[カンブリア宮殿] ( 東洋ライスの金芽米 ) コメのおいしさ&健康革命!日本の農家を救う発明王 – 2017年6月8日

カンブリア宮殿
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こんにちは。ひとりで.comです。

2017年6月8日放送のカンブリア宮殿は「コメのおいしさ&健康革命!日本の農家を救う発明王」と題して東洋ライス 代表取締役社長 雜賀 慶二氏が登場。


東洋ライスのロウカット玄米については以下の記事を参照


 

お米の発明王:金芽米の東洋ライス

 

おいしくて栄養価も高い金芽米

 

「日本の棚田 百選」の1つ福島棚田がある長野県飯山市。ここで米農家をしている丸山さん。丹精込めて作ったお米を窯で炊くとそのおいしさがより際立つ。そんな米を守る大発明を本日は紹介する。

 

東京銀座になかなか予約が取れない大人気のお店がある。そこが、近畿大学水産研究所である。お客さんの目当ては、近大マグロである。近大マグロは近畿大学水産研究所が世界で初めて完全養殖に成功したクロマグロである。

 

近大マグロ
近大マグロ

 

このマグロとともに相性が良いのがお米である。この近畿大学水産研究所で使われているお米が「金芽米」である。料理人が30種類のお米からおいしさで評価した結果である。さらに金芽米はおいしさだけでないというのである。

 

そんな金芽米に惚れ込んだのは近畿大学水産研究所だけではない。健康志向で有名なタニタ食堂でもこの金芽米が使われているのである。ヘルシーメニューをうたったタニタ食堂の栄養補助に金芽米がひと役買っている。普通のお米と比較しても栄養価が異なるのである。

 




さらにこの金芽米はカロリー面でも白米と比較して低い。通常、白米100グラムでおよそ168キロカロリーのところ、金芽米は100グラム144キロカロリーとおよそ1割ほど低い。タニタ食堂の金芽米は「家でも食べたい」という要望に応えて、通販製品としても非常に人気が高い。

 

こういった流れもあり、お米の消費量が減少するなかで、金芽米の生産量はここ数年ぐっと伸びている。

金芽米 生産量
金芽米 生産量

 

この金芽米を作っているのは1社だけ。東洋ライスである。

 

 

 

 

お米の総合メーカー:東洋ライス

 


東洋ライスの本社は和歌山県にある。1961年、精米機器メーカーとしてスタートした東洋ライス。その後、1991年に米の加工事業にも進出した。米をおいしいご飯に変える会社である。

従業員は170人で売上は82億円という規模である。

 

金芽米はいったいどういったお米なのだろうか。

お米は産地や品種で味が決まるとされるが、それよりも大きいのは精米の仕方。金芽米はこれまで捨てていたぬかの美味しい部分を残しているので今までの精米方法よりも味が良くなる

と雑賀慶二社長は言う。

 

その特殊な精米方法とは…。

 

もみからもみ殻をとったのが玄米で、玄米の状態ではぬかと胚芽が残っている状態である。この玄米からぬかと胚芽をとったのが白米である。栄養価は玄米の方が高いが、おいしさは白米…というのが一般的である。

 

玄米と白米
玄米と白米

 

金芽米は白米以上においしく、玄米に近い栄養素を持つという。

その秘密は…

亜糊粉層

の存在である。

亜糊粉層とは、お米とぬかの間にある栄養分の高い部分である。亜糊粉層にはうまみ成分が多く、金芽米は白米と比較して甘みやうま味が白米の2割増しとなる。栄養面ではビタミンB1は7倍、腸内善玉菌を増やすオリゴ糖は12倍ある(米100グラムあたり)。

さらに、免疫力をアップさせるLPS(免疫ビタミン)を白米の6倍も含んでいるのである。

 

亜糊粉層
亜糊粉層

 

これだけ魅力的な亜糊粉層であるが、その厚さが0.01ミリとあって、これまでは残すことができなかった。その難題を東洋ライス は技術で乗り越えたのであった。

 

 

これまで確立していた精米の方法を根本から見直し、玄米から精米する際の削る機械の角度を調整し、亜糊粉層を残すやり方を確立したのである。構想から30年もかかって完成したのがこの製法である。そしてこれによって思わぬ副産物も出来た。

