[ガイアの夜明け]( siroca / 長谷園 )シリーズ ニッポン家電の逆襲①「新参者」の挑戦 – 2018年4月3日

ガイアの夜明け
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こんにちは。ひとりで.comです。

2018年4月3日放送のガイアの夜明けは「 シリーズ ニッポン家電の逆襲①「新参者」の挑戦」と題して家電ベンチャーsirocaが伝統的な伊賀焼の窯元 長谷園とタッグを組んで作るかまどさん電気の開発秘話を特集します。

 

2010年代に入り日本の家電業界は大きく変わった。

三洋電機は消滅、シャープは台湾・鴻海傘下に入り、東芝の白物家電は中国・美的グループ、テレビ事業は中国・ハイセンスへと譲渡された。

無駄に規模を拡大、必要以上の高機能化は消費者に飽きられ、さらには価格で中国・韓国メーカーに負けた。

その一方でここ数年、家電系ベンチャーが続々と登場、存在感を増している。消費者が本当に欲しい機能に特化した家電は人気を集め、価格が高くても売れている。大手家電メーカーに真似できない、新興家電メーカーは、主役となりうるのか?

斬新な「新家電」作りを独占取材で追った。

 

 

シリーズ ニッポン家電の逆襲①「新参者」の挑戦

 

人気の土鍋:かまどさん

かまどさん
かまどさん

かまどさんという炊飯土鍋をご存知だろうか?専門雑誌「家電批評」でも大手炊飯器を抑え1位を獲得しており、累計80万個の売上を記録している。

※長谷園に関しては、以前カンブリア宮殿でも特集されています。

 

このかまどさんを製造しているのが、三重県の伊賀焼の窯元である長谷園である。江戸末期の天保3年(1832年)に創業した長谷園。現在の当主は7代目の長谷優磁さん(78歳)である。

 

7代目の長谷優磁さんは

時代や文明が変わっていく中で陶器は飾り物で止まっていてはダメ。使い手が、こんなものあったら良いのにと思うものを作っていくことが使命だと思っている

と語る。

 

このかまどさんは長谷優磁さんが3,000個の試作品を経て完成させたものである。

伊賀の一帯は昔、琵琶湖が広がっており、動植物の遺骸が含まれる「古琵琶湖層」の土を利用している。これを土鍋にすると動植物の遺骸跡が気孔になり蓄熱や水分調整の役割を果たすため、美味しいご飯が焼けるのだという。

 

かまどさんはガスの日でしかご飯を炊くことができなかったため、オール電化でも対応できるような製品の開発を夢見ていたのである。

 

 

 

siroca×長谷園で家電版かまどさんを!

 

そこで、その製品化を託したのがsirocaというベンチャー企業である。sirocaは2010年創業で、社員97人、年間売上44億円である。

 

sirocaは全自動コーヒーメーカーオーブントースターなど人気の家電を排出している。

 

 

長谷園と共同で開発を進めていた土鍋炊飯器はこれまで4年もの歳月をかけて進めてきた。この土鍋炊飯器 の開発責任者は佐藤一威さん(41歳)。開発してはご飯を炊き、味を確かめる…この地道な作業をこれまで何百回と繰り返してきた。

 

長谷園はなぜ多くの家電メーカーの中からsirocaを共同開発のパートナーとして選んだのか…。大手家電メーカーからの誘いもあったというが、大手の場合、電気効率を謳い文句にしたりと、本来のコメの味を追求するところから少しずれているという印象を持ったのだという。

通常、大手が手がける炊飯器は、温度制御ができるように渦巻状のコイルを使ったIHヒーターで温める。しかし、IHヒーターだと金属の釜しかあたためることができない。

そこで採用したのがシーズヒーターである。シーズヒーターは電熱線が埋め込まれただけの原始的な仕組みである。この電熱線でいかに釜の温度を制御するかが商品のポイントとなる。

 

シーズヒーターは鉄でできているため、土鍋のザラザラした部分とこすれると鉄が削れてそこからサビができてしまう。そこで素材をステンレスに変更し、セラミック補強を施すことにしたのである。

しかし、鉄からステンレスに変更したことによって、これまでの炊飯の方法では焦げができてしまうという問題が出てきてしまったのである。炊飯プログラムの作り直しである。

 

焦げを減らそう火力を下げると今までの甘さがなくなり、火力をあげると焦げてしまう…といういたちごっこが起こってしまった。開発担当者の佐藤さん、この問題をどのように解決しようというのか…。

これまで、釜底を一気に約190度まで加熱していたのを、130度を上限としてゆっくり加熱する方式にプログラムを変更することで焦げを防ぐ方法とした。これによって、長谷優磁さんも納得するかまどさん と同等の炊飯ができる土鍋炊飯器を完成させることが出来た。

 

 

 

作りての想いを伝える営業マンの奮闘

かまどさん電気
かまどさん電気

こうして完成した土鍋炊飯器、名前はかまどさん電気という名称で79,800円で販売することが決定した。これまでのsirocaの中で一番高い商品となった。

 

二子玉川にある蔦屋家電では、ユニークな厳選した家電だけを取り揃えている。この蔦屋家電では、バーミキュラ ライスポットというライバル商品も置かれていた。

 

週末に百貨店などで行った予約販売会では、目標の43台に対して実績は15台と厳しい結果だった。その要因として商品説明の準備不足を挙げていた。

これまで主に格安の家電商品を販売してきたsirocaが初めて取り扱う高級白物家電だったこともあり、その売り方に営業マンは戸惑ってしまったのである。

 

そこで営業マンたちは、実際の伊賀焼が作られている長谷園へ見学に訪れた。そこで目の当たりにした作り手のこだわり。

美味しいご飯が作り出す楽しい食卓

改めて商品に込められた想いを知り、営業の方法の改善に役立てます。

 

こうして、本格的にかまどさん電気の発売が開始され、3月・4月分の精算分7,500台の出荷先が決定した。

 

 

かつては日本のお家芸だった家電製品。中国や韓国の家電メーカーが躍進する中、新しい日本の家電メーカーも続々と登場している。大手メーカーと違い、彼らが手がけるのは本当に必要な機能にこだわった斬新な家電。それは世界でも通用する可能性を秘めている。

日本の家電製品を更に進化させていけるか、新参者たちの挑戦に注目させていきたい。

 

 

 

 

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