製作所の製品のキーワードである。

島津製作所
島津製作所

 

島津製作所の従業員はグループ全体で11,954人、国内に17ヶ所の支店・営業拠点を持ち、工場も7ヶ所持っている。売上高は3,765億円にものぼる。

医療機器や航空機器など幅広い分野の機械を手がけているが、最も売上の割合が大きいのが、計測機器である。そのラインナップは多彩で、モノの強度を測る機器や工場排水などの水質を調べるための水質分析計など、500種類以上にものぼる。

中には、工業製品の内側を見るX線装置も手がけている。

 

 

あらゆる分析機器を手がける島津製作所だが、その技術力を一躍世界に知らしめたのが2002年の田中耕一さんのノーベル化学賞受賞である。田中耕一さんは島津製作所のいち社員として分析を極め、タンパク質を壊さずにイオン化させ質量を精密に測定する方法を開発した。現在も社内の研究所を率いて、医療の分野で役立てる技術を研究中である。

 

 

科学技術に興味を持った創業者:島津源蔵

 

島津製作所の創業者である島津源蔵は江戸時代、京都で仏具を作っていた職人だった。しかし、明治に時代が変わると舎密局(せいみきょく)と呼ばれる理化学・工業技術の研究・普及を目的とした勧業教育施設が近所にでき、そこに通ううちに科学技術に興味を持った。

そして、1875年に島津製作所を創立した。島津源蔵がまず最初に手がけたのが、こどもが科学を学ぶための実験器具である。

その頃から

お客様次第で、どんな品物でも作ります

ということが謳われていた。

 

父の背中に魅せられた2代目の島津源蔵は、ものづくりに没頭した。当時は珍しい電気自動車を愛用し、科学技術の取り込みを積極的に行った。1896年には、日本でX線写真の撮影に成功し、国内初のX線撮影機を開発し実用化した。

 

 

島津製作所が力を入れる医療分野の機器

 

現在、特に力を入れているのが医療機器である。例えば血管撮影システム。カテーテル手術など長時間の使用を考え、放射線量を極力抑えているため、人に優しいと全国の病院で導入されている。

また、移動式のX線装置は、災害地域での活躍や海外からも注目され、人気の製品となっている。

 

さらに、医療界から注目されるガンの分野の医療機器にも進出している。

PETと呼ばれる検査薬を人に投与しがんに目印をつけて発見する装置があるが、島津製作所は国内で初めて乳房専用のPET装置「エルマンモ」を開発した。これまで乳がんは全身用のX線で検査しており、乳房でのガンの大きさが1cmほどないと発見することが難しかった。しかしエルマンモでは、乳房にフォーカスしてX線を取ることができるため、全身への負担もなく、より高い精度で乳がんの発見ができるようになったのである。

 

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