 

想定外に残った胚芽の底がビタミンB1やビタミンEを豊富に含んでおりその部分が金色に光っていることから金芽米という名前がついたのである。

 

精米機
精米機

 

雑賀慶二社長曰く…

白米…米偏に白と書いて粕(カス)と読む。一方玄米から米へんに健康の康と書いて糠と読む。本来栄養素が高い玄米から糠を取ってしまった白米は粕(カス)であり、病人が増えてしまうのは当たり前

だという。

 

 

 

 

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東洋ライス、雑賀社長の発明へのこだわり

 

1934年和歌山県生まれの雑賀社長。実家は精米機の修理を行う小さな工場だった。子供の頃からモーターなどがおもちゃ代わりだったという。そして20代にして発明の才能が開花する。

 

20代の頃実家の手伝いで、出張修理をしていたとき、雑賀氏は客のこんな怒鳴り声を聞く。

「ここで買った米に石が入っていて歯がかけてしまった。どうしてくれるんだ!」

当時は米に小石が混ざっていることがあった。米と石の分別ができていなかったのである。雑賀氏は取引先の精米機メーカーに石を取り除く機械が作れないかと聞いてみたが、

もう何十年も何百年も小石が混ざった米を食べているので、どうにかなるもんだったらとっくになっている

と言われたという。

 

それなら…と自分で石抜きの方法を考え抜き、石抜き機の試作機を作り上げた。この試作機をもって雑賀氏は米屋さんをまわった。1961年、27歳のときにこの石抜き機を完成させると、全国の精米機メーカーが殺到。

その儲けで小さな町工場は大きな工場を持つメーカー、東洋精米機製作所に生まれ変わったのである。

 

今では一般的となっている「無洗米」。実はこれも東洋ライス の雑賀社長が発明したものである。通常、普通に精米したお米は洗わないとぬか臭くなってしまう。この原因は、米の表面に残っている肌ぬかというものの存在である。

肌ぬかは粘着性があるため、洗わずに取るのは不可能と言われてきた。

この肌ぬかの除去も15年かけて機械を発明し、1991年世界で初めて「無洗米」を発売するに至ったのである。

 


さらに無洗米の開発を通して、驚きの商品を開発した。それが、「米の精」である。米の精は肌ぬかから作られた東洋ライス 独自の有機肥料である。

 

米の精
米の精

 

有機農家に人気のこの米の精は、生産が追いつかない程であるという。米の精を使うことによって土の中にある麹菌や納豆菌、乳酸菌、酵母菌、放線菌といったさまざまな菌を活性化させる性質を持っている。この菌によって、土がふかふかになる。

またそれだけではなく、アミノ酸やビタミン、ミネラルといった養分も作り出してくれるのである。

これによって、米の精で育った野菜は瑞々しく根をしっかり張り、甘さも増すようになったという。

 

 

 

2016年7月、東洋ライス の米がギネス世界記録に認定された。

それは、最も高額なお米。1キロあたり11,304円と普通の米の約30倍である。これは独自の技術で作った6品種の米をブレンドさせたものである。

この値段にもかかわらず1ヶ月で275キロが完売した。

 

世界最高米
世界最高米

 

高い技術力で米の価値をあげる東洋ライス は、日本各地の農家と手を組み、米農家の後押しをし始めている。

 

鳥取県若桜町。山あいに棚田が広がる昔からの米の産地だが、近年はご多分に漏れず過疎化がすすみ米のつくり手は減る一方。米の生産量も減り続けていた。

 

しかし、5年前からその米の生産量がV字回復した。実はタニタ食堂の金芽米用に東洋ライスがこの土地のお米の買上げを始めたのである。

 

この他にも現在北海道・秋田・長野など20県以上約30種類の米を採用している。

 

そして、東洋ライス が今年から始めているのは無農薬の金芽米への取り組み。特に海外ではオーガニックという言葉が取り沙汰されおり、無農薬でお米を作る農家と積極的に提携をすすめている。東洋ライスもすでにアメリカ・イギリス・シンガポールなど11カ国への海外販路を切り開いている。