こんにちは。ひとりで.comです。
2017年9月26日放送のガイアの夜明けは「便利で快適!買い物革命」と題してインターネットでの買い物が勢いを増す中で、店舗や現場での買い物の楽しさを追求する各企業に密着する。
インターネット販売におされ、店に客が来ない…。
魅力的な商品を取りそろえて客を呼び込んでも、店はショーウィンドウ代わりで、店頭で商品が売れない。いま小売りの現場が共通して抱える悩みだ。
いわゆるリアル店舗の苦戦が様々な場面で伝えられるなか、モノを売るための新たな動きが出てきた。大手スーパーのイオンでは新しいスーパーのカタチとして、外食事業に乗り出した。
またアパレルのGUは、品揃えを充実させた超大型店を新たに仕掛ける。売り場と売り方ともに、〝売ること〟にとことんこだわった驚きの店舗づくりの裏側に密着。
一方、メガネチェーンのメガネスーパーは安売り競争から決別し、客の本当のニーズを捉えようとしていた。”モノが売れない時代”にあって、あの手この手で消費を喚起する…その挑戦を追った。
便利で快適!買い物革命
イオンの外食産業
兵庫県神戸市の再開発地区にある神戸ハーバーランドumie。そこにあるのがイオンスタイルというお店。イオンが展開する新型スーパーである。
もっとも力を入れているのが弁当や惣菜である。中には必要な量だけ買えるカレーやできたてのピザなど900種類の中から選ぶことができる。
さらにそれらを食べることができる260席ものイートインスペースもある。買った商品をすぐに食べられるため、地域の人の憩いの場になっていた。
この、神戸ハーバーランドumieのイオンでは、イオン自体が外食産業に進出しており、このモール内でもいくつも自社の外食事業を展開している。
いくつもの外食店舗を開いており、効率化を図るために洗い場を統一したり、サイドメニューを共通化するなどしてコスト削減を行っている。
成長が鈍化したGUが新たなコンセプトの新店舗をオープン!
ユニクロを展開するファーストリテイリングの兄弟ブランドであるGU。GUは旬のトレンドファッションを驚きの低価格で提供するというコンセプトのもと、店舗運営を行っている。
対象は10代〜30代の女性をターゲットとしている。
いまこのGUが変わろうとしているという。
※GUの新店舗については林先生が驚く初耳学でもその店長の教育法が紹介されていました。
GUは2006年にユニクロを運営するファーストリテイリングの柳井正社長が低価格を全面に打ち出し、スタートした。990円のジーンズは100万枚、体型を気にせず履けると人気のガウチョパンツは300万枚を記録した。
市場のトレンドを先読みし、数々の大ヒット商品を生み出し成長してきた。
しかし、2017年8月、業績の厳しい見通しが発表されたのである。その原因のひとつが、ネット通販の台頭である。
GUの社長である柚木治さん(52歳)は、記者の前で新たな戦略を発表した。それが、ネットに対抗した店舗での新しい体験である。
- 商品の大幅拡充
- 新しい顧客体験ができる超大型店
- ファッションマーケティングの強化
- EC強化と店舗を融合したサービス
の4つのコンセプトを掲げた。
買い物の楽しさを伝えることができる店舗をつくり、反転攻勢に出ようというのである。
その舞台となるのが、横浜の港北ニュータウンのノースポートモールという商業施設である。周辺の家族連れで賑わう大型のショッピングモールである。
この店舗にオープンするGUの店舗は820坪で全国にあるGU360店舗で最大の面積となる。
その店長に抜擢されたのが磯野莉衣さん(29歳)である。
2017年7月7日、GUの本社では新店舗のスタッフ向けにオープン時に目玉となる秋の新作の勉強会が開催されていた。低価格はそのままで、商品数を約2倍に拡充する予定である。
こうした商品を新店舗でどのように販売するのか…磯野莉衣さんの手腕にかかっている。
GUの売場は、同種類の商品を一箇所に集めて量を強調する単品集積という手法を取っている。しかし、見栄えはどこか倉庫のようで、ファッションに重要なコーディネートなどの組み合わせを表現しにくい事が単品集積の欠点だった。
それを新店舗ではどのように変えていくのか…それが課題である。
磯野莉衣さんはGUの新卒一期生として2011年に入社。販売現場で多くの経験を重ね、更なる成長を求め、今回の仕事には自ら手を挙げた。
磯野莉衣さんは新店舗を21の異なるテーマに区分けし、それぞれの売場に総勢200体を越えるマネキンを配置した。新店舗で力を入れたいのは、お客さんへの提案力。コーディネートを見せられるマネキンは強力な武器となるのである。
オープンまで20日に迫った日、トラブルが発生していた。これまでにない大型店舗のため、商品の仕入れが間に合わず、作業に大幅な遅れが生じていたのである。
新店舗の目玉のひとつが以下の「オシャレナビ・ミラー」である。このミラーに商品をかざすと、その商品の口コミやコーディネート例が見られる仕組みになっており、店舗におけるあたらしい顧客体験へのチャレンジである。
さらに、オシャレナビカートと呼ばれる新型のカートも導入。カートに付けられたタブレットから、在庫情報がひとめでわかったりスマホから投稿されたクチコミ情報も見ることができる。
シニアをターゲットに出張訪問販売でV字回復!メガネスーパー
10代から50代の実に8割以上がメガネを持っていると言う。そしてメガネ所有者の7割が複数のメガネを所有しているのである。
我々の生活の身近にあるメガネ。1970年代までは、街にあるメガネ屋さんでメガネを購入するのが主流だった。しかし、1980年代に入るとメガネチェーンが台頭してきた。その中での代表格と言えば、ふくろうのキャラクターでおなじみにメガネスーパーである。
※メガネスーパーについては2017年2月にがっちりマンデー!でも紹介されていました。
それからメガネスーパーは順調に成長を続け、2007年には売上高も過去最高の400億円弱を記録し、店舗数も541店舗まで拡大した。
しかしそれ以降、JINSやZoffといった低価格をウリにするメガネチェーン店が次々と表れ、メガネスーパーは8年連続で赤字に陥った。
ところが、最近のメガネスーパーはV字回復を果たしたという。いったいなにがあったのだろうか。
メガネスーパーでは競合に先駆けて店舗内にリラクゼーションルームを作ったのである。アロマを焚きリラックスできる空間でまず緊張をほぐしてもらうと、その後の視力検査がより正確なものになるのだという。
そして、最新の視力検査機によって、目の形や昼間と夜間の視力の違いを測定することができる。さらに、自分の眼の年齢まで知ることができる。
通常、メガネ店で行う検査は15項目ほどであるが、メガネスーパーでは、約35項目の検査を実施する。検査料は1,000円かかるが、これが人気なのだという。
メガネスーパーの品川本社では、全国の店長など100名以上を集め、星崎尚彦社長が売上などの状況を含め檄を飛ばす。
星崎尚彦社長は三井物産の出身でアパレル再建を担うなどの手腕が認められ2013年にメガネスーパーの社長に就任した。就任当初からある戦略を徹底してきたという。
メガネ業界は完全に二極化が起こっており、1万円以下の格安メガネ側と高付加価値側である。メガネスーパーは全方位外交はやめて、とにかく眼のトラブルを抱えている40代以上をターゲットとしているのである。
2008年から8期連続赤字だったが、一転して黒字に転換したのである。
メガネスーパーには外商グループという部署があり、その部署が今回、出張訪問サービスを展開しようとしていた。出張訪問サービスではメガネのクリーニングや修理、販売を施設に出向いて行うというものである。
現在、100の施設と提携を行っており、定期的に出張訪問サービスを行っている。この1年で3倍に増えた。社長からも需要が伸びている今だからこそ、さらに加速させよと発破をかけられた。
最新の技術を活かしたGUの新たな店舗、自らお客の元に出向く移動販売に力を入れるメガネスーパー。インターネットでの販売が勢いを増す中、実際の売場ではさまざまな取り組みが行われていることが今回わかった。
お客の立場に立って、買い物の楽しさを追求していく、小売の現場の競争はますます激しくなりそうである。