[未来世紀ジパング] 世界を救う”ニッポンの秘密兵器”– 2017年11月06日

未来世紀ジパング
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こんにちは。ひとりで.comです。

2017年11月06日放送の未来世紀ジパングは「世界を救う”ニッポンの秘密兵器”」と題して東南アジアの下水道の老朽化を救う北陵のメカモグ、モルドバのひょう被害を軽減させる日本気象協会の観測技術、モロッコの水不足を救う鳥取再資源化研究所のポーラスαを紹介する。

 

東ヨーロッパの小国モルドバを、空から降る”巨大ひょう”が襲っていた。その驚きの対策は、なんと雲にロケットを撃ちこむという。

そこに日本の気象技術が一役買っていた。一方、砂漠化の進むアフリカ・モロッコでは、日本の意外な技術が水不足を救っていた。

 

 

世界を救う”ニッポンの秘密兵器”

 

東南アジアのスコールを解決するかもしれない北陵のIMSメカモグ

 

成長著しいアジアの国マレーシアである事象が国を悩ませていた。それがスコールである。街が水没することもしばしば発生している。

その原因とされるのが下水道の老朽化である。つなぎ目がずれて汚水が流れ出てしまうのである。

そんな下水道の老朽化への救世主として日本の秘密兵器が活躍している。それが石川県小松市のメーカー北陵が開発した「下水道菅維持管理ロボット メカモグ」である。

北陵 メカモグ IMS
北陵 メカモグ IMS

 

マンホールの中に上記の機械を投入し、異常を検知する。異常を検知すると先端についているドリルで異常箇所を粉砕することができる。

仕組みは、この機械は遠隔で操縦することができ、機械自体にカメラがついている。そして異常を検知しドリルで粉砕するのである。これによって、道路を掘り起こさなくても下水道の修理が可能とあって、既に40の都道府県で導入されている。

 

 

 

モルドバのひょうの発生を予測する日本の気象予報技術

 

東ヨーロッパに位置するモルドバ共和国。1991年に旧ソ連から独立。首都はキシナウで人口は355万人の小さな国である。そんなモルドバは知る人ぞ知るワイン王国。

モルドバには、全長200kmにも及ぶワインセラーがある。ミレスチ・ミーチ社が開発した地下ワイン貯蔵庫で、およそ150万本のワインが貯蔵されている。その長さゆえギネス記録にも認定されている。

モルドバワインは実にその9割を海外に輸出している国内の一大産業である。近年、日本でも人気が高まっている。

 

そんなモルドバを悩ませているのがひょうである。近年の異常気象により、こぶしほどのひょうが降り、人に重傷を負わせたり、国の重要産業であるワインのもととなるぶどうの収穫にも影響を及ぼしている。その被害額は年間16億円になることもあるという。

モルドバ ひょう
モルドバ ひょう

モルドバではひょう対策チームを立ち上げ、ひょうが降りそうな雲に対してひょう対策ロケットを発射し、ひょうが発生しないように薬剤を散布し対策を打っている。通常、ひょうは積乱雲の中で発生するが、その積乱雲にひょう対策ロケットを打つと、積乱雲の中でロケットに仕込まれている薬剤が流れ出す。するとひょうは小さいまま落ちていくという仕組みである。こうして被害の軽減を図っているのである。

こうしたひょう対策ロケットが撃てる発射台を国内に115ヶ所設置している。

ひょう対策チームは、24時間体制で雨雲の様子を観測し、積乱雲の発生を常時監視している。積乱雲が発生しそうな箇所を見つけると、ひょう対策ロケットを発射し事前にひょう被害を防いでいるのである。

 

そんなひょう被害に立ち向かう日本人がいた。それが日本気象協会の飯田秀重さんである。

実はモルドバ、ヨーロッパでも最貧国で国民の平均月収は3万円ほどである。したがって、雨雲レーダーの解析技術も優れておらず、ひょう対策ロケットも効果的に撃てていないのだという。ロケット1発発射するのにおよそ3万円かかり、年間5,000発も発射しているのだという。

もし、レーダー解析の技術があがれば、このコスト効率もあがるだろうと期待されており、日本気象協会の飯田秀重さんに支援要請があったのである。

日本気象協会は気象予報のスペシャリスト集団。天気予報だけでなく、企業に気象情報を販売したり、防災などのコンサルタント事業も行っている。中でも特に優れているのが予測精度である。

 

日本気象協会の飯田秀重さんはモルドバの観測所を訪れ、システム全体を確認する…すると40年近く前から同じものを使っているのである。さらに、観測所のデータは旧ソ連製でデジタルデータを取り出せないようになっていたのである。

当初、デジタルデータを取り出し、それを日本のシステムで解析。それをモルドバに送ることで解析の精度をあげようとしていたが、それができないということがわかった。

そこで日本気象協会は、世界で流通している全地球の気象データを活用し、同社が持つ気象予測技術システム「シンフォス」を用いて解決しようと考えた。このシンフォスを使うことによって気象変動を6時間先まで予測することができるのである。これによってひょうの被害を30%ほども減らせるのではないかと考えている。

 

気象予測の技術は、天気予報だけでなく、さまざまな分野に活用できる。例えば、「豆腐指数」という言葉をご存知だろうか。実は豆腐の売上は天気と大きく相関があるのだという。特に気温が高くなる夏に冷奴や寄せ豆腐が売れるのであるが、より売れるのが、”前日より暑い日”なのだという。

そこで日本気象協会は豆腐メーカーとタッグを組んで、いつどれだけ豆腐が売れるかを気温の変化などから割り出しているのである。これが豆腐指数と言われるものである。これによって、食品ロスを30%減らすことができる。

 

日本気象協会による製品の売上予測については2017年9月のガイアの夜明けでも紹介されています。

 

 

他にもスポーツ支援にも気象技術が役立っている。冬のスポーツであるクロスカントリースキーでは、大会に気象技術者が同行し雪の気温を測定。その状況によってスキーの板に塗るワックスの種類を変えているのである。

 

 

 

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水不足のモロッコを救う:鳥取再資源化研究所のポーラスα

ポーラスα
ポーラスα

アフリカ大陸にあるモロッコ。日本の1.2倍の面積の場所に3,500万人が暮らしている。国民の99%がイスラム教の信者である。モロッコと言えば有名なのがサハラ砂漠である。国土の8割近くがほとんど雨が降らない乾燥地帯である。サハラ砂漠をラクダで歩くキャメルトレッキングが観光客に人気となっている。

そんなモロッコは、砂漠のイメージと打って変わって農業大国である。特にモロッコの伝統料理:タジン鍋にもよく使われるトマトは有名で世界のトマト輸出量第三位を誇る。

そんな農業大国モロッコが危機に襲われていた。

 

とある農業地帯に行くと、木の上にたくさんのヤギが登っていた。ヤギが木に登ってまで食べていたのがアルガンという実である。アルガンは化粧品や食用油として使われる「アルガンオイル」の原料である。

各地で水不足が深刻化しており、地面に草が生えない。それによってヤギは木に登ってアルガンの実を食べていたのである。

さらに水不足が各耕作地にも被害を及ぼしており、本来地下水を汲み上げて農作物を育てていたが、その地下水を貯めている池も枯れ始めていた。

 

この危機を救おうと日本企業がモロッコに訪れていた。鳥取再資源化研究所の狩野直之さんである。鳥取再資源化研究所の秘密兵器が「ポーラスα」という石のようなものである。

一見、穴のあいた軽石のようなものであるが、これが驚きの効果を発揮している。

 

このポーラスαは、廃ガラス(ガラスゴミ)を原料に作られおり、この廃ガラスを細かく砕き、そこに石灰や砕いた貝殻などを加える。それを板状にし釜で焼く。これを細かく砕くと発泡ガラスとなる。これがポーラスαの原料となる。

 

このポーラスαがものすごい水の吸収力を持っている。これを土の中に巻くことによって、使用する水の量を半分ほどに減らすことができるのである。

 

2001年創業の鳥取再資源化研究所は社員9名の小さな会社である。もともと発泡ガラスは土木用の資材として作られたものである。しかし、大きな技術の違いがないため各社が製造を行い、価格競争に陥ってしまった。そこで、発泡ガラスの踏むと大きな音が出るという特徴を活かして防犯用のジャリにしたところ防犯グッズとして大ヒットとなった。

 


ところが、この防犯ジャリも最終的には価格競争い陥ってしまったのである。そこで鳥取再資源化研究所は鳥取大学と共同研究をすすめ、優れた保水性があることを見出し、モロッコに進出したのである。既に10軒の大規模トマト農家と契約を結んでいる。

 

 

 

ナイジェリアで手抜き工事を見抜くハンマー:クボハンマー

 

クボハンマー
クボハンマー

 

さらにイマ注目されている日本の秘密兵器が、北海道の日東建設が開発したクボハンマーである。コンクリートの強度や劣化を計測できる。これがいまナイジェリアで活躍しているという。

ナイジェリアは鉄道が発達していないため、ほとんどの移動手段が自動車となっている。

 

しかし、自動車が通る橋や道路などが手抜き工事などが行われていることが多く頭を悩ませていた。そこでこのクボハンマーを使うことによって、誰でもその強度を図ることができるため、手抜き工事をされていないかチェックする道具として導入されているのである。