[ミライダネ]( SEAK / GRA / ミガキイチゴ ) ミライ技術で農業を救え! – 2017年11月11日

ミライダネ
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こんにちは。ひとりで.comです。

2017年11月11日放送のNEC presentsミライダネは「ミライ技術で農業を救え!」と題して、農業の世界ですすむミライ技術を特集します。

 

日本の農家の平均年齢は66.8歳(平成28年)、高齢化が進み跡継ぎもいない・・・そんな農業の現場を最新技術で変えるべく様々な取り組みを特集する。

新規参入者が苦労するのが農地の確保・・・でも農地の代わりに使って効率よく野菜を収穫できる魔法の袋とは!? 1粒1000円の高値がつく驚異のイチゴ!東日本大震災から復活をかけたハイテクイチゴ工場の秘密とは?

さらに農家の職人技を誰もが学べるようになる取り組みが全国で広がり始めていた・・・日本の農業を改革する挑戦者にフォーカス!

 

ミライ技術で農業を救え!

 

野菜づくりのコストと時間を圧倒的に削減したSEAK株式会社

 

神奈川県藤沢市にある農業ベンチャーSEAK株式会社では、一風変わった方法で野菜の栽培を行っている。それが、土の入った袋に苗を入れて栽培するという方法である。ここで収穫された野菜は、都内の高級スーパーで販売されている。

高級スーパーでも販売されるその1番の特徴は、袋の中の土に隠されている。袋の中の土は何種類かの土が配合されて作られている。

SEAK株式会社の社長、栗田紘さんは

土の種類は一般的なものであるが、粒の硬さや大きさの異なる土をブレンドすることで、根が広がりやすい状況を作り出している

のだという。

ストレスなく育つため、苦味やえぐ味がなくおいしい野菜に育つのだという。

さらに、品種や成長過程に併せ、博士号を持つ従業員が栄養素を配合し、与えている。

 

SEAK株式会社の社長、栗田紘さんはこの会社を始めるまで、農業に関してはシロウトだった。大学卒業後、広告代理店に勤め、その後電動車いすの会社WiLLに勤め、その後独立。独立したきっかけは、父親が体調を崩すなど、食に対して気を遣うことが多くなり、身近な人の食を変えていきたいと考え、会社設立に至ったのだという。

しかし、設立後借りられた農地は、荒れ放題の状態で、その土地を整備するのに莫大なコストと時間を要することがわかった。

そこで、袋の中に土を入れて栽培する今の方法を思いついたのだという。土はホームセンターなで買えるものを取り扱っているため、簡単に準備することができる。

結果、初期費用は3分の1で済んだのだという。

 

農業に携わる人の数は1965年の1,151万人から2016年の192万人とここ50年で6分の1にまで減少している。さらに高齢化が進んでおり、平均年齢は66.8歳となっており、危機的な状況となっている。

 

 

 

徹底した管理でブランドイチゴ(ミカギイチゴ)を栽培するGRA

 

東京新宿の百貨店で季節になると毎回話題になる果物がある。それが、1粒1,080円もするミカギイチゴというイチゴである。芳醇な香りと甘みが特徴。

 

※ミガキイチゴについては「ガイアの夜明け」でも紹介されています。

 

 

このミガキイチゴを作っているのは、宮城県山元町である。東京ドーム1個分の広大な敷地を使ってミガキイチゴを作るのが、農業法人GRAという企業である。

ミガキイチゴの品種はとちおとめやもういっこ、よつぼしなど一般的なもので、宝石のように磨き上げて作るという意味を込めて「ミガキイチゴ」とつけているという。

ミガキイチゴの大ヒットで会社の業績も絶好調だという。

 

農業法人GRAの代表、岩佐大輝さんは、2年前にこの農業法人GRA を立ち上げたがそれまで農業は未経験だったのだという。一体どうやってブランドイチゴを作り上げたのか…それが徹底したITシステムの活用である。

 

例えば、ビニルハウス内の湿度が下がると自動的にミストを散布したり、黒いカーテンが締まり自動的に夜の環境を作り出したりしている。

 

イチゴは日照時間が13時間以上になると花が咲かない。そこで、人工的に1日の日長(日照時間)を3時間ぐらい短くすることによって花を咲かせる工夫を行っている。

さらに光合成に必要な二酸化炭素の濃度が下がると、ハウス内に二酸化炭素を自動的に放出する。こうした細やかな管理をすることでおいしいイチゴを作ることができているのだという。

 

イチゴは、ある程度環境を作ってあげればそれなりに収穫できるまで育つのだが、本当においしいイチゴを作るためには、より細かな管理をして上げる必要があるのだという。熟練の農家でもできなかったこの方法をコンピュータを使って管理することで実現したのである。

 

 

農業法人GRAの代表、岩佐大輝さんは高校を卒業後、東京でITコンサルタント会社を起業した。しかし、2011年3月11日の東日本大震災で地元の山元町の荒れ果てた姿を見て奮起。特産品であるイチゴ作りを復活させたいと2011年9月にイチゴ栽培を開始した。

はじめは、コンピュータを使わないで地元のベテランに教えてもらいながら生産を行っていた。そのベテラン農家もこれまでの経験と感覚で行っており、一人前になるには10年から15年かかる、と言われ、疑問に思ったのだという。

そこで岩佐さんは、ベテラン農家の方に一日中ついて回り、その方が窓を開閉するときの温度や湿度、水やりの際の土の水分量、カーテンを閉めるときの日射量などをすべてデータ化。それを元に最適な数値を割り出し、いまのシステムを作り上げたのだという。

 

こうして、通常よりも短い期間でイチゴ栽培のノウハウを作り上げることに成功し、今では、イチゴ栽培に関わりたいという若者への就労支援も行っている。

 

 

 

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学習ソフトでより簡単に農業技術を学ぶ仕組み

 

山梨県のイチゴ農園では、慶應義塾大学 環境情報学部 准教授の神成淳司さんが、農家の方にアイカメラを着けてもらい、苗のどうのような部分を見て苗の状態を判断しているのかをマニュアル化している。

このデータを活用して、神成准教授は、学習ソフトを制作している。こうしたソフトを現在13の都道府県や自治体と協力して制作しているのだという。

どうしても農業は時間のかかる事業であり、なかなか若者が入ってこないため、このままだと世界的に認められている農業技術が廃れていってしまう。そうした点に問題意識を持ち、この学習ソフトの制作を進めているのだという。