[ガイアの夜明け]( ライスジュレ / ベジート )”新食材”で起死回生! – 2018年6月19日 –

ガイアの夜明け
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こんにちは。ひとりで.comです。

2018年6月19日放送のガイアの夜明けは「”新食材”で起死回生!」と題して農機具メーカーのヤンマーがチャレンジするお米を使ったグルテンフリー食材のライスジュレ、規格外の野菜を使ったインスタ映えする野菜シート、ベジートを特集します。

日本人に馴染み深い野菜や米。農家や売り手はあの手この手で消費を増やそうとするが、なかなかうまくいっていないのが現状だ。そんな中、野菜や米を使った新たな”食材”が誕生している。

「野菜」を紙状にした”野菜シート”や、「米」から作った新食感の”ライスジュレ”。開発したのは、地方の中小企業や大手機械メーカーだ。

天然でしかもヘルシーな食材を生み出して食ビジネスに挑戦する。驚きの”新食材”は、新たな市場を切り開き、日本の農家を救う “起死回生”の切り札となるのだろうか。

 

“新食材”で起死回生!

 

 

 

グルテンフリーの新食感:ライスジュレ

 

東京二子玉川、ここにタマクーヘンという話題のカフェがある。2018年4月のオープン以来、店内は常に満席の状態である。このカフェで使っている食材は全て小麦粉を使わないグルテンフリー。グルテンフリーは小麦アレルギーの人だけでなく近年では健康志向の人にもうけている。一般的にグルテンフリーと言うと、米粉が使われているが、ここのパンは米粉ではないある新食材が使われている。

それが

ライスジュレ

である。

コメから作られた新食材である。このライスジュレが使われているのはパンだけではない。大阪の豚玉が人気のお店では、お好み焼きの合わせにライスジュレを使用している。

 

 

 

ライスジュレの生みの親:農機具メーカーのヤンマー

 

農機具メーカーのヤンマー。米作りに欠かせないトラクターなどで国内シェア2位となっている。しかし、日本のコメ消費量の減少に伴い、農機具の需要も減っている。そこでコメに注目して新たな食材を作り出そうと乗り出したのである。

ライスジュレは、高アミロース米という特殊な米から作られている。でんぷんの成分であるアミロースがコシヒカリの約16%に対して、高アミロース米は約25%と1.5倍含まれている。見た目は普通の米と変わらないが、ミキサーで撹拌すると粘り気の多いライスジュレになるのだ。さらに、水分量を変えることで、固さも変えられるため、さまざまな料理に応用することができるのだという。

このライスジュレをヤンマーは2017年から本格販売している。

 

発売間もないライスジュレの課題は、知名度。さまざまな食材に使えることをアピールしてライスジュレの普及をしていきたいと考えているのだという。ライスジュレの用途はさまざまなで、ハンバーグやシュークリーム、クリームシチューなどにも利用できる。

 

ライスジュレの責任者である橋本さんは、ヤンマーアグリイノベーションというヤンマーの子会社の社長を務めている。2010年から社内ベンチャーとして立ち上げ8人の社員を率いている。新しい農業の形を模索するのが、ヤンマーアグリイノベーションの理念である。

 

 

石屋製菓からの引き合い

 

しかし、2017年の実績を見ると、興味を持った企業に対して、成約に至った企業は約3割という厳しい結果となっていた。やはり、もっと早く認知のスピードを早くしていかないと…と考えていた。

そこで、思ってもない企業からの引き合いがあった。それが、石屋製菓である。石屋製菓と言えば、北海道でも有数の企業で、あの「白い恋人」の生みの親の企業である。

 

石屋製菓では、新商品にライスジュレが使えないかと考えていたのである。有名企業に使ってもらえれば認知度は一気にあがるため、千載一遇のチャンスと考えていたのである。

 

石屋製菓も新商品にかけるにはある思いがあった。東京銀座にあるギンザシックスに店舗を構え東京初進出を果たしたばかり。しかし、白い恋人は北海道限定としており、目玉となる看板商品がなかったのである。そこでライスジュレに期待していたのである。

新商品として完成したのはライスジュレを使ったフィナンシェ。ギンザシックスで2018年8月から店頭に並ぶ予定となっている。

 

 

規格外商品で新商品を…

 

少しの傷や少し曲がっただけで出荷できなくなってしまう規格外の野菜。いま、この規格外の野菜を使って新たな食材や商品を作るという動きが進んでいる。

そのひとつがおやさいクレヨンである。

規格外となったさまざまな野菜を粉末にし、米ぬかから取れる油を使って混ぜ合わせ、クレヨンの形にする。天然素材で作られているので、口にいれても害がない。10本セットで2,000円と少々高価だが、発売から4年で10万セットを売り上げる大ヒット商品となっている。

 

 

規格外商品で作った野菜シート:ベジート

 

そして、さらに注目されているのが、野菜シートである。この野菜シートはベジートという商品名で売られており、長崎県のアイルという企業が開発したものである。その厚さは0.1ミリで食べやすいとあって、人気の食材となっている。

ベジート
ベジート

ベジートを製造するアイルは社員7名ほどの小さな会社である。ベジートは野菜をペースト状にして、寒天を入れる。そして、海苔の製法からヒントを得た乾燥機を使って、シート状に仕上げていく。この乾燥の工程は特許の観点からも非公開としている。

 

製造できるのは1日6,000枚ほどである。このベジートを開発したのが、アイルの社長である早田圭介さんである。24年前に父親の食品卸会社を継いだが、売上の減少に苦しんでおり、新サービスの模索を繰り返した。

そして、海苔の製法からヒントを得て、約20年もの歳月研究を繰り返し2017年にようやく量産化に成功したのである。

 

 

イトーヨカドーでベジートの販売を拡大

 

現在大手スーパーのイトーヨーカドー6店舗で試験的に販売を行っている。しかし、予想以上の反響となっており、売上が50倍以上になっているのだという。そこで、首都圏の店舗に拡大し、その後全国に拡大していきたいというのである。

 

工場はフル稼働の体制に整え、これまでの3倍以上の1日20,000枚を生産できる体制を作り上げた。このベジートは若い女性の中でネットで大反響となっており、インスタ映えする新食材として注目を集めている。

 

米や野菜といった、昔から日本人が馴染んできた食材。しかしそれを作る農家は減る一方である。いかに農作物の消費を増やし、無駄をなくしていくか、新たな市場を開くべく生まれたこれらの新食材。日本の農家を救う起死回生のヒントになるのかもしれない。

 

 

 

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