こんにちは。ひとりで.comです。
2017年8月6日放送のがっちりマンデーは「ガラガラだった「新日本プロレス」がちょっと復活!?どん底で破綻の「スカイマーク」もちょっと復活!?」と題してどん底からちょっと復活している企業を特集します。
前回の放送では、居酒屋の和民や英会話のNOVAを特集しました。
どん底からちょっと復活!新日本プロレス・スカイマーク
【目次】
元日本3位の航空会社スカイマーク
1998年に就航を開始したスカイマーク。当時は、JALやANAに続く航空会社として3番目の地位を保っていた。ところが、ピーチ・アビエーションやジェットスターといった格安航空会社LCCの参入などにおされ、購入予定だったエアバス6機分の支払いが滞り、2015年1月に民事再生法を適用させた。
それから2年半、スカイマークがちょっとだけ復活しているというのである。現在のスカイマークの会長は、投資会社のインテグラルの代表でもある企業再生のプロフェッショナル 佐山展生さんである。
民事再生法摘要時は150億円の赤字だったのが、2016年は15億円の黒字、今期は67億円の黒字を見込んでおり、見事に復活を果たしている。
スカイマークの改革①:コスト削減
神戸から米子、那覇から石垣・宮古島などの搭乗率の低い路線からの撤退を図り、搭乗率の高い、10都市の就航に絞り込んだのである。使用する飛行機もボーイング737 – 800型に統一することによって整備費の削減やパイロットや乗務員の育成にかかる経費などを削減することに成功した。
そのおかげで、羽田〜福岡間の片道普通正規運賃はJAL・ANAが43,600円に対して、スカイマークは30,190円と3割以上も安いのである。
スカイマークの改革②:出張族をねらえ
JAL・ANAの方が価格が高いのに、なぜスカイマークではなくJAL・ANAを選ぶのか…それは出張族の存在である。出張の場合、お金を払うのは会社で、マイルは個人にたまる仕組みになっている。
スカイマークにはマイレージの制度がなく、出張者はどうしてもJAL・ANAを選んでしまう。そこでスカイマークはコスト意識の高い会社と法人契約を結び、何回でも変更できて取消料も無料にすることによって法人客3,000社を開拓したのだという。
スカイマークの改革③:時間通りに出発
スカイマークのイメージを聞くと、「遅れる」「欠航する」というイメージがついてしまっている。そういった人たちに「何年前に乗りましたか?」と聞くと「5年前」と言われるのだという。
そのイメージを払拭するため、スカイマークは定時運行率日本一に徹底的に拘っているのだという。定時運行率とは、出発予定時刻15分以内に出発した便数の割合の事をいうが、スカイマークは昨年度日本に10社ある航空会社の中で3位を獲得している。
1位 | SFJ | スターフライヤー | 92.6% |
2位 | JAL | 日本航空 | 92.1% |
3位 | SKY | スカイマーク | 89.8% |
4位 | SNA | ソラシドエア | 89.1% |
5位 | ANA | 全日本空輸 | 89.0% |
6位 | JTA | 日本トランスオーシャン航空 | 87.8% |
7位 | ADO | エアドゥ | 86.1% |
8位 | VNL | バニラエア | 85.0% |
9位 | SJO | 春秋航空日本 | 82.6% |
10位 | JPP | ジェットスター | 79.5% |
スカイマークの改革④:サービス改革
2012年に物議を醸したのが、機内にあった
客室乗務員は収納の援助をいたしません
というひと言。
運賃の安さと安全を両立させるための苦肉の策だったのだが、世間からの非難を浴びる結果となった。
現在では、そういった事はなく、荷物の収納も積極的に行い、定時運行の一翼を担っているのである。そういった努力の甲斐もあり、全路線の搭乗率は2014年の66.86%から2016年には84.16%と17%以上もアップしている。
カタログ通販の老舗:ニッセン
ニッセンといえばカタログファッション通販誌の草分け。当時は10ジャンル年間2億冊を発行していた。ところが、2000年代からインターネットを使ったネットアパレル通販が台頭しニッセン の営業損益は急降下。2016年の決算では160億円の赤字となっていた。
さらに、それを受けて2016年に東証一部上場廃止となった。東証一部上場廃止となったばかりのニッセンが復活しているのだろうか。昨年9月に就任した脇田珠樹社長に話を聞いてみた。
カタログ通販がダメになってしまった要因として、お客さまの商品消費サイクルが非常に短くなった関係で、カタログを作る時間(およそ1年)にお客さまのニーズが追いつかなくなってしまったという。
現在10種類以上あったカタログを3種にまで絞り、ネット通販に力を入れていっている最中であるという。今年度の売上予想は、まだ黒字にはならないが−56億円を予想している。
その一反を担っているのが、SMILE LANDというカタログである。これは、レディースアパレルのラージサイズの商品カテゴリーである。このぽっちゃりアパレルはニッセン がパイオニアで既に15年作り続けているジャンルなのである。この分野での売上に手応えを感じていたニッセン は、全国9ヶ所でも実店舗を展開している。
究極のキャラクタービジネス:新日本プロレスリング
アントニオ猪木が設立した新日本プロレスが売上の絶頂期を迎えたのが今からちょうど20年前の1997年である。長州力や武藤敬司などが活躍していた時代でその時は39億円の年間売上を記録していた。
しかし、2000年代に入ると、K-1やPRIDEといった総合格闘技が大ブームとなり、プロレスの人気はあっという間に低迷してしまった。
その頃、プロレスは死んだ…とも言われていた。
そんな新日本プロレスが復活しているというので、平日の後楽園に行くと、客席は満席。更に女性客も増えていた。
2012年に年間12億円まで減少した売上も2016年には32億まで戻ってきている。
その立役者が木谷高明オーナー。実はこの木谷さんは、ブシロードの社長でもある。ブシロードとは、こどもに人気のヴァンガードシリーズなどの対戦型のカードゲームを販売しており、昨年度の売り上げは224億円となっている。木谷氏がオーナーになってから、売上が右肩あがりになっているのだという。
この復活劇には、ブシロードで培ったノウハウがしっかり活かされていた。
プロレスラーはゲームのキャラクターと一緒のため、よりお客さんに感情移入してもらうためにまず始めたのが、選手たちによるブログやTwitterといったSNSである。これによって、若い女性から「いいね!」などがつくようになり、女性からの人気が上昇したのである。
ちなみに、プロレス女子の事を通称”プ女子”と呼ばれる。
選手に人気が出てくるとグッズが売れ始め、現在グッズだけで年間10億の売上となっている。
さらに、ブシロード本体でもプロレス選手をキャラクターにしたカード(キングオブプロレスリング)を発売し、310万セットを売りあげる大ヒットとなった